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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
俺達、私達……
133/265

ゾンビガチャ

俺達はいつもとは違い町の外に出てゾンビ達を倒しまくる。

理由は単純でブラウニー達の能力集めだ。

俺達はよく分からんゾンビ野郎共狙われるし戦力アップできるならと怠けてる体を奮い立たせている。


「こいつもなし……か。そう簡単にいるもんじゃないんだな」

「竜、物欲センサー出しすぎそんなんじゃ狙いのものは出ないよ」

「そんなソシャゲのガチャじゃないんだから」


俺は倒したゾンビの体を調べてはそこら辺に置いておく。

ゾンビの死体をそのままにしておくのはもったいないが移動する時面倒だからいい。


「私達が能力持ちに出会いすぎてるだけなのか?」


星奏がゾンビの死体を蹴飛ばして疑問を投げる。


「そうだろうな。全く、俺の主人公補正が災いして――」

「はいはい」


星奏が俺の言葉を適当にやりすごしながら刀をさやに収める。


「あ、俺の刀治ったんだ」

「ん? あぁいや、買い直した」

「は?」


星奏は俺に買い直したであろう刀を見せつける。

俺は下を向きながら星奏に近づく。


「直せなかったんだ。許せ」

「俺の神刀エクスカリバーEXゴッドフィーチャリングDXを返せよぉぉ」

「竜、ウケ狙ってるならその名前はダメだよ。見て、体震えてる」


雫は多分わざと体を震わせながら俺を見る。


「まぁ、こいつは私の奢りだから許せ」


お金じゃ解決できないあいつとの友情があったのに。

お経だけ唱えとこ。

南無阿弥陀仏。


「そんなことより次はあそこの――」

「そんなことですませんな!」

「あそこのビルにめちゃくちゃゾンビいるから今度こそ能力持ちがいるはず」


星奏に無視されながら言われた通りの場所に行く。

刀のレプリカを錆びてる風にアレンジしてあいつの部屋に突き刺しとこ。


「ええっとそうだな。サン、こっちに来てくれ」


星奏がそう言うとガオーという鳴き声だけが後ろの方から聞こえてくる。

意外と近いとこいるんだ。


「サン、こっち来てくれない?」


今度は雫がサンを呼ぶと後ろのビルがぐにゃっと曲がりそこからサンが走ってくる。

星奏は悲しそうな顔をしながらサンを見ていたがすぐに振り返り言っていたビルを指さす。


「よし、サンあのビルの2階からの床を変形させてゾンビを全員1階に叩き落とせ」


星奏が言い終わると少しの間だけ静かな空間ができる。

それを見兼ねた雫がサンに向かって口を開く。


「お願い」


そうするとサンはビルに噛み付く。

しばらくするとドテドテとゾンビ達が落ちる音がする。

その音に耳を澄ませてるとしくしくと誰かが泣いてるような音がする。

……星奏の方から。

ドテドテという音もなり終わりビルの中に入ろうとするが星奏が気になり星奏の隣で立つ。


「ハンカチ貸そうか?」

「……ありがとう」


星奏が手を出してきたので俺はハンカチを出そうとポケットを漁るが俺は今日に限ってハンカチを忘れていたことに気づく。

さっき、トイレした時手を洗ったあと服で拭いてたの忘れてた。


「……雫、ハンカチ持ってる?」

「持ってないなら初めから貸すとか言うな」


星奏は腕で涙を吹きビルに入る。


「竜、星奏泣かせた」

「俺が泣かせたことになるのはなんで?どっちかと言うとそこのサン君じゃない?」

「うちの子が悪いって言うんですか!?」


雫はモンペだった。

俺は逃げるように星奏のあとをついていく。


「なんで、私はあいつらに嫌われてるんだろう」


サンに無視されたのに傷ついたのかビルの入口入ってすぐのところでブツブツ言う星奏がいた。

ゾンビが目の前にいるのによくそんなことできるな。


「竜、ストレス発散したいから竜が使ってたあの炎魔法教えて」

「ここでか?」


星奏はゾンビが近づいてきてるのに悠長にしてる。

俺は剣を2本とも浮かせ口を開く。


「簡単に言えば原子レベルで動きを想像するだけ。そんなことより早く刀抜け」


星奏は刀をサッと抜き構える。

雫はやっとビルに入ってきた。

何この緊張感のなさ。

まぁ、ちょっと分かるけどさ。


「サイコキネシス」


俺はゾンビ達のクビを操ってる剣で斬りまくる。

今回もハズレかな。

ゾンビ倒した金で能力因子を買う方が確実な気がする。

俺は退屈だなと思って上を見ると高層ビルなのに青空が見えていた。

能力ってすげぇと思っていたら窓枠を掴んで外に出ようとしていた学生を服を着たゾンビが一体いた。

たまたま掴んでいた訳じゃないよな?

ゾンビは俺が見てることに気付いたのか力を込めて出ようとする。


「竜、よそ見すんな」

「お前ら、1回外出るぞ」


俺が外に出るとちょうど同じタイミングでゾンビが落ちてくる。

2人が後ろからやってくるとゾンビを見て首をかしげる。


「なんで外に出てるんだ? 床は全部消したって言ってたし」

「多分、察知したんじゃないか? たまたまって言われたらなんにも言えないけどたまたまじゃなかったらそうとしか言えない」


俺達が興味深げにゾンビを見てるとゾンビは素早く逃げる。


「逃げるを使うのはレアモンスターだけだから確定だ!」

「そんなゲーム脳信用出来ないけどとりあえず倒してみたら分かることだしね」


俺は剣を自分の所まで引き寄せ剣の上に乗りゾンビの所まで剣を加速させる。


「あ、待って落ちそう」


俺が剣の上でふらついていると星奏が怒ったような表情で口を開く。


「お前体幹トレーニングサボってるの分かってるからな。私の努力を返せ」


星奏が文句をいいながらゾンビの所まで走っている。

文句を言ったせいか少し息が上がってるようだ。

雫の体なんだから無理すんなよ。


「シュート!」


ゾンビの近くまで来たので剣から飛び降りる。

剣はそのままゾンビに向かって進む。

ゾンビは前を向いたまま走っているのに後ろから来てる剣が分かってるかのように避ける。


「やっぱりあいつ察知系の能力だ」

「そんなこと見れば分かるから追いかけてよ」


星奏と雫は俺を追い越してゾンビにむかって走る。

俺も負けじと走り始める。

2人を余裕で追い越し星奏の体の凄さを感じてるとゾンビが石を投げつけてくる。

地味に痛いのが腹立たしい。

逃げ道を塞いでやる。


「グランドウォール」


ゾンビの逃げ先に壁を出し追い込む。

ゾンビは何を思ったのか俺達の方に直進してくる。


「凍結!」

「サイコキネシス!」


ゾンビは星奏の魔法をジャンプしてかわし俺の剣飛ばしも難なくかわす。

未来予知レベルだろこれ。

そんなチート能力手に入れたら実力派エリートになってしまうなぁ。

浮かれた気分でゾンビを追いかける。

ゾンビを倒さないと手に入れられないとはいえ多分下級だし余裕余裕。


「竜、このまま追うの危険じゃない? 漫画とかだったら弱いやつを調子に乗って追いかけ回してたら強いやつの所にいつの間にか連れてかれてたってよくある話だよ?」

「そんな漫画脳になってしまった雫に朗報だ。ここは現実世界だからそんなこと起きましぇーん」

「雫、そんな甘えはいらないぞ。やる時きゃきっちりやる。それがこの世界で生きてくやつの心構えだ」


星奏は言い終わると雫にグッドポーズをとる。

俺も星奏に合わせグッドポーズをとる。

雫は乗り気じゃないという顔をして折れかけのグッドポーズで返答する。


「さぁ、イジメの時間……だ?」


俺が浮かせてあった剣を取ってゾンビに飛びかかろうとすると仁王立ちでメガネをクイッとし学校の先生っぽいゾンビがいた。

さっきのゾンビは先生の後ろに隠れてこちらを見ている。


「ウチのセイトにナニをスルツモリだったんデスカ?」

「……俺は辞めようって2人に言ったんですよ。でも、こいつらが勝手に――」


俺は言い訳をして帰ろうとすると雫がそんな俺を捕まえて口を開く。


「この2人が主犯です私はただ近くにいただけですだから。じゃ、2人とも頑張ってね」


雫はそう言って逃げようとしたので俺は雫を掴み返す。


「トクベツなホシュウがヒツヨウみたいデスネ」


先生ゾンビはそう言ってポケットからチョークを取り出す。

そしてチョークを投げるとヘビのようにうにょうにょ動き俺たち目掛けて飛んでくる。

星奏が前に出てサッとヘビみたいなチョークを切る。


「今の時代に体罰かよ。教育委員会に訴えるぞ!」

「アナタタチにソンナ ケンリはアリマセン」

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