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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
多くの屍の上で
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クソ強ジジイは強い1

朝となり僕達は目を覚ます。

干してた服はもう乾いてるみたいだ。

僕達は干してた服に着替え朝ごはんを食べる。

朝ごはんといってもカップ麺だ。


「朝からカップ麺は罪悪感の味がしておいしいね」

「お肌荒れちゃうな」

「もうちょっと非常食を買っとくべきでしたね」


朝ごはんを食べ終わらせ外に出る支度をする。

戦争を今から終わらせるのだ。

今終わらせれるならまだ死人は出さずに済む。


「すいません、手伝って欲しいことがます」

「分かった。とりあえずどこに行けばいいんだ? 行きながら聞こう」


まずは全町の貴族を集める必要がある。

星奏さんの魔力じゃ絶対にもたない。

魔力水、贅沢を言うなら魔力玉が欲しいところだ。

いや、全町は諦めて大元の東京と名古屋だな。

そこさえ、止めされば……


「先に名古屋に行きましょう」

「分かった。サイコ――」

「皆、戦闘態勢!」


雫さんがそう言うと雫さんの周りに動物の影が出てきてドンドンと雫さんの中に入っていく。

僕達は雫さんの言う通りにすぐさま剣を掴む。


「久しぶりだな」


ベランダから声が聞こえ振り向くとかなり年配と見られる老人がベランダに立っている。

あれ、普通の人間じゃないか。


「常吉。また会うとはな」

「前よりもいい目をするようになったな。父親があんなクズと分かったばかりだと言うのに元気そうだ」

「それはそれ、これはこれだ。一応聞くが何の用だ」

「もちろん。お前達の抹殺だ」


常吉というらしい老人はそう言うと窓をぶち壊し僕に縄を飛ばしてくる。


「へ?」


縄が僕に当たるとグルグルと巻き付きベランダの外に飛ばされ落下する。

この高さからの落下は死ぬ。


「衝撃!」


僕は僕自身を飛ばし落下エネルギーを相殺しながら地面に落ちる。


「ジャストアタック!」


雫さんの声が聞こえると常吉が落下してくる。

常吉が落ちると皆さんもすぐさま降りてくる。


「あの人、急に何してきたのですか」

「太陽、あいつは俺達を狙ってるゾンビだ。怪我が一瞬で治るのを見たことがあるから間違いじゃない。しかも、あいつは前に有輝をボコボコにしたんだ」

「有輝さんをですか?」

「あぁ。もしかしたら魔力剥奪器の上位互換みたいなのを使ってくるかもしれないから注意しろ」

「分かりました」


竜さんが僕に忠告していると常吉はゆっくりと近づいてくる。

僕はすぐに常吉に向かって剣を構える。


「小僧、覚悟の決まったいい目だな」

「やりたいことが明確になりましたからね。後は突っ走るだけです」


僕は常吉に向かって走る。


「ちょっと、待て太陽」


こいつの能力は恐らく縄を操る能力だ。

僕や竜さん達みたいに他の能力もあるかもしれないことを頭に入れておこう。


「撃剣」


僕は剣を衝撃波で加速させ切りかかる。

だが、指先で捕まれ蹴り飛ばされる。

常吉が縄を出しその縄が僕に巻き付き常吉の下に引っ張られまた蹴られる。


「そんな趣味の悪いヨーヨーみたいなことをすんなよ」


竜さんが圧縮した水を魔法で出し縄を切る事で僕は解放される。


「立てるか?」

「はい」


少し焦ってたな。

視野を広げる能力を使うのを忘れてた。


広視野(こうしや)


