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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
多くの屍の上で
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1人の兵士の物語2

私達はマレー半島という島に上陸する。

自然豊かな所だ。

今から人が死ぬとは思えない。


「軍曹、俺頑張ります」

「そうか、一昨日は楽しめたか?」

「もちろんです」

「俺、童貞のまま死ぬのか」

「おつかれ」

「大丈夫、あいつ以外ここにいる皆童貞だ」


もうすぐ戦いになるというのに呑気なヤツらだ。


「私達はまず、あの山を選挙する。あそこを我々の基地を作り周りの戦況を見渡し、本部に情報を送る。そして、いざと言う時は我々も出撃だ」

「了解です」

「皆一緒とはいえ全財産使って遊郭に行けばよかった」

「本当にお前ら呑気だな。もっと気を引き締めろ」


私は山の中へと入っていく。


「カブトムシいねぇかな」

「暖かいとはいえもう冬の時期だぞ。いるわけない」

「あんま喋るな。見つかったらどうする」


お前らはガキか。

私達は眺めがいい所をたまたま見つけそこを基地とすることにした。

もちろん、私達に建築技術はないので穴を掘って基地にすることにする。


「今回は軍曹も掘るんですね」

「見てるだけだとバカにしてくるやつがいるからな」

「今もドヤ顔で掘ってますもんね」

「1発殴ってやりたいぐらいだ」

「僕は殴りました」


まぁ、あの顔になら殴ってもお咎めなしにしてやるか。

殴られたと言う飯尾の顔はまだドヤ顔だ。


「ていうか、この基地ってプライベート空間ないですよね」

「当たり前だろ。そこら辺の茂みを使うのはいいが殺されても責任は取れんぞ」

「僕達、健全な男なんですよ」

「作りたいなら自分で掘れ。一応言うがここは基地だからな。もしかしたら負傷した兵士が来るかもしれないというのは頭に入れとけよ」

「ちょっと戦争終わらせてきます」

「そんな気軽に終わらせられんわ」


こいつら人間と言うより盛づいた猿だな。

動物園に入れてもらうよう上層部と掛け合うか。

私達は1日使って基地という名の洞穴を作った。

補給船への道はある程度作っている。

ここに物資を蓄えることも出来るな。

私がこの基地を点検するために見渡していると皆がソワソワとしていることに気づく。


「なんか秘密基地みたいでかっけぇ」

「基地ではあるしな」

「なぁなぁ、探検しようぜ」

「俺達が作ったのに探検いるか?」

「自分、双眼鏡で周りを見るだけの仕事だったから中身知らないから見たい」


まぁ、もう夜だ。

相手軍も休息を取る時間だろう。

一応私が見張りをしてこいつらを寝かせるか。


「今から休憩時間だ。疲れもあるだろ。できる限りは寝ろよ」

「「「はーい」」」

「探検、探検」

「俺、寝る」

「お前も探検隊の仲間だろ」

「う、ギブギブ」


山浦が首を掴まれながら里倉に連れ去られる。

私はその光景を微笑ましく思いながら見張りの位置に着く。

日本よりは比較的に暖かい。

うっかり寝てしまいそうだ。


「隣、いいですか?」


飯尾が隣に立つ。


「休めと言ったはずだが」

「急に襲撃が来たらどうするんですか。1人じゃ無理かもしれないんですよ」

「まだバレるようなことはしていない。大丈夫だ」

「念には念をですよ」


私はお前達よりも上だと言うのに。

全く、困ったやつだ。


「彼女にはなんと言ったんだ?」

「どういうことです?」

「別れの挨拶だ。戦地に行くんだ何かしら言うだろ」

「そうですね、帰ってきたら結婚しようですかね」

「なぜだろう、その言葉はすごく言ってはいけない気がする」

「俺もです」


飯尾がガクブルと真っ青になりながら私を見る。


「……ここだけ見たら平和ですよね」

「そうだな。山の中で基地を作ってそこに泊まって、常に仲間と一緒。すごく平和だ」

「こんな時間がずっと続けばいいのに」

「……そうだな」


軍人として、言ってはいけないとは思ってる。

人を殺す仕事を生業にしてるやつが平和に過ごしたいなどお門違いにも程がある。

だが、もし平和に暮らせれるならそうしたい。


「彼女、泣いてました。行かないでって」

