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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
俺達、私達……
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オークション会場1

俺達はギルド主催のオークション会場へと来ていた。

毎週決まった時に売られた能力因子や誰かの奴隷になりたいとかいう変態を売っているらしい。

誰かの奴隷になったとしても衣食住はちゃんとさせろとでないとお前を奴隷にするぞと貴族が脅しているので日本国憲法に書かれてある文化的で最低限度の生活は保証されてる訳だ。

奴隷の意味ある?

それはともかく俺達は舞踏会に付けるような目元だけを隠す仮面を付けている。


「これ、かっこいいね」

「怪盗になった気分だ。今から予告状でも書いておくか」

「書くな書くな」


星奏が予告状を書こうと髪とペンと封蝋を取り出す。

やけに本格的だな。

ていうか、そんなもん持ち歩くな。

ちなみに俺達以外に仮面を付けるやつはいない。

星奏から紙とペンを奪い紙に何も書けないよう永遠にうんこの絵を描いてると会場が暗くなる。

そして、舞台上の1点にのみスポットライトが当たりスーツを着た司会らしき一人の男が出てくる。


「さぁ、皆さんお集まり頂きありがとうございます。毎週お決まりオークションの時間でございます。見るだけもよし買うもよし変態達を罵るもよし皆さんぜひ楽しんでいってください」


