これからの課題
僕達は階段を登り2階に着く。
「左は大丈夫。右に沢山いる」
「今はまだ大丈夫そうだな。今のうちに魔力水を飲んでおけ」
「りょうかーい」
「ういーっす」
「分かった」
「はいはい」
「分かりました」
僕は渡されていた試験管に入った魔力水を飲む。
「これ思ってたけど試験管に入れたヤツセンスいいね」
「まだ厨二病患ってんのか?」
「こんなの色んな薬品使ってるから試験管に入れてるだけだろ」
「お前らロマンねぇなぁ」
「お前ら、もうちょっと危機感持っててくれよ」
耶楼さんが呆れたような顔で会話をしていた3人に向けて言う。
「振られたばかりのやつはスカしてるねぇ」
「あんまその話すんな」
「ナンパするやって感じの口調してておもろかったよな」
「恥ずかしかったからなんだから別にいいだろ。先行くぞ」
耶楼さんはそう言って先へと進み、僕達もそれに続いて先へ進む。
「すいません、耶楼さんがナンパした女性ってどのような方なのでしょうか?」
「あぁ、身内ノリに巻き込んでたな、すまん。見た目は普通って感じだった。性格はネガティブでマイペースだったな。耶楼が告ったけどあなたは自分なんかとは釣り合わないから別の人を……みたいなことを演技ぽかったけど言ってその場を去ろうとしてたのにギルドに来たついでか新聞買ってたんだよ」
なんでその雰囲気で新聞買おうとしたんだろ。
変な人だなぁ。
僕が伊月さんと話してると海室さんが会話に入ってくる。
「その子、立ち去る時なぜか食べてたパフェを耶楼の方に持ってってから立ち去ってたんだ。おかしくない?」
「そんなとこまで見てたのかよ。でも、まぁおかしいな」
「もしかしたら、その人は本当は男の人で付き合うのは無理だけど間接キスぐらいなって配慮したんじゃないですか? 1ヶ月前ぐらいに体入れ替わり事件とかあったし性転換ぐらいありそうじゃないですか?」
「それだったら、クソ面白いわ」
「なにか隠してる雰囲気があるって耶楼言ってたしワンチャンあるかもな」
僕達が絶対にないようなことで談笑をしているとゾンビ達がいる所に着く。
広間に沢山のゾンビがいる。
「ここと奥にある非常階段付近で全部だ」
「どう分けるべきか」
「魔力水まだ残ってるし1回全部外に出すってのはどうだ? ここじゃ数に飲み込まれて終わるぞ」
「それもそうだな。お前ら下がれ。俺が全部外まで吹き飛ばす」
耶楼さんがそう言うとゾンビ達が勢いよく吹き飛び壁が壊れ外へ出ていく。
僕達の方は余波で耶楼さん以外全員の髪が逆立つ。
耶楼さんはやりきった顔で奥の非常階段の方へ向かう。
「他人を気づかえないヤツだから振られたんだろうな」
「だな」
「俺、髪の手入れはいつもちゃんとやってるのに」
「今日、お店行こうとしてたのに」
「仕方ねぇだろ。なっちまったもんわ。ちゃんと下がれって言ったのに」
「下がれって言ってからちょっとしか経ってませんでした。こりゃあ許せませんよ」
耶楼さんが全く、やれやれだぜと言い僕以外の人達は振られ野郎と連呼しながら非常階段の方へ向かう。
「非常階段にはそこまでいないから。ササッと済ませよう」
「具体的な数は?」
浩史さんが海室さんに確認を求める。
浩史さんがちゃんと数を数えろみたいなこと言ってたのを海室さんはもう忘れちゃったんだ。
「えぇっと、9体だ」
「だとすると、落としたやつは――」
「42体だ」
「耶楼、計算おっそ」
「うっせ。振られ野郎だから許せよ」
僕達は非常階段に手をかける。
「降りる階段に3体、上がる階段に6体だ」
「じゃあ、上がりは俺と浩史と海室と太陽。降りは洋介と伊月だ」
「おっけー振られ野郎」
「了解、振られ野郎」
「分かった、振られ野郎」
「はいよ、振られ野郎」
「分かり――」
「太陽まで振られ野郎って言わないでくれ」
「言いませんよ!」
僕はあらかじめ、火魔法を作っておく。
後は射出タイミングと方向を決めるだけだ。
「行くぞ」
耶楼さんのかけ声と同時にドアが開く。
僕はすぐに上りの階段にいたゾンビに向かって魔法を放つ。
それを見逃さずに耶楼さんが剣を首元に突き刺し首をはねる。