僕が能力で視野を広げると雫さんが常吉に向かって走っていた。


「今回は獣のような姿にならないのか」

「着替え持ってきてないからね」


雫さんと常吉はかなりの素早さで肉弾戦を繰り広げる。

それぞれのパンチを避けたり受け止めたり。

そのスピードは段々と上がっていき雫さんが顔に難色を示す。


「よし、やっと結べた」


ポニーテールに髪を結んだ星奏さんも前に出る。


「お前相手には出し惜しみはしない」

「私はお客様だからな。それぐらいしてもらわないと困る」


星奏さんは常吉に近づき浮かせていた剣を手に取りきりかかる。

そのきりかかるまでの間に僕の家から包丁のような物が常吉に向かって飛んでくる。

常吉はサッと避け星奏さんの剣を止める。

雫さんの攻撃を防ぎながら。

今なら両手が塞がってる。


「衝撃」


僕は自身を吹き飛ばし常吉に向かって最短最速で真正面からきりかかる。


「腕は使えんが頭は使えるぞ」


常吉は頭で僕の剣を防ぐ。

すると、止めていた星奏さんの剣先を僕に向けて刺そうとしてくる。

が、急に剣先がなくなり常吉の首に少しだけ刺さっていた。


「咄嗟に首の防御力を上げたか」

「中々だ。もう少しお前達も見とくべきだったな」


常吉がそう言うと常吉から縄が出てきて龍のような形をして暴れ回る。


操縄(そうじょう)、龍」

「え、俺?」

「違う」


その縄から僕達はすぐさま離れ後ろに下がる。

すると、竜さんは前に出てきて大きな火を作り出す。


「アトムファイア」


その竜さんが作った火は縄を焼き付くし暴れていた縄を止める。


「ウォーターボム」


竜さんは常吉さんの近くに水玉を作り出すとバンバンと弾け常吉の体勢が少し不安定になる。

この隙をすかさずに竜さん以外の僕達3人は攻撃にかかる。


「発光」

「解除」


常吉の体が一瞬眩しく光ろうとしていたが竜さんがすぐさまその光を消す。


「流石に通じんか」


常吉はそう言って自身の足元に能力か何かで穴を作り落ち僕達の攻撃をかわす。


「操縄、風車」


穴から縄が出てきてグルグルと回転する。

星奏さんと雫さんはジャンプをしてかわすが僕はその縄に巻き込まれムチのような痛みが体中を襲う。

こんなにも痛いことがあるのか。

今までの戦いはなんだったんだと思うぐらいだ。

星奏さんがすぐに僕の体を浮かせてくれて事なきを得る。


「穴にひきこもってんじゃねぇよ。アトム――」

「お前こそずっと後ろにいるな。男児がそんなのでいいのか?」


いつの間にか後ろに立っていた常吉は竜さんのお腹目掛けて殴りかかる。


「衝撃」


僕が咄嗟に常吉をはじき飛ばそうとしたが常吉は僕の衝撃波を食らっても体勢を維持していた。


「ソニックブロウ」


竜さんは自分自身をはじき飛ばし常吉の攻撃をギリギリで避ける。


「モグラ野郎がよ。ずっと穴でも掘ってミミズと暮らしてろ」

「穴を見ることしか出来ないお前は可哀想だな」

「うっせ」


恥ずかしそうな顔の竜さんは無言で電気魔法を発動するが常吉は縄を操って電撃を受け流す。


「何かしらの病気にでもしてあげるよ」


透明化していた雫さんは後ろから思いっきり常吉の頭を殴る。

が、常吉はケロッとしていた。


「これは認知症になるな」


常吉は雫さんの顔を見つつ横から透明化していた星奏さんの剣の突きを指先で止める。


虚剣(ヴォイドブレード)


星奏さんの剣先が真反対から出てきて常吉の首を突こうとするが常吉は後ろにのけぞりギリギリで避ける。


「認知症予防に丁度いいな」


僕は後ろにのけぞって重心が高い今がチャンスだと思い手をかざす。


電槍(でんそう)


電気を真っ直ぐに飛ばし常吉に向かわせる。


「操縄、鯉のぼり」


縄が大きな魚の形をして僕の電気を受けながら上へ上へと登っていく。

そして、僕の電気で全身に電気を帯びた縄は僕に向かって泳いでき僕は何も出来ずに当たる。

幸い、そこまで強い電気じゃなく体がビリビリと焼ける感覚を味わうだけですんだ。

だけじゃ済まされないほどの痛みだった。

でも、死んでないだけマシだ。


「電気マッサージを受けるには若すぎると思ってたんだがな」

「どんなことも生きてるだけ、マシですよ」

「若い癖にいい事を言うな。名は?」

日本太陽(にちもとたいよう)です」

「そうか、覚えてやる」

「私達は忘れてるみたいだけどね」


雫さんと星奏さんの同時攻撃を自身の足元に穴を作ることで避ける。

どういう手でいけばいいんだ。

久しぶり、常吉

お前5章でもボスで今回もボスか

有輝おらんからって油断すんなよ

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