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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
自分でいたい
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女体化

俺はいつものようにベッドから起き上がる。

頭が重いなぁと思いつつ大きくあくびをする。

なぜかゆるゆるな寝巻きを気にせずリビングに出る。


「おはようさん」

「おはよう、りゅ…う」


雫が目を大きく見開き洗い物する手を止め口をパクパク動かす。

しばらくの沈黙が続く。

蛇口から水が出る音が響き続けると寝巻きのズボンがバサッと落ちる。

俺がズボンを持ち上げようと下半身に意識を持っていくととある重要なことに気がつく。


「息子が家出してる」


俺、女の子になってた。

なんで急にTSしてんだ?



俺は鏡の前でしっかりと確認する。

長い髪、長いまつ毛、きめ細かな肌、パッチリとした目、少しだけある胸、そして家出した息子、この情報から俺は女の子になってしまっていた。

流石に現実についてこれず呆然としながら椅子に座る。

雫は気まずそうにしながらも反対側に座る。


「……あ、顔は普通」


雫は小声で独り言を呟く。

第一声がそれなのはムカつく。

けどそれ以前にどゆことなの?


「驚きすぎてフリーズしてる竜よ。一旦状況を整理しよっか」

「昨日は男の体でぐっすりと寝た。そして朝起きたら女の子になってた」

「オーケー、何言ってんだ」

「それは俺が聞きたい」


女の子の体は前に経験してるから問題はない。

でもこの状況には問題しかない。

入れ替わった時よりも問題だ。


「とりあえず、ご飯食べよ。ほら、温かいうちに」


雫はそう言って目の前に並べられた食器に手を向ける。

俺は一旦何も考えずに食べる。

雫の味を変わらずに味わえてる事を感じながら朝ごはんを食べ終わる。


「で、この状況何」

「振り出しに戻ったね。とりあえず、こういう時はどうせ枢機卿共の能力のせいだから。ちょっくら探し出してボコリにいこうか」

「まぁそれは後々」


俺は部屋に1回戻る。

胸はあるし、髪も長い。

どう見ても女の子だ。

だけど、もしかしたら生えてるかもしれない。

同人誌でもそういうやつは沢山いるし。

俺は一縷(いちる)の望みにかけてパンツを下ろす。

……そうか、お前も反抗期なんだな。

俺は息子の反抗期に一々反応する親じゃないんだ。

好きに反抗すればいいさ。

それでも見守るのが親ってもんさ。

俺は色々と受け入れリビングに戻る。

ズボンがまた落ちそうになったので上げ直す。


「あぁ、服のサイズあってないんだね。私のを貸したいと言いたいところだけどサイズ合わないだろうなぁ」

「雫、胸もなんか擦れて痛い」

「それはそのままでいいよ。というかもっと擦れて小さくなればいいんじゃないかな」

「AカップだからってBカップに嫉妬するなよー」

「さっきの姿からじゃ考えれない適応っぷりだね。ていうか私はBよりのAだから」

「……」

「黙んな!」


とりあえず俺は雫に能力無効化を使ってもらうことにした。

でも、効果はなく元に戻らなかった。


「これまたややこい能力だっぺ」

「そうだな。ていうか合体する意味あったか?」

「家に洗ってない野生のクマ入れたいっぺか?」

「ごめんなさい」


そんなこんなしてると星奏が部屋から出てくる。

そして俺の姿を見て立ち止まる。


「……ウォーターサーバーならいらないです。帰ってください」

「そんなんあるか」


星奏は俺の部屋のドアが開いてるのを見て俺をもう1回見る。


「……今度はTSか。お前も忙しいな」

「忙しいってレベルじゃねぇぞ」


星奏はテーブルに座り置いてある朝食を食べる。

星奏の服は俺よりでかいから着れないな。


「雫、金出すから服買って来てくんない?」

「服のサイズは別になんとなく分かるからいいとして下着とかは肌触りとかで好み変わってくるから実際つけてくれないと無駄金になっちゃうよ?」

「その体の変わり様だと下着もブカブカだろ?」

