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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
多くの屍の上で
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急襲

僕は軽いお昼ご飯を食べ荷台を押す。

僕以外の人達も話しながらではあるが周囲の警戒を解かずに進む。

今日はこれで終わりだ。

帰ってゾンビを換金してお金を貰ってそのまま解散という流れらしい。


「家欲しくね?」

「でも、高くないか? 最初に数千万払った組は少し家賃が安くなっているらしいが俺たちみたいな中程度の冒険者じゃ普段の家賃払えねぇよ」

「俺達の月収は大体27万。そこから税金で色々引かれて15万ぐらい。さらに食費は自炊しても2、3万はかかる。でも、俺達の場合は自炊なんてするやついないから5万程度吹き飛ぶ。それに剣の整備は毎日欠かせないし魔力水の補充もする必要がある。これらは大体月に2万ってとこだな」

「それでも8万だ。シェアハウスすれば余裕だろ」

「洋介、シェアハウスなんてもんはやらない方が身のためだぞ」

「家事分担が上手くいかなくて友情崩壊とかよく聞くし、洋介とはシェアハウス絶対上手く行かない自信あるし嫌だな」

「酷い」


シェアハウスって一緒に住むから互の色んな面が見えて嫌になるってよく聞くしね。

楽しそうではあるけど、僕は1人で住む派かな。


「1人で家住むとなったら、農家や鍛冶師になって家貰うか、クソ難しい公務員試験突破するか、ゾンビに2、3人程度の少数で行くバカ強い冒険者になるか、騎士になるか、だからな」

「結構方法あるな」

「でも、お前農家は無理だろうし、鍛冶師みたいな地道な力仕事には向いてないだろ」

「それにFラン大学だし」

「身体能力上昇あるけど有輝さんや光金さんレベルじゃねぇし、Cランクだし」

「宿で暮らして、食堂でバカみたいに酒飲んで夜のお店でハッスルする程度で十分だろ」

「所々ディスが含まれてるのが気に食わないがそれもそうだな」


洋介さん、酷い言われようだな。


「洋介さん抜きでシェアハウスするって言うならいいんですか?」

「え?」

「俺は別にいいかな」


耶楼(やる)さんはいいんだ。


「俺は1人でゆっくりできる方がいい。それに浩史は絶対家事系にうるさい」


海室さんはダメと。


「俺はいいけど、海室の言う通り家事系はしっかり分担したい派だから無理だな。ちょっとでも忘れてたとか言われたら間違って殴りそうだ」


浩史さんは細かいけどそれでもいいならって感じか。

最後怖いな。


「俺は憧れるだけで十分かな。一人暮らしの方がまだ楽そう」


伊月さんもダメか。

やっぱりダメな人は多いんだな。


「僕もあんまり多いのは嫌ですね」

「皆、ロマンねぇなぁ」

「洋介は絶対にそこら辺にパンツ投げてそうだから嫌だな」

「家事忘れたとか平気で言いそう」


酷い言われようだが洋介さんが何も反論してないのを見るに実際そうしてたのだろう。

シェアハウスはアリかナシかで語っていると海室さんの動きが止まる。


「……ゾンビ接近中」

「数は?」

「……一体?」

「なんだ、驚かせるなよ」

「いや、でもなにか持ってる」


海室さんが目をつむる。

僕は荷台を押すのを止め念の為臨戦態勢に入る。


「……この手の握り方、銃か?」

「銃なんて、そんなもんゾンビが扱えるわけ――」


洋介さんがバカにしたような笑いで海室さんに話しかけていると突然パンッと銃声が鳴り響き洋介さんの片足に銃弾が当たる。

洋介さんは足から崩れ落ちる。


「っ!下がれ!それに魔法組は壁を建てろ」


突然の銃声に皆慌てていたが耶楼さんの指揮に従い海室さんと伊月さんは僕達の前に土の頑丈な壁を建てる。


「洋介、動けるか?」

「血が、血がやばいほど出てる。助けて……」

「一旦落ち着け。足の太ももを撃たれたか」


耶楼さんは落ち着いて自分の服の腕の部分を破き洋介さんの足の怪我の部分に包帯を巻く。


「銃声的にピストルだな。海室、距離は?」

「俺から見て右斜め前の建物の1階。空いてる窓にさっきまではいたが今は移動して建物の裏の方に行ってる」

「そんな行動、普通ゾンビはしない。ということは中級ゾンビか上級といったところか。それにただ殺すのではなく痛めつけてるところを見るにまぁまぁの知性があるな」


耶楼さん、凄い。

この一瞬の出来事を落ち着いて俯瞰してる。


「建物の中に入るぞ、室内になれば銃は使いもんにならん」

「洋介は?」

「俺が運ぶ、お前らは先に行け」


耶楼さんはそう言って洋介さんをおぶる。

僕達は耶楼さんの指示に従い近くの建物の中に入る。


「ちゃんと掴まれよ」

「足だけちゃんと持っててくれ」

「衝撃」


耶楼さんは凄い勢いで吹き飛び僕たちが入った建物に入る。


「魔力玉は持って来れた。魔力水も数本ある」

「中級ということは魔力量は10万程度か。能力もあるかもしれないと念頭に置いておこう」

「今、ゾンビは裏口の方にいる。近くで出待ちするか?」

「もし能力があって気配探知の場合壁越しで撃たれて終わりになるかもしれない。そうだな。とりあえず、この1階部分を迷路みたいにして壁を建てよう。こっちには海室の気配探知があるから常に位置を見れる。それにこっちは近接戦なら勝機がある」

「了解」


海室さんと伊月さんはさっきと同じような土の壁を作る。


「裏口のドアノブに触れた」

「間に合ったな」


伊月さんと海室さんは魔力水を飲み魔力を回復させる。

ドアが開く音がするとゾンビの足音がする。


「俺と浩史は前に出て、出待ちしよう」

「なら、俺も行く。場所がわかるやつが入れば安全だろ」

「分かった。なら、太陽と伊月は洋介を持って下がっててくれ」

「分かりました」

「太陽、頭持って。俺は足持つから」


僕は洋介さんの頭を持ち伊月さんは足を持つ。


「優しくね」

「3、2、1」

「あ、痛い」

「けが人は静かにしろ」

「ブラックジャックでもそんなこと言わねぇぞ」


僕達はうるさい洋介さんを後ろに下げ耶楼さん達の帰りを待つ。


「あいつら、大丈夫かな」

「大丈夫ですよ、耶楼さんがいるんですし」

「あいつが一番心配なんだよな」

「それな」


伊月さんと洋介さんは昔を思い出すかのような表情をする。

しばらくし、置いてけぼりな僕を見て伊月さんは慌てて話し出す。


「前に中級ゾンビに出会った時があったんだけどさ。皆怖がってる中あいつが1番前に出てさ」

「本当は俺が出なきゃなのにな」

「あいつが前で戦いながら指示を出してくれたおかげで何とかなったんだ」

「そんとき、俺と浩史は怖くて固まってた。ほんと、あいつはすげぇよ。恐怖心がないのかって思うこともある」

「それが耶楼の強みであり心配なとこでもあるけどな」

「どうゆうことですか?」


長所のせいで心配になるってどういうことだ?


「恐怖心っていうのがあるからこそ俺達は生き延びれるんだ。現に怖いものを見たら生きるために逃げようとするだろ? でも、あいつにはそれがない。というよりなくしてるんだろうな」

「俺達が弱いせいでな」


弱い人達を守るために恐怖心を捨てる。

簡単なことじゃないけどそれをやり遂げてる耶楼さんって本当に凄いな。


「もっと俺達が強ければな」


洋介さんの言葉に伊月さんが頷いていると焦げ臭い匂いが漂ってくる。


「誰だ、秋刀魚焼いてるやつ。食わせろ」

「こんなとこにそんなやついるかよ」


黒い煙が上がってくるのと同時にドコドコと足音がし、音が近づいてくる。

僕は火魔法を出して何が来てもいいようにすると耶楼さん達が走ってくる。


「あいつ、火を放ちやがった。急いで上がれ」

「「「へ?」」」

「仲良しハモリしてる暇あるなら足動かせ!」

「俺動かせねぇ」

「太陽、頭持って」

「は、はい」


僕達は慌てて洋介さんを持ちスピードを合わせて階段を駆け上がる。


「あいつ、本当に性格終わってる。ゾンビの癖に」

「屋上に出たら俺の衝撃波で皆を隣の建物に飛ばす。お前ら、急げ」


僕達は必死に足を動かす。


「ほら、太陽、伊月、早く動け」

「耶楼、このけが人は火葬でいいか?」

「ウェルダンぐらいまで焼いとけ」

「ちょ待てよ。許せしてよ」

「お経唱えましょうか?」

「太陽まで言うのやめてくれぇ!」

竜達は?と思った皆さん、落ち着いてください

その気持ち、ものすごく分かります

分かりすぎて怖いぐらい分かります

僕も同じ気持ちですから

なんか出てこなかった

シェアハウスのくだり絶対いらなかったな。

次回は多分出る予定

まぁ予定は未定、未定が予定なんで許してちょ

次回出なかったら切腹っすね

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