浩史さんがゾンビの両腕を切り落とし再生される前に剣で首元に切りかかろうとするとゾンビが頭で攻撃しようとしてくる。
が、ゾンビの攻撃が届く前に海室さんの魔法が届きゾンビは後ろにのけぞり浩史さんが首を切る。
僕はよかったとホッと胸をなでおろしていると耶楼さんが前に進んでいた。
僕は火魔法を作りゾンビに向かって適当に放つと、当たったゾンビに向かって即座に剣を振る。
剣を振るスピードはかなり速く、剣を振ったと思っていたら首が切られていた。
残りの2体のゾンビが同時に襲いかかってきたが海室さんが2つ同時に魔法を出しそれぞれを別のゾンビに当て怯んだゾンビに向かって耶楼さんと浩史さんが切りかかり首が飛ぶ。
「こっち終わったぞー」
「こっちもだ」
洋介さんの声に反応した耶楼さんが階段下を向いて言い返す。
「3体なのに遅いな」
「2人だからな」
「そっち4人だし、人数不利だ」
軽い会話をし、魔力水を飲む。
「じゃあ、本命行こうか」
僕達は非常階段を降り大量のゾンビを目の前にする。
「10体ぐらいに小分けにしながら戦うぞ。俺は能力の使用に集中するから少し後ろの方に下がる」
「で、俺と浩史が前、残り後ろだな」
「周りにいるゾンビは今もこいつらだけだ。気にせずに行け」
「じゃあ、行くぞ。衝撃」
耶楼さんは能力を使い10体程のゾンビを僕達の方へ、残りのゾンビは後ろへと下げる。
「ファイヤーニードル」
海室さんは4個ほどの棘状の炎を出しゾンビに向けて放つ。
魔法が当たったゾンビに向かって洋介さんと浩史さんは突っ込んで行く。
「まずは1!」
「俺ので2!」
「はい、3」
「おら、4」
魔法が当たったゾンビを倒しているとゾンビ達が洋介さんと浩史さんを囲う。
まずい、えぇっとせめて、一体だけでも魔法を当てないと、あわわわ。
僕が慌てていると一体のゾンビが飛んでくる。
どうやら、洋介さんが蹴飛ばしたようだ。
飛んできたゾンビは耶楼さんが首を切る。
「ストーンパンチ」
伊月さんがそう唱えると大きな拳が囲っていたゾンビの地面から出てきて数体飛ばし上げる。
残ったゾンビには僕と海室さんが魔法を放って怯ませその隙に洋介さんと浩史さんがゾンビの首を切る。
飛ばしあげられたゾンビが落ちて来て落下の衝撃で上手く立てない間に首に剣を突き刺す。
これで、10体完了。
残り32体。
意外と余裕だ。
外だからか、皆全力を出せているのだろう。
「じゃ、次行くぞ」
耶楼さんはそう言って後ろから10体程のゾンビを前に出す。
「はい、これで最後」
洋介さんが最後のゾンビの首を切り戦いが終わる。
「終わりー!」
「勝ったぞ」
「やったー」
「帰ったら優香ちゃんが待ってるぞー」
「今日はストロング缶でも飲もうかな」
「サラリーマンみたいなこと言うな」
皆、終わった喜びではしゃぎ回る。
それに比べ僕は。
どっと気疲れしその場に座り込む。
「太陽、どうした? 体調でも悪いのか?」
「いえ、普通に疲れました。初めてあんな大量の生きてるゾンビを見たもので」
「あんなの普通、普通」
「いや、多いからな」
海室さんの言葉に浩史さんがツッコム。
「とりあえず、お昼ご飯食べてから帰る準備するか」
「死体の片付けもその後がいい」
「太陽の様子的にそっちの方がいいだろうしそうするか」
「すいません」
「いやいや、初めてにしてはよく頑張った。これからも頑張ろうぜ」
耶楼さんは優しいな。
よし、もっと頑張ろう。
帰りながら魔法の練習したりもしよう。
今はお昼でもう終わりだし、帰ったら剣の素振りでもして剣も使える様になろう。
今後の課題が色々鮮明に見えてきたぞ。
夢を叶えるためにも今はこの世界を生き残らないと。
……竜達いつ出んねん
はよ出てくれぇぇ
書いてて気が狂ってくる
主人公って竜達やんな?
え? 竜達じゃなくて太陽?
あいつらがいい感じに終わって2部が始まったとかなら分かるけどまだまだ続きそうな感じ出してたやん
竜達が出てこんと調子狂うで
いや、太陽が主人公か
忘れてた
竜はうちの犬の名前や
ん??????
……早く竜出そ