「言われてみればゴムだからまだ耐えれてるだけでちょっと動いたらずり落ちそう」

「そういえば私、ベルトで調節出来るスカートなら持ってた。それに着替えとけ」

「へいへーい」


2人のおかげでなんとか服は調達は出来そうだな。

星奏がスカートを持ってたのは少し意外だったな。

スカートか。初めて履くから緊張するな。



「やっぱりTSものと言えば制服だろ。ちょっとぶかぶかだがまぁ大丈夫だろ」


俺は星奏の高校の制服を着させられる。

これしか着る服がないからこれを着てるだけだと自分に言い聞かせなんとか下がスースーすることに耐える。


「それなら外に出れるな」

「パンツ落ちたらどうしよう」

「じゃあパンツ脱いで外出たらどうだ?」

「目覚めるから辞めてくれ」


女の子の体になって初めての外出で露出癖の開発なんて嫌すぎる。


「まぁなんとかなるでしょ。星奏、早く準備してあげて」

「はいはい」


星奏はそう言うといつもより早く朝の準備を終わらせる。


「休日なのに急がせて悪いな」

「今回はしょうがないからな。どうせ枢機卿連中のせいだろ」

「あいつら、牢獄に閉じ込めたり、変な夢見せてきたり、体入れ替えたり、性別変えたり、ろくな事しねぇな」

「攻撃してきた以外何もしてこなかった(ます)は良い奴だったね」


惜しい人を殺してしまったものだ。

俺達は準備を済ませ外に出る。

服とかもリサイクルショップに売ってたよな。

俺達はリサイクルショップに一直線に行き服のコーナーを見る。


「俺をコーディネートしてくれ」

「あ、じゃあバニーガールの服とかでいい?」

「いや、ここはメイド服だな」

「コスプレの服は求めてねぇよ」


2人が適当に見繕った服をカゴに詰め下着コーナーに行く。

……俺こんなとこに入っていいのかな。


「ていうか、竜は男なんだし男の服着たいとかないの?」

「せっかくだし女の子を楽しむのもありかなって」

「メンタル強すぎだろ」


俺は恐る恐る女性ものの下着に触り肌触りを確かめる。


「基本的にシルクとコットンの2パターンでコットンは肌触り重視、シルクは機能性重視って感じだな。まぁ、好きな方を選ぶといいが私はシルク派だ。耐久性は悪いが汗を描いても気持ち悪くならないからな」

「私は使い分けてるかな。運動が多い日はシルクで少ない日がコットンみたいな」


星奏は毎日運動してるから汗をかいても平気なやつを選んでるって感じだから俺は雫の方を参考にして使い分けた方がいいか?

いやでも、そうなると金がかかりやすくなるな。

枢機卿連中のせいで金かけるのはなんか嫌だ。

俺は指でなぞる程度に下着に触れる。

コットンは柔らかいな。

シルクはコットンほど柔らかくはないけど肌触りはいい。

正直どっちでもいいが、うーん。


「ゾンビ倒す時は動くしシルクでいいか」

「ちゃんと勝負下着も買いなよ」

「買わねぇよ」

「TSしたってのにも関わらず普通顔のやつを好きになるやつなんて居ないだろ」

「それはそれで傷付く」


普通顔普通顔言いやがって。

お前達も普通じゃねぇか。


「次は胸のサイズ測るよ。Bカップとか憶測でしか言ってない野郎に現実見せてやる」

「地獄を見せてやる」


更衣室に入ると星奏が俺の胸にメジャーを巻いて大きさを調べる。


「CよりのBだな」

「……」


雫が落ち込みその場にしゃがみ込む。


「元男に胸の大きさで負けた気分をどうぞ」

「誰か、私の胸をもんでください」


誰かに揉まれたら大きくなるなんて迷信だろ。


「竜は揉むなよ」

「今なら合法だろ」

「この際竜でもいいよ」

「そんなに落ち込ませたんなら悪かったって。男に戻れば大きさなんてなくなるんだから」

「よし、今回の犯人見つけてボコボコにしてやる」


能力はチートだけど体は貧相なんて釣り合ってないねとかは言わなくて正解だったな。

そんなことよりも俺って以外にあるよな胸。

貧のほうが好きとはいえ揉むという1点においてはやはり巨が勝つ。

夜のことを考えながらサイズにあったブラジャーを手に取る。

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