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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
俺達、私達……
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他人の景色

俺達は今クエストを受注し町の外に出ている。

なぜ受けてるのかと言うと金がなくなったからだ。

毎日変な事に金使ったりラノベとか本をアホほど買ってくるやつがいるから無くなるのは仕方がないと思う。

クエスト内容は次回の壁建設地帯にある1軒のビルに大量のゾンビがいるらしいからそれの駆除だ。

正直クエスト受けるの久しぶりすぎて懐かしさを噛み締めている。


「うわぁ、1階だけだけど50は超えてるね」


懐かしさを噛み締める前に帰りたくなってきた。

俺が後ろに下がろうとすると星奏が両腕で背中を押してくる。


「ていうか、この能力便利だね。ブラウニー達を使うよりも細かいところを見れる」

「だろぉ」

「竜、お前最初はその能力嫌がってなかったか?」

「住めば都ってやつだよ」


隣の芝が青く見えてた時期を超えて俺とそいつは硬い友情で繋がってるのさ。

今は強制的に浮気させられてるけど。


「この建物で大体200辺りかな。上に行けば行くほど少なくなってる」

「こういうのって上に行けば行くほど多くなってくるんじゃ?」

「現実と2次元を混同しないことだね」


雫が呆れたような口ぶりで言ってくる。

ダンジョンとかって大体は下に行けば強くなってくじゃん。


「上から行くか」

「そだね」


俺はサイコキネシスで浮かび上がり2人と一緒にビルの屋上に着く。

これだったら下に行けば強くなる形式になるじゃんラッキー。


「とりあえず、陣形考えよっか」

「いつもなら星奏が前に言って俺が真ん中、雫が後ろだけど」

「入れ替わってるからな。竜が前、私が真ん中、雫が後ろって感じがいいんだろう」

「雫がいつも通りで他は入れ替わってる感じだな。了解」


星奏の体だし一昨日やったシャトルランが無限に出来たからな。

チート体の性能見せてやる。

俺達はさっき言った陣形になり屋上の扉を開け2つの大剣を浮かび上がらせる。

星奏と武器の交換しててよかった。


「雫、ゾンビと出会ったら透明化を俺達に使ってくれ」

「はいはい」


俺は慎重に2人の前を歩く。

窓を覗くとブラウニーが空を飛んでいる。

後ろを見ると星奏が目を瞑って腕をパタパタさせながら進んでいる。

何やってんだこいつ。


「そこの左の扉の中に5体いる」

「よし開けるぞ」


無視したい所だが今回は駆除するクエストだから無視できないのが辛い。

俺はサイコキネシスでドアを開けそのまま2本の剣をゾンビの首にぶっ刺す。

そして剣をねじったり横に振ったりとすることでゾンビの首を切る。

星奏は雫に透明化をさせてもらい一体のゾンビの首を切る。

雫の体でも動けるようになってきたんだな。

俺が魔法の準備をしようとすると雫が岩を残り2体のゾンビに向かって飛ばしゾンビが倒れると透明化してすかさず首を切る。

雫、こんな事出来るようになってたんだ。


「こいつらはここから下に落として帰る時に荷台に積むか」


星奏はそう言いつつ窓を開けてゾンビを重そうに運んでいる。

俺はゾンビ2体を軽々と持ち外に落とす。

人間2人を軽々持てるこいつの体ちょっと怖く感じてきた。


「荷台に積むとか懐かしく感じてきた」

「前に荷台に詰んだのって仙台の時ぐらいだったからね」


仙台は確か春ぐらいだったから数ヶ月か。

数ヶ月なのにこんなにも懐かしくなるなんてな。


「よし、次だ次。確か、2部屋先の部屋に10体いてこの階はこれで最後だ」


そういえば、こういう普通のゾンビ退治も中々に懐かしいんだけどな。

俺は2人より先に部屋を出て前を歩く。