「一応聞くが自慢じゃないよな?」

「当たり前でしょ。それで、俺はその、大粒の涙をこぼした彼女と……しました」

「ちょっと、皆呼んでくる。自分で自分を括り付けて待ってろ。上司命令だ」

「泣きますよ?」


ったく、しみじみしていたところに自慢話とは性格の悪いやつだ。

私が優しくてよかったな。


「俺は絶対に生きて帰りますよ。帰りを待ってる人がいるんで」

「私もお前らを死なせないようにはしてやる。安心しろ、私がいる限りお前達は死なせん」

「軍曹、かっけぇ。なんでそんなかっこいいのに彼女いないんですか?」


私は飯尾を蹴り飛ばす。

これも、教育的指導だ。

体に教え込むタイプだが。


「俺、軍曹に殺されそう」

「お前、後どれだけ自慢するつもりなんだ」


流石にこれ以上されたら呆れが先に来るぞ。


「軍曹は帰りを待つ人いますか?」

「そうだな、母と妹がいる」

「あれ、父親はどうされたのですか?」

「結核で死んだ。私が12歳ぐらいの時だ。それからは母が女手1つで育ててくれた」

「もしかして、軍曹が軍に入ったのって」

「母に恩を返すためだ。国のためになるからという理由もあるがな」


飯尾はふーんと鼻で返事をする。

結核で死んだなんて言わせて申し訳ないとでも思っているのだろうか。

もう受け入れているし何年も経っているんだ、この話題も今更だ。


「もし、もしですよ。結核みたいな死ぬ病気とか、こんな世界を巻き込んだ争いとか、全部なくなって、誰も理不尽な死がない。そんな世界があったら、最高じゃないですか?」

「最高だな。でも、こんな話、誰かに聞かれたらまずいからもうするなよ」

「はーい」


飯尾はそう言って基地に入っていく。


「誰も理不尽な死がない世界……か。なら、こんな戦争だらけの世界を終わらせないとな」



4ヶ月程度の月日が経ち、マレー半島での日本軍の目的は達成した。

里倉と山浦は死んだ。

理由は味方の兵の療養中に後をつけてきた敵兵と戦ったからだ。

私達は船に乗り帰還する。


「……お前ら、意外と静かだな」

「自分達だってガキじゃないんです。誰かが死ぬかもしれないぐらいは頭に入れてますよ」


そういうものか。


「軍曹、帰ったら訓練しましょう。すぐにでも」

「いいのか? 彼女に会いたいとかは思わないのか?」

「思いますよ。でも、一時の感情で一生会えなくなる方が俺は嫌です」

「そうか、分かった。訓練をしよう。ただし、志願者だけだ。仲間が死んだんだ、精神的にも疲れてるやつは今日ぐらい休め」


誰も、休む者はいなかった。

休む暇があるなら生き残るための方法を磨きたいのだろう。

私は船首の近くにまで行く。

誰もいない事を確認し座り込む。


「守れなかった」


私は地面を力強く叩く。

泣くのは必死に我慢し、頭をかきむしる。


「くそっ!あの時もっと早くに気づいていれば、もっと早くに引き金を引いていれば助けれたでは無いか。判断の遅さ、自身の未熟さ、あいつらが死んだのは全部、そんな弱い私のせいだ。何が若くして出世コース入ったエリートだ。仲間もまともに守れないで」


今度こそは守ってやる。

絶対に。

〈2周年記念パーティー〉

挿絵(By みてみん)

※ここは本編とは別の世界線の話です


俺は雫や星奏、その他大勢のヤツらと一緒に1つの会場にいる。

なんか、天使の輪っか付いてるやついるし、俺が殺したやつもいるし、一体全体ここはなんなんだ?

俺が戸惑ってると星奏が話し出す。


「ここってあ、2周年記念会場か」

「え、なにそれ。なんの2周年?」

「え、竜知らないの?」


俺は2人がさも当然かのように振る舞う姿に困惑する。


「世界の終わりが小説家になろうに投稿され始めて2年経ったんだよ」

「そのお祝いパーティーだ」


え、なにそれ知らない。

ていうか、世界の終わりってなに?

何かの作品名?

俺は悩むだけ無駄と思いとりあえず近くにあった食事に手をつける。

せっかくパーティーだし楽しむとするか。

俺は適当な料理を皿によそう。

あ、ハンバーグ美味しそう。

俺がハンバーグのトングに手を伸ばそうとすると誰かの手に触れる。


「あ、すいませ――」

「げ、高野竜」


この声は確か……


「升か」

「あ、あの時は、その……なんかごめんな」

「え」

「いや、命令とはいえ殺そうとしてたのはやばいよな。マジすまん」


こいつってこんなマトモだったのか?


