表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
自分でいたい
169/265

ボロボロ

私は教祖の首を切り落とす。

……勝った。

私は息を荒らげる。


「雫、やったな」

「やったね。一時期はどうなるかと思ったけど」


雫が意地悪な目で私を見てくる。


「あの時のことは黙っててくれ」

「こりゃ、星奏からたんまり搾り取れそうですわ」


夜逃げってどれくれいかかるか調べとかないとな。

今日中に荷物をまとめとこう。

私は能力を解き教祖の体を荷台に持っていこうとすると頭がフラフラとする。


「ていうか、鼻血やばいね。大丈夫?」

「あぁ、大丈夫……そこら辺の家からティッシュでも取ってくる」


私は体がフラフラしながらも体を動かす。

確か、この建物の1階にティッシュがあったはず。

空間把握でしっかりと見たからな。

私は頭が痛くても、足がフラフラでも必死に身体を動かす。

これぐらい、耐えれ……る……

私は頭がもう動かなくなりバタンと体が倒れる。

あ……これやばいやつ……

段々と視界が黒くなっていく。



星奏が倒れ私は急いで駆け寄る。


「大丈夫!? 息は……良かった、してる。えっとこういう時ってどうすれば……」


私は慌てていると後ろの方から竜が荷台を持ってやってくる。


「雫、星奏の足を持ってくれ。俺は頭の方持つ」


竜はどこか落ち着いていて妙に違和感があったけど言う通りに星奏の足を持つ。

竜は頭を持って星奏を荷台に乗せる。


「可哀想だけど教祖の死体を星奏の隣に置いといて。俺はお前の服とか色々取ってくる」


竜はそう言って建物の中に入っていく。

そうか、私の服破けたもんね。



竜から私の替えの服を貰うがサイズが合わない。

大きすぎる。

彼シャツってやつ? 彼氏いないのに。

服の匂いはちょっと臭い。


「ねぇ、竜。他のサイズなかったんだべか?」

「星奏の体を温めるのが先だったから、そこまで探してる暇はなかった」


竜は星奏の鼻血を拭き上に毛布を被せる。


「もう秋だから油断してると冷えるからな。温める方を優先しないとダメだったんだ」

「なるほどだぜ」


やっぱり竜の雰囲気が変。

妙に落ち着いてるというか、私達をあんまり見ないようにしてる?

好きになったとかはないだろうし、一体精神汚染の時に何があったんだろう。


「ていうか、竜まだ女の子のままじゃん」

「ん? あぁそうだな。教祖の能力が性ホルモンを操るだったし今日明日はこのままだろうな」


あぁ、そういう。

……反応がいつもと違う。


「雫も疲れただろ、荷台の上でゆっくりしとけ」

「でも、それじゃ運ぶの辛いでしょ」

「ゾンビ動物は置いていくし、俺はまだ魔力に余裕がある。お前らぐらい運べる」

「なら、お言葉に甘えて」


なんか、違和感しかなくて気持ち悪い。

いつもなら、雫も手伝え男女平等だ、とか言ってくるのに。

私が荷台に乗ると竜は荷台を押し始める。

流石に気になるし聞くか。


「竜、なんか悩んでることとかあるの?」

「……ないから大丈夫」


絶対あるじゃん。

言えないってことは私達には出来ないような話なんだろうけど。

それなら誰に相談するんだよ。

竜、私達以外に友達いないのに。


「……これ、言っちゃいけないことだからこの話は星奏の前では言わないで欲しいんだけどさ。星奏、死のうとしてたよ。精神汚染の影響で」

「そうなのか」


竜は驚きはしたものの落ち着いていた。


「星奏はなんとか乗り越えれたみたいだけど竜はどうなのか分からないから、なんか相談したいこととかあったらしていいからね」

「……あぁ、分かった」


竜、なんか辛そうにしてる。

力になりたいけどなれないな。

たまにはこういうのも頼って欲しいもんだけどね。


「そういえば、星奏が新しい能力に目覚めたみたいだよ」

「そうなのか。凄いな。俺ももう一個覚醒できる能力あるかな」

「それでね、星奏がワームホールみたいなんで移動したりもしてたし教祖の攻撃とか全部星奏の近くで止まってたし。クロの気配探知みたいな能力もあるし、めちゃくちゃ盛りだくさんだよね」

「チーターが2人か。いよいよ俺の立場がなくなってきたな」

「竜はもう自分のこと主人公だって言えないねー」

「……そうだな」


いつもなら、弱い主人公だっているしーとか言うのに。

竜のメンタルが凄く心配だ。

もし、竜が自殺なんてしたら……

……絶対に止めないとね。

あんまり竜から離れちゃダメだ。

目に見える範囲に常にいよう。



私は全てが終わったのを確認する。


「おじいちゃん、一体なんのためにこんなに縄張ってるの? ここはあなたの家ではないんですよ」

「いや、すまない。もう行っていいぞ」


私は至る所に張った縄を全て手元に回収する。

すると、Fはすぐさま走り出す。


「龍之……じゃない。F!私を置いてかないでよ」


華蓮もFに続き走り出す。

華蓮が本気で縄を切ろうとしてくれなくて良かった。

仲間のために戦おうとする人間を応援しないほど私の心は腐っていない。

かつての仲間もそうだった。

おぉっと、昔のことを今思い出した所で意味はないな。

それより今頃あいつら慌ててるだろうな。

ゾンビ動物の全てを奪われて大慌てだ。

いい気味だな。

まだ計画の最終段階には行かないと祈りつつ私も私の計画を始めるか。

全ての町からの返事の手紙は貰っている。

東日本と西日本が綺麗に別れたな。

広島が名古屋の味方をしたのが意外だな。

力を持ってる方に頼るのは間違いでは無いが、まだあそこの貴族は能力を手にしていないぞ。

私には関係ないがな。

兵力で言えば東日本、能力による逆転を加味すれば西日本といった所か。

もう少しだ、もう少しでお前らが守ったこの国にお前らの存在を刻みつけれる。



ここは大阪のとある場所。

ここではゾンビに関する研究。

主にはゾンビ動物などの生物兵器やゾンビ能力因子についての研究を行っている。

ここで研究してる人は4人。


「今回モ失敗デス」


アメリカ人のマイケル・ハーベル。


「しょうがないわよ。最初が上手く行き過ぎたんだから」


ちょっとお腹が出てるだけのまだまだ女の子(36歳)の今井星(いまいきらら)


「そうだよな。ていうか、保管してたゾンビ動物取られたから急いで補充しないとな。結界だって絶対に破られないなんて保証はないし」


考えすぎの新壁隆治(にいかべりゅうじ)


「それならやることリストみたいなん作って優先順位決めよか」


世界の終わり計画首謀者の川端康宗。


「お前の人探しがなかったらこんなに苦労することはなかったんだぞ」

「ソウダ、ソウダ」

「早く終わらせたいわ」


それぞれが康宗に当たる。

康宗は何も言い返す言葉がなくただ頷く。


「ま、これ終わったら友達と話せなくなるからな。しかも、仲が良かった友達なんだろ。せめて、別れの挨拶ぐらいはしたいもんだろう。もしかしたら、突然の別れで最後に交わした言葉は今日帰って遊ぼうなとか。そんなんだったり」

「その通りやから今、お前がめちゃくちゃ怖いわ」


康宗は休みをとるためにその辺の椅子に座る。


「枢機卿達をドンドンと倒していってるヤツらの討伐を常吉にお願したのに常吉ですら無理やったからな。これはまた魔力剥奪玉を作る必要があるかもな」

「あれ、作るのにどれだけかかると思ってるの? 今から作っても数ヶ月後にようやく1個よ」


前に有輝に使ったツケが今に回って来てしまった。


「有輝さえ抑えればいいと思ってたんやけど他のやつ、えぇっと、名前は教えられてないけど3人組と2人組か。無理やな。常吉に渡して適当なやつにやってもらうか」

「じゃあ、康宗お願いしまーす」


康宗は渋々承諾する。


「でも、あいつにさえ出会えればもうこの計画は終わりや」

「あいつッテいつもイッテル、ミスターリュウ?」

「いえーす。あいつとはどうしても最後に話しておきたくてな」


康宗が思い出にふけっていると一人の男が入ってくる。

研究者の見た目をしているが今は研究をせずに少し康宗達に協力してる程度のおじさんだ。


「アフリカ大陸とオーストラリア大陸、アメリカ大陸は完了、後はユーラシア大陸だけですと念話が来た」

「ドンナ順番ダヨ」

「竜を早く見つけへんとな。まだ生きてるとは思うんやけど」


康宗達は更に研究に励む。

大阪の周りに貼られていた結界がもうなくなってるとも知らずに。

ちなみにちなみに1番好きな展開は2章の竜が捕まったところ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