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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
自分でいたい
150/265

明らか反則チート

俺達は今日のご飯代の為にゾンビを狩る。

Bランク冒険者になってノルマがなくなったおかげで必要な時にゾンビを狩って後は悠々自適に過ごせるようになった。

クエストとか受けなくてもいいんだなんて最高だな。

でも報酬は高いから何か欲しいものがあったらクエストを受けた方がいいんだよな。


「腕強化!」


ドゴーンと大きな音ともに沢山のゾンビ達が倒れる。

倒れてる間に雫は首を切り落としまた次の塊にへと突っ込む。


「無駄ァ!」


ドゴーンドゴーン

辺りに爆音が響き続ける。


「オラオラオラオラ」


俺と星奏も負けじとゾンビを倒し続ける。

星奏が浮かせた剣で攻撃を防ぎつつ俺がソニックブロウで一気に近づいて倒す。

雫みたいに細かい動きにまで使うことは出来ないけど大振りの攻撃とかには使えるようになったし俺もこれで近接戦闘は少しできるようになった。

俺もちょっとは強くなってんだぜ。


「無駄無駄無駄無駄」


ドゴーンドゴーンドゴーン

爆音とともに沢山のゾンビ達の死体が積み重ねられていく。

俺と星奏はそれを見て放心状態になる。


「……よし、まだまだこれからだ。星奏、お前に透明化使うからドンドン前に出ろ」

「分かった」


星奏を透明にすると星奏はドンドンと前に出て1番後ろにいるゾンビから倒しては進んでいく。

挟み撃ちの形になった、これなら俺も行くか。

俺はソニックブロウで加速し距離を詰めつつゾンビの首筋をソニックブロウで剣速を加速させスパッと切る。


「ヒャッハー!汚物はぶん殴りの刑だぁ!」


ドゴーンドゴーンドゴーンドゴーン

俺達はちょっとした塊のゾンビを挟み撃ちすることで全滅させちょっとしたゾンビの山を作る。

これくらいなら2日は飲み食いできるな。

ドゴーンドゴーンドゴーンドゴーンドゴーン

俺達が必死に作った山の数倍は大きいゾンビの山が出来ていた。

俺達は何も考えずに死体を荷台に積む。


「えっさ、ほいさ。えっさ、ほいさ」

「竜、積むの遅いぞ」

「星奏、お前は能力で数体は浮かせて運べる上に素の筋力で2体担げるんだ。そんなお前に遅いと言われてもこれ以上どう速くしろと言うんだ」

「お前も能力使って運べばいいだろ」

「そんな能力ねぇよ?」

「ソニックブロウでチャチャッと運べるだろ」


……そうか。

ソニックブロウって当たった物体を吹っ飛ばせる能力だもんな。

俺がソニックブロウでゾンビを荷台に向かって飛ばすと星奏はサイコキネシスで最終調整を加え綺麗に荷台に載せる。

ドゴーンドゴーンドゴーンドゴーンドゴーンドゴーン

段々と遠くなっていく轟音を横目にゾンビを運び続ける。


「こんなもんか?」

「そうだな、よし帰ろう。今回は少し重いし手伝ってくれ」

「了解ですよーん」


俺達が帰ろうとすると雫がすごい速さでやってくる。

そして急ブレーキで俺達の傍に止まりその風圧でせっかく積んだゾンビ達が吹っ飛ぶ。


「早くない?」

「早くねぇよ。見てみろよお前が積んだゾンビの山、もう一軒家にギリギリ納まるかも? ぐらいの大きさしてんだぞ。あれだけあれば多分2週間は外で食べていける。お前が料理作るなら1ヶ月は引きこもり生活ができる。そんな量なんだぞ」

「私はただ衝動のままに殴ってたからそんな時間経ってるとは思わなかったよ」

「こんのチート野郎。また俺何かやっちゃっいました? みたいなセリフ吐きやがって。羨まけしからん」


雫が照れながら頬をかく。

何照れてんだよ。


「いいんか? 俺達がなろう系のモブキャラみたいにお前をもてはやすぞ? いいんか?」

「竜、お前興奮しすぎ。ちょっと落ち着け」


俺は星奏に言われるがまま一旦黙り深く息を吸う。


「そんな羨ましい能力を俺にください」

「無理に決まってるでしょ」


俺は分かっていた事実を告げられ浮かない顔をしながら雫が積んだゾンビの山をもう一度見上げる。


「有輝はこんな量を常日頃から倒してたのか」

「身体能力強化って強いんだよな。最初は量産型能力とか弱いだろと思ってたが思ったのだが」


強いのは確かだけど有輝以外に身体能力強化使えるやつで俺でも知ってるのは光金しか知らんぞ?

光金は知らんが有輝は魔力量が10万くらいあったから強いっていう可能性もあるし一応聞いておくか。


「雫、今の魔力量どれくらい?」


雫はズボンから魔力測定器を取り出し腕につける。


「1万5000って書いてる」

「俺よりちょっと多いぐらいか。ちなみに今俺は1万3000だ」

「私は1万弱ぐらいだな。なんでこんな差ができた?」


最近の魔力量の平均が7500位らしいから雫はちょうど2倍だ。

身体能力強化はある程度魔力量がないと使いこなせない能力なんだな。

憶測でしか分からんが。


「ま、気にしても仕方ないか。どうせ使えないし」


俺と星奏はゾンビ積みをやり直す。

雫も俺達の姿を見て積むのを手伝ってくれる。

雫の分のゾンビも積み終わり荷台を動かそうとする。

分かってたけど動かないよね。

今回そこまで大きな荷台持ってきてないから結構厳しいな。


「星奏、底をエアーウォールでガチガチにしてくれ。雫は荷台を下から持ち上げろ」

「私女の子だよ?」

「今更それ言っても遅いだろ」

「はーい、仰せのままに」


雫は軽々と持ち上げ運び始める。

常識崩れそう。

今までの雫を返してくれ。

俺は荷台から落ちたゾンビをソニックブロウで元に戻す。

星奏は底を固めながらサイコキネシスで形が崩れないように整え続ける。

町の近くで助かった。



俺達はなんとか換金が終わり家に着く。

今回も係の人が舌打ちをした気がする。

前回といい理由が分かりすぎて申し訳なくなるわ。


「今日のおつかい竜ですよね? 今日は秋だからサンマと言いたいところだべけどそんなものないからもち米買ってきてくれだべ。餅作るっぺ」

「え、餅が晩御飯?」

「んなわけないだろ。今日余分に狩りすぎたからな。晩御飯の材料は書いてるから行ってきて」

「はいよ。……その前に疲れてんなら休めよ?」

「わえが合体してるの忘れて能力きるの遅くなっただけだけん。気にしなくていいですよ」


雫は合体能力を使った後は口調がおかしくなる。

口調は眷属達の口調と同じらしい。

多分能力を解くと合体した眷属と同じ口調になってしまうのだろう。


「まだ昼時だし昼寝でもしとけ」

「分かったから早く行け」


眷属の声はブラウニーしか聞いたことないけど色んなやつがいるんだな。

俺は雫が休める時間を作るためにゆっくりと外に出る。



僕はジジイに念話をかける。


《おい》

《どうした?》

《宮井と連絡がつかないんだが》

《さぁな、死んだのだろう》

《それだけじゃない。お前の元に送った2人とも連絡がつかない》

《死んだだけだが何か?》


こいつはなんでそんな大事なことを言わないんだ。


《私達がしてるのは殺し合いだ。死ぬことぐらいあるだろ。なんだ? そんなことで怒ってるのか? これだから子供は》

《うるせぇよ》


僕は涙を必死に堪えジジイを憎みながら念話を続ける。


《お前はいつでも助けられる所にいたはずだろ。なぜ、助けない》

《私ならあの状況でも助かるからだ。それにしてもお前の部下は弱い。若者というか。単純だ。逃げることが悪みたいに思ってる節があるな》

《あいつらは目的のために全力を尽くしてるだけだ。そいつらに文句言うのだけは許さないぞ》

《どうせ、殺すんだからいつでもいいだろ》


僕はその言葉に何か言い返そうと考えながら言葉を出す。


《そうだけど、あいつらは……》

《僕にとって特別な奴らだからか? くだらんな》

《……もういい》

《不貞腐れるな。最近のもんは忍耐力がないな》

《僕一人であいつを殺す》

《お前はそれで計画に狂いが出てもいいのか?》

《あぁ、いい。お前らとは違ってあいつらとは本当の意味で心を通わせれたんだ。お前らなんてただの利用するための道具としか見てない》

《そうか、なら止めんよ。好きにしな》


ジジイはそう言って念話をきる。

高野竜、覚悟しておけ。

僕はアイツらの上司である教祖として、そして心通わせた友人としてお前を殺す。

アイツの言い分なんか知らん。

高野竜なんて使わなくても計画は完遂できる。

そもそもこの計画に私情を挟むな。

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