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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
冒険者と言えば?
123/265

助っ人

僕は竜さんと星奏さんを抱え雫さんは朱希さんと僕の背中で挟まるようにする。


「もっと引っ付いてくれないとキツいっす」

「ごめんなさい。ちょっと力はあまりない方だから」


朱希さんはもっと引っ付く力を強めてもらい脱出の手筈を整える。


「させるか。操縄、繭」


常吉は縄を出そうとするが何も出ない。


「能力は使わせませーん。残念だったね」

「何をした? 無効玉は使ってないみたいだが」


常吉は華蓮さんに問い詰める。

華蓮さんはヘラヘラとした様子でいるが顎はひいていた。


「能力無効玉をちょこっと改良したやつをお前に撃ったんだよ。どう? 実験してないからデータがあまりないんだ。感想を聞かせてくれたまえ」

「華蓮さん、そんなこと聞いてる暇はないんで早くしましょう」

「F様の仰せの通りに」


華蓮さんはそう言うと腰辺りから金属でできた触手を9本ほど出す。

どういう能力なんすかね?

金属操作とかっすか?

僕は華蓮さんの能力を考えながら華蓮さん達の後ろに行く。


「時間は稼ぐから急いでね」

「分かりましたっす」

「竜を…竜の友達達を頼んだ」


Fさんはそれだけ言うと義手の手に何かチップのような物を入れ剣を抜く。


「俺は強い!」


Fさんはそう言うと常吉の方に突っ走って行く。

僕はその隙に身体能力を高めジャンプでここから脱出する。



私は今、かなり追い詰められている。

さっき高野竜達との戦いを一気に終わらせるために魔力を使いすぎたからだ。

魔力がなければそこらの一般人となんら変わりはない。

私も逃げて、上のあいつらが持ってきた魔力水を使えばいいのだろうが。


「邪魔だな」


Fとやらがかなり攻めてくる。

有輝程の力はないにしろ動きがかなり良く力の差も勢いを付けるところを工夫することでそこらの身体能力強化系の能力者となんら変わりない威力で攻撃してくる。

そして極めつけは…


(いかずち)


私が少し距離をとるとすぐに義手の手から電気を出して動きを鈍らせる。

正直かなり厄介だ。

でも、後ろにいる華蓮と言う女は私に能力を使わせないようにした程度で私に何もして来ない。

9本もある触手のようなものは見せかけだろう。

だとしたら、最初に潰すのはあの女。


「兎脚」


こいつを人質にして逃げる。


「私ってやっぱり弱く見えちゃうよね」

「鉄拳!」


私は拳を出し女のみぞおちを狙う。

しかし、4本の触手がクロス状になることによって防がれる。

だが、触手は少しへこんでいるな。

このままFの攻撃を避けつつ殴りを入れていけば。

そう思ってたのもつかの間1本の触手がへこんだ触手に触れると他の触手は元通りになる。


「お前の能力は機械を治す能力といったところか?」

「え? 私は能力者じゃないよ」


…?

いや、これは魔法でできる芸当ではないはず。


「私ね、実は能力因子を食べずに能力を使う方法に気づいちゃったんだ。それができるのは今のところ私ぐらいだけどね」


女はそう言うと私に全ての触手の先端を向ける。


「水切」


女がそう言うとものすごい圧力をかけた水をそれぞれの触手の先端から出し私に風穴をあける。

それは私に当たると横に移動し私の体を切っていく。

私はすぐに体を固くし水で切れないようにし後ろに下がる。

するとFが襲ってきてまたFとの近接戦になる。

なんだ、急に出てきて。

Fか。

そういえば2人目のAランク冒険者と同じ名前だったか。

注意しとけば良かったな。


「雷」


Fはさっきは少し下がった時にしか使わなかった魔法を近くにいる時にも使ってくる。

雷って確か、かなり魔法で作るのめんどくさいと教祖のやつ言ってたいたが、こんな状況でどう作ったんだ?

Fは俺の頭を手で掴む。


「狂え」


狂え…か。

戦場では1番必須だった。

なにせ、戦場はどうでもいい人を殺すんだ。

狂わないとやっていけない。


「もうとっくに狂っているんだ、私は」


逃げるとかどうでもいいか。

ここでこいつらを殺して私の野望の準備を始めよう。


「鉄拳」


私が突き出した拳はFが義手の手で掴む。

Fは私を吹っ飛ばし魔法を撃つ。

能力さえ使えればまだ戦えるな。

さっき女は私に無効玉を改良したのを撃ったと言った。

さっきからある体の中の違和感の正体。

多分無効玉だ。

これを取れば。

私は自分で自分の体に手を突っ込み銃の弾の形をした水晶を取り出す。

水晶は私の血で汚れていたが綺麗に微小の光を帯びていた。

私は水晶を捨てFに近づく。

多分Fに近い時はあの女何も出来ない。

素人がそんな高度な射撃ができるとも思えないしな。

すると女は私に近づいてくる。

触手が勢いよく私の顔にぶつかるが私はそれを耐えきり触手を掴みへこませる。

そしてそのまま触手を引っ張り女を投げ飛ばす。

女は触手を地面に突き刺しそこまで吹っ飛ばない。


「これじゃ、私がイキったみたい」

「実際ちょっとイキりましたよね?」

「そうだけどさ」


Fは斬りかかりながら女に話しかける。


「操縄、足縛(そくばく)


私はFの足に縄を括り付け動きが鈍った所に拳を突き出す。

Fは殴り飛ばされるもすぐに起き上がる。

今のを受けてなお立ち上がるとは。


「解析」


女の触手から緑の光が出てきて私を照らす。

あの女は能力者じゃないと言ったが能力自体は使える。

あの触手に何かあると見ていいな。

今のところ出てる能力はこの緑の光と機械を直すの2つ。

別々の触手で能力を発動してるとこを見るに9本の触手それぞれに能力が入ってるって感じだろうな、


「華蓮!あれをくれ」

「了解」


Fがそう言うと女は懐から銃のようなものを取り出す。

そして、一本の触手から水晶玉が飛び出すとそれを手に取り銃につける。

銃にチップのような物を取り付け私に銃口を向ける。

何が来る?

最初の爆発か?

あれならまだ上半身と下半身が離れるだけでまだ動ける。


雷神弾(トール)


水晶玉が割れる音と同時に私の体に電撃が走る。

気を抜くと気絶してしまいそうだ。

腹に風穴もあいてる。


「俺は世界一強い!」


Fが頭に手を当てながらそう言い走ってくる。

体が麻痺して動けない。

Fは私の首に向かってものすごい勢いで剣をはらう。

これだから戦いというのは……


「狂ってからが勝負って言われるんだ」


縄を操作して物凄い力で腰に巻き付かせ上半身と下半身を切り分ける。

Fが物凄い勢いで放った一太刀を上半身を地面に落とすことでかわす。

Fