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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
記憶改竄
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そそる暇もない

川端康宗は悩んでいた。

教祖としての作戦を渡していた翼や勝手な行動をしたけど強い常吉が死んだ。


「このままじゃまずい。結界なかったら多分すぐに調査に乗り出してくるやろ。人数差でゴリ押されるかもしれん」

「ユーラシア以外はもう行けたのでしょう? それならもう始めてもいいんじゃない?」


(きらら)はそう提案するが康宗は却下する。


「アジアとヨーロッパの人口が1番多いんや。20億程度やったら倒されるかもしれん。念には念をや」

「イヤ、無理ダロ」

「無理じゃないよ。向こうには常吉予想では1億なら簡単に倒せる女がいるらしい」

「リュウジは考えスギ」

「僕は康宗に賛成だ」


賛成した人がいたところでどう対策をすべきか分からない。

そんな時、隆治はひらめく。


「僕の能力で全員の記憶を改竄(かいざん)するとかどう?」

「どれだけの魔力いると思ってるのよ」

「ソウダ」


隆治はいいアイデアだと思ったのにとしゅんとする。

だが、康宗はピカーンとなにかひらめく。


「それなら、魔力保管機がある。それ使おか」

「じゃあ、僕もう始めるね」


隆治はそう言うと康宗に案内されるがまま装置の前に立ち、自身から緑色の光を放った。



俺達は家でゆっくりしている。

太陽出てったから風呂掃除しないとなぁ。

あとトイレ掃除もか。

太陽、戻ってきてくんねぇかなぁ。


「なんか、暇だね」

「最近が忙しすぎただけ」


平和なのはいいことだけど、暇になってしまうな。

最終回終わった後のヒーローものもこんな感じなのかな。


「私達有名人みたいだし、食堂にでも行ってサイン会とかしようかな」

「いいなそれ。サングラスとかかけてこうぜ」

「そうと決まればレッツゴー」

「え、本当に行くのか?」


星奏の疑問もよそに俺達は準備し食堂に行く。

俺達はサングラスをかけ食堂のど真ん中の席を占領し道行く人たちを凝視する。


「……来ないね」

「なんか皆ひいてるな」

「それはそうだろうな」


俺達は暇になりペンをクルクル回す。


「そういえばさっき外国調査クエストがあったな。なんか2人ほどがもう出発してるらしい」

「なにそれ、めちゃくちゃ気になる」

「でも、外国ってゾンビだらけでしょ。行きたくないよ」


まぁ、それそうだな。

ゾンビ騒動が終わったら行くか。

俺達がペンをクルクル回してると4人組が前を通る。


「あ、太陽と一緒にいた」

「こんちわっす」

「お世話になりました」

「こんにちは」


確か、太陽が話しかけてた、洋介、海室、浩史、伊月ってやつらか。


「……なにやってんの?」


洋介が俺達の様子を見て気まづそうに会話を切り出す。


「俺達有名人なんでサイン会を」

「タダでいいよ」

「チェキは竜だけタダだ」


チェキもあるのかよ。

洋介達は戸惑いながらも自分の剣を出してくる。

俺達はサヤの部分に油性のペンでサインをする。


「……太陽、絶対こいつらと一緒にいるの大変だっただろ」

「酷いな。暇だからこんなことしてんだよ」

「そうだよ、暇だからだよ」

「私はトレーニングという日課がまだ残ってる」

「暇人羨ましい」

「全くだ」


俺達は暇人だけど暇人じゃないと話していると伊月が口を開く。


「だったらさ、俺達とゾンビ倒しに行くとかどう?」

「え、お前ら騎士だろ?」

「戦争目的で騎士集めたくて募集ランク下げただけだからお前ら解雇、だって。貴族は酷いわ」

「お父さん、もう隠す気なくなったのか?」

「守秘義務がなくなったから言うが俺監禁させられてたからな。洋介達を簡単に動かすための人質だって言われて」

「多分、人質的なやつはこいつ以外もいる」


星奏パパやばいな。


「てな、感じで。今日だけでも助けてくれるとありがたい」


伊月はそう言って頭を下げる。

確か、耶楼が前までいたんだけっな。

でも、もういないしどうするか分からないんだろう。


「それなら、俺からも」

「俺もだ」

「3人も頭下げるなら俺はいいか」

「お前もやれ」


海室は浩史に無理やり頭を下げさせられ全員頭を下げる。

なんか、俺達お助けポジに回りやすくなったな。


「ま、暇だったしね」

「あぁ、ものを取るからちょっと待て」


星奏はそう言って目を閉じる。

そして、しばらくすると剣などの必要アイテムが浮いて俺達の手元にやってくる。


「よし、いくか」

「お前の能力まじ便利」


俺達はそう言って洋介達と一緒に町の外を出た。



こいつら、意外とできるな。

連携とか上手い。

魔法打つ対象を目配せだけで絞ったり死角からの攻撃させられそうになったらお互いにお互いをカバーしてる。

俺達いらなくね?