「先に取っていいぞ」

「なんだその上から目線。俺らに負けたくせに」

「3対1は卑怯だろ」


ゾンビっだけで卑怯なんだからハンデぐらい寄越せ。

俺はとりあえずハンバーグを取り他を見て回る。

雫は有輝や太陽と話している。


「やっぱ常吉の強さって頭おかしいよね」

「そうっすね。天郎とか士郎よりも頭1つ抜けてたっす」

「僕は他を知らないんですけど僕だけじゃ倒せないっていうのはすごく伝わってます」


話題に上がってる常吉はと言うと日本酒に酔いつぶれベロベロになっていた。

まだめちゃくちゃ残ってるのに。

どんだけ酒弱いんだ。


「排除ベンチはんたーい」


星奏は泣きながら教祖と話していた。


「そうか、翼も悩みがあったんだな」

「でも、僕がしたことは許されることじゃないし、地獄で償うとするよ」

「来世は立派になれよ」

「もちろん」


どんな話をしてたのか知らないがまぁ楽しそうでなりよりだ。


「教祖様ってやっぱりいいね」

「ショタコンですね」


天郎は別の枢機卿と話しているみたいだ。

俺が天郎を見ていると俺が見ているのに気づいたのか露骨に嫌そうな顔をする。

酷いなお前。

俺がため息をつくと天郎の表情がグニグニと変わり、俺をまっすぐ見る。


「高野竜だったか? 元気してるか?」


士郎に変わったのか。


「お前達がいなかったらもっと元気だったけどな」

「そうか、それならよかった」


煽りが全然聞かねぇ。


「君、確か光金君だね? 藤江という者も連れてきていいからうちの騎士にならないか?」

「いや、俺は自由に歩き回りたいだけっちゃから別にいいっちゃ」


星奏パパ、呑気に騎士勧誘してんのかよ。

お前が俺達にした事忘れたわけじゃねぇからな。


「俺の領土返せよ」


和利の後ろでエロゲに出てきそうなおっさんが喚き散らかしている。

名前は……誰だったか忘れた。

確か元横浜貴族。


「高野竜、お前よくも俺の事殺しやがったな」


声がした方に振り返ると水夢(みなむ)がいた。


「お前がいなけりゃいい世界に――」

「負けたヤツは黙っとけ」


俺は水夢を無視し他を歩き回る。

めんどくさいやつは適当にあしらうのがいいんだ。


「あ、こいつが太陽の師匠か」

「そうそう」


天使の輪っかを浮かべた耶楼(やる)がこっちに近づいてくる。

確か、洋介とか海室(みむろ)とか伊月といったか。

もう1人の男は知らんが恐らく浩史。


「ありがとうな、太陽に色々教えてやって」

「いやいや、別に大丈夫っすよ」


こいつには色々やったせいで頭上がらない。

女体化の時はどうもすんませんした。


「あ、耶楼さん。また会えましたね」

「こんな形になるとは思わなかったけどな」


太陽が笑顔で耶楼の所に行く。


「強くなったな」

「まだまだですよ」

「俺より強いんだから謙遜するな」

「えへへ」


太陽可愛いな。

耶楼、太陽……うん、考えないでおこう。

俺は色々疲れ雫達の所に行く。


「よ、有輝久しぶり」

「久しぶりっす、竜さん」

「竜、有輝がサバゲーやるとか普通にズルだよね?」

「そうだな。普通に動きやばかったし」

「酷いっす」


あの時は本当に酷かったな。

一方的な虐殺だったからな。

俺達が有輝のチートっぷりを言い合っていると突然前に人が現れる。

……誰だあいつ見たことねぇぞ。


「やー、皆さん楽しんでますかー」

「「「「「いえーい」」」」」

「ブー」

「楽しめてるみたいで良かった」


1人楽しめてないやついただろ。


「2年間でこの世界のキャラもめちゃくちゃ増えたなぁ」


皆の目の前で独り言吐くなよ。


「2周年記念として、人気投票みたいなのをしたかったですが、多分投票してくれる人がいないんで出来ないのが現状です」


そんなの気にしてんのお前だ――


「くっそー」

「底辺なろう作家が!」

「私が一番可愛いのに」


他にもいたわ。


「まぁ、とりあえずこのキャラが好きだったら教えてとは呼びかけているけどただ呼びかけるだけじゃダメだ。ということで……」


お前受験生だろ。

こんなんしてる暇あったら勉強しろ。


「好きと言われた数が1番多いキャラに1話か1章分ぐらいの話を作ります」

「「「「「「「……は!?」」」」」」」


1話と1章ってバカほど差があるけどな。

ていうか、お前受験生じゃ――


「さぁ、読者共に媚びろ、我が子達よ」

「私が一番可愛い」

「俺が一番になった暁にはRを18に――」

「友達欲しい」

「私に投票してくれてもいいんだぞ」

「僕はいいっす」

「僕は8章が丸々僕の話なんでこれで十分感ありますね」

「もっと欲張れボクっ娘ども」

「「娘じゃない」っす」


皆それぞれが主張し合う。


「ていうことで、あなたの好きなキャラをお聞かせください」

「主人公の俺からもお願いします」

「主人公感ないお前は黙っとけ」

「お前がそんなふうにしたんだろうが」


俺は作者と言い合いになる。

もっと俺にチート能力寄越せや!



「……龍之介君、いつまで机の下にいるつもり?」

「出たら竜にいることバレるだろ」

「今はメタ発言の嵐だし、多分会っても物語的に死んどけって言われるだけで済むよ」

「死んだやつが生き返ってるのになんで辰美(たつみ)がいないんだ」

「まだセリフの1つもないからでしょ」

「おかしい、本当におかしい」



後書き

本当に好きなキャラを教えてくれれば何か話書きます

なんで良かったら教えてください

もしかしたらイラストも描くかも? 気分によるやろうけど

投票の仕方は自分にメッセージを送るか感想のとこに書くかでお願いします

期限は3月21日ぐらいまでで

では、また次回

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