ここでいう変態は奴隷志望のやつらなんだろう。

そんなヤツら罵ったら更にやばい事になるぞ。


「私達の所持金は最近倒したゾンビの死体達全部で50万だ」


倒しすぎたのもあるけど中級が混じってると言ったせいで鑑定する人達がほぼ総出で詳しく見てたな。

中級、一体しかいなかったけどね。

でも、あれは主人公感が出ててそれはもう最高でした。

帰り際に聞こえてきた舌打ちだけは忘れられない。


「さぁ、まずは余興としまして奴隷から紹介しましょう」


男がそう言うと檻が運ばれてくる。

中には34歳ぐらいの肌は綺麗だがおばさん感が否めない女の人が出てくる。

首輪もしてるなんて結構本格的なんだな。


「いきおくれ!」

「ドM女!」

「変態!」


皆が女の人に向かって暴言を浴びせると女の人ははぁはぁと息を荒くさせて口からヨダレを垂らす。

マジカ。


「この人はなんと自ら首輪をすること要望した正真正銘の変態だぁ!さぁ、奴隷なので5万円からのスタートです」


意外と安いな。


「5万」


一人の優しそうな顔をした41歳ぐらいの男性が自身の番号札を掲げながら言う。

優しそうな男イコールやばいほどドSってのはエロ漫画の鉄板だが本当とはな。


「さぁ、5万出ました。その他はいないか?」


しばらくの沈黙が続くと木槌が叩かれる。

他の人達は番号札を掲げないまま女の人は落札される。

女の人が入った檻に男の人の番号が書かれた紙が貼られ舞台下に置かれる。

落札されたらそういう感じになるんだ。

男性の女の人を見る目が少しいやらしくなったのは見なかったことにしておこう。

ていうか、本当に野次飛ばすだけの奴がいるな。


「さぁ、次です。余興は果たしましたし皆さん狙ってるであろう能力因子のお時間です」


ぱちぱちと拍手をする音が聞こえる。

しばらくすると舞台に立ってる人が腕をさげそれに続いて拍手をする音も止む。

ていうか、奴隷あいつだけか。

まぁそんな変態が何人もいたら大変だよな。


「奴隷なんて興味ない人はとことんないでしょうから先に能力因子をし終わったらまた奴隷の時間にしますので奴隷が見たいという人はまだ席をそのままにしておいて下さい」


まだいるのか。

そんな変態が。


「では、まずはこちら」


男がパチンと指を鳴らすと能力因子を乗せたテーブルが運ばれてくる。

星奏が番号札を持つ手を少し強める。


「こちら、冒険者からの情報ですと遠くの物を持てる能力だそうです。能力因子ですので10万から」


微妙だ。

星奏の能力の劣化版感が否めない。

そう思ってたら番号札を掲げたやつが1人居た。

そいつに続いてどんどんと札が掲げられていく。


「15万」

「20万」

「40万」


これ、仕込みってやつだな。

更にドンドンと札を掲げるやつが出てきて最終落札額は80万になった。

俺達の全財産を持ってしても買うことが出来ないみたいだ。

クソっ古の20億があれば。

天郎、お前だけはマジで許さないからな。


「さぁ、続いては能力不詳の能力因子です。能力不詳ですので7万からのスタートです」


それでも奴隷よりスタート値が高いんだな。

奴隷はなんというかキャスト要素が強いな。

歌も踊りもできないテーマーパークのキャストだ。


「8万!」


ここで雫が星奏の手を上げて番号札を掲げさせる。


「お、8万円出ました。続いての方はいらっしゃいますか?」

「10万」


さっきの仕込みらしき人物が番号札を掲げる。


「10万5000」

「11万」


俺達は残り能力因子4個欲しいんだ。

所持金は50万。

出来れば12万ちょっとで収めたいところだ。


「11万5000!」

「11万7000」


こいつ、俺達が出せるであろうギリギリを探ってるな。


「11万8000!」

「11万9000」

「12万!」


仕込みは12万と雫が言うと番号札を掲げなくなる。

本当ギリギリだ。


「他はいませんか!? いないようなので12万で落札です」


まぁ詳細不明の能力因子なんて誰も欲しがらないだろ。

それでハズレだったら一生その能力だけで生きていかないといけないもんな。

俺達はペットにあげるだけだからなんでもいいっちゃなんでもいい。


「ではお次、ホルモンを撒き散らし周りからいやらしい目で見られる程度の能力の能力因子らしいです。これは元は冒険者が使っていたものなので能力は確実らしいです。12万から!」


12万からじゃ俺達はあんまり口を挟まない方がいいだろう。

ていうか、そんな能力たべさせたくない。

俺が食べたいもん。


「私欲しい!」


買われた奴隷の女の人が手を挙げてほしがる。

お前が欲しがんなや。


「13万!」

「80万!」

「100万!」


おぉ、もう100万超えたか。

食べたらモテモテになる能力だから欲しいやつには欲しいだろうな。

俺も欲しいです。

天郎を殺したことが1番の間違いだ。

あいつは殺さずにサンドバックにすれば良かった。


「5億!5億だす!」


一人の男が大声で5億と叫ぶと周りがいっせいに静まり返る。


「え、えぇっと5億円で金額お間違いないでしょうか? 円ですよ? ジンバブエドルではなく」

「はい、5億円です」

「え、えぇっと他にいますか?」


司会の人困ってるじゃん。

まだ千万てか行ってなかったのにいきなり億超えたら流石にビビるよ?

司会の人は木槌を叩き落札させる。


「そこまでしてモテたいのかな?」

「まぁ、非モテ男子には非モテ男子の苦労があるのさ。雫、その体だったらすぐに分かるさ」

「分かりたくないけどね」


雫は今俺の体使ってんだしそろそろ性欲が出てき始めるだろう。

ていうか、なんでまだ出てないんだ。

もう出てもおかしくないんだけどな。

年齢的には男子高校生の体だぞ。

性欲真っ盛りの男子高校生だぞ?


「では、続いてはこれまた詳細不明の能力因子です。7万円からスタート」

「10万!」


司会の人が言い終わったと同時に仕込みが10万と言い番号札を掲げる。

いきなりだな。

多分今度は12万以上を掲げられるだろう。

仕方ないか。


「雫、頼んだ」

「了解」


雫は能力を使って仕込みの人の声を聞こえなくする。

バレた時にヤバそうだからしなかったけど安くしたいんだ。

これ、生活費もぶち込んでの50万だからな?

もう使って38万になってるけど生活費も入れてるから全部なくなるのはまずい。

1個あたり12万とは言ったが正直そんなに使いたくない。


「10万5000!」


星奏が言い終わると番号札を掲げているが一向に何も言わない人がいる。

そう仕込みのやつだ。


「あ、その、金額言わないなら番号札上げないでください」


仕込みの必死そうな顔を見てるが司会の人は耳を傾けるだけだ。

声を消してるのだから聞こえるわけが無いのに。


「ええっと、10万5000でいいですか? はい、落札」


この調子でどんどん買ってくぞ。

バレた時は皆一緒に奴隷になって肉体労働だ。

雫の体を使ってる星奏だけは子供と勘違いされて助かりそうだけど。

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