「お前ら結構すごいな」

「竜達程じゃねぇけどな」


実績だけだろうなぁ。

俺達より凄いやつは沢山いそう。

ほんと、実績だけだ。

俺達は荷車を押すのを手伝いながら町に帰る。

前は俺、洋介、海室、浩史。

後ろは伊月、星奏、雫だ。


「太陽って意外と怖いんだな」

「そうだぞ。あいつのガンギマってた顔まだ忘れられねぇもん」

「ていうか、お前らまた上級倒したんだって?」

「太陽いなかったら死んでたけどな」


俺は洋介達との話で盛り上がる。


「……竜が後ろの方がよかったかな?」

「あいつが勝手に前に行ったのが悪い」

「だね。伊月は気まずそうにしなくていいよ」


なんか、俺凝視されてる気がする。

まぁいっか。


「そういえば、君達って竜とどんな関係なんだ? 友達にしては距離感が結構近いような」

「友達」

「友達だ」

「あ、そんなあっさり」

「普通の仲のいい友達だ」

「……でも、竜のあんな顔は見た事ないね」

「え、楽しそうに話してる顔を見た事ないの?」


なんか視線が増えたような気がする。


「それで、太陽がさ、あいつらの下着とる時顔真っ赤で」

「童貞くせぇ」

「洋介、俺達も多分そうなる」

「海室の言葉に賛成などしたくないがそうなるな」

「俺が童貞って言いたいんか。卒業はしてるんだぞ」

「「「金に物言わせただけ」」」

「おめぇらぁぁ!」


俺達の話が更に盛り上がる。


「楽しそうはあるよ」

「でもな、雰囲気が少し違うんだ。なんというか、あんなバカみたいにはしゃいで笑うのはないな」

「あー、あの男子特有の会話とかね。確かに、君達が普段見てる姿とは違うんだろうね」

「なんか、見てるとモヤモヤするんだよね。私達が1番仲良くてなんでも分かる友達なはずなのに、私達が知らない顔するの」

「悔しいが嫉妬だな」

「男女の間で友達としての嫉妬ってあるんだ」


なんか、後ろの方静かだな。


「2人とも、コミュ障発動してんのか? 学校で培ったコミュ力どーした。社会学ぶ場所でもトーク力は学ばなかったのか?」

「ニート風情が調子乗るなよ」

「そうだ、そうだ。スネかじりニート」


2人は俺に向かって野次を飛ばす。

俺はムカつきながらも楽しいと感じながら返す。


「君達にしか見せない顔あるじゃないか」

「なんか言ったか?」

「いや何も」


俺達は町に着く。


「今日はこの金で食堂で飯でもどうだ?」

「それなら、食堂は抑えめにして明日雫のお昼ご飯でも食うか?」

「なんで、私が作る前提? いいけどさ」

「女子の手作りか、いいな」

「お、俺は女だろうが男だろうがどっちでもいいがな」

「素直に喜べ」

「じゃあ、明日の12時くらいに――」


俺が話をまとめようとしていると突如緑色の光が近づいてくる。

大きさは……そこらのビルよりも大きい。

何かの能力か?


「そそるぜ、これはぁ」

「100億パーセントやべぇ光だ」


光に飲み込まれた人達もいるが石化はしてないみたいだ。


「一応、無鍬を……」


突如、光の進行ペースが早くなり俺達を飲み込む。

そこで、俺達の視界は真っ黒になる。



俺は突如目を覚ます。

色んな男の人とリビングで適当に寝ている。

ドアが開く音がすると1つしかない部屋から女の人が4人出てくる。

その音ともに周りで寝てた男の人達も起きてくる。

なんだろう、この不思議な感じは。

見たことがないと思うのに記憶はある。

俺の名前は橘 康介(たちばなこうすけ)

ゾンビが突如世界を襲ってきた時と同じタイミングで髪の毛が灰色、目が紫になった高校3年。

ただの男だ。

章の名前が記憶改ざんということからご察しできるかとは思いますが橘康介君は竜です

ちなみに他の人達はマジで知らん人です

今回はちょっと趣向変わってるんですけどよろしくです

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