「思ったんだけど傍から見れば雫って女の子二人に前を歩いてもらうクズ男になるよな」

「竜の評判下がるだけだし気にすることでもないでしょ」

「気にするわ」


なぜ俺がそれを気にしないと思ったんだ。



俺達はなんとかラスト1階までやって来れた。

ここまでは1部屋1部屋にゾンビが数体いるって感じだったけど1階はエントランスとトイレとかがあるのみ。


「これは1回外に出て外におびき出してからかな」

「多分建物とかは壊したらダメなんだろうし出た方が良さそうだな」


壊していいなら楽なんだけどな。

俺のエクスプロージョンでどっかんよ。

でもまぁ、ここ町の1部になるんだろうしダメなんだろうな。

俺達は面倒くさがりながらも窓から2階に降りる。

そしてエントランスの前に立ち大きく口を開ける。


「やーいお前ん家。モンスターやーしきー」


俺が言い終わるとゾンビ達はうめき声を上げながらこちらにやってくる。


「おい、他人に見られたら私の評判が下がるじゃないか」


俺の評判を気にしなかった罰だ。

俺は静かにゾンビ達を見る。

50体なら分断して数体ずつ相手にしていけば倒せるかな。

魔力もまだまだ残ってるし。

そう思ってると一体のゾンビがエントランスに置いてあったのであろうペンをこちらに向かって投げてくる。

そんなのこの俺の!サイコキネシスで!止めちゃうもんねぇ。

俺は腕をペンに向けようとするとペンを急に大きくなる。


「へ?」


俺は一瞬固まると星奏が俺を引っ張って俺の体を倒し巨大ペンの襲来を避けさせてくれた。

ペンはそのままの勢いで向かい側にあった建物にささりその建物の入口がぶっ壊れる。


「なにこれぇ?」


俺はパニックになって頭の中真っ白になってたところ雫が蹴ってきてなんとか正気を取り戻す。

なんで蹴ったのかは言うまでもないだろう。


「なぁ、これなに?」

「能力だろうな」

「自身を大きくしてないしものを大きくする程度の能力ってとこかな」

「なんで冷静なの?」


俺は2人の冷静さに度肝を抜かれていると今度はカラーボールを投げて来て途中で大きくなる。


「竜、エアーウォールを」

「あ、はい。エアーウォール」


俺は星奏の指示通り見えない壁を作るとカラーボールは見えない壁を可視化させるように色を撒き散らす。


「カラーボールは割ること前提で作ったものだから大丈夫だったがペンとかはヤバそうだ。竜はサイコキネシスあるしあいつの相手を頼めるか? 他は私達がやる」


星奏は冷静に分析し作戦を立案する。

その理論が正しいってのは分かるんだけど俺一人だけでやらないなのか?


「いや、ここは皆でやろう。な?」


こんな能力じゃなかったらなぁ。

俺が2人を説得しようとすると雫が少しだけ近づいてくる。


「竜」


雫は親指を立てて俺の方をじっと見つめる。

そして笑顔になって口を開く。


「強敵に立ち向かってこそ主人公」


俺はすぐさま震える体にむち打ち立ち上がる。


「任せろぉ!」

「ちょろいな」

「ね」


おい、聞こえてるぞ。

せっかくやる気になったのに。

まぁやるしかないんだろうけどさ。


「能力持ちは多分あいつだけだろうし竜はあいつと普通のやつを分断してくれ。あと、できる限りあいつの攻撃をエアーウォールに当てさせるな。多分ペンなら2発程度で壊れる」


え、怖。


「とりあえず分かった」


俺は剣を2本浮かび上がらせ俺自身も浮かび上がらせる。

ゾンビ達はどんどんと出てくる。

1体1なら強いやつとしたことあるし多分行ける。

体の使い勝手違うから不安だけど。


「エアーウォール」


俺は普通のゾンビと能力持ちを分断する。

能力持ちはポケットに沢山の物を入れてやって来る。

こいつまぁまぁの知能あるんじゃねぇの?

喋らないし中級よりちょっとした程度の知能があると見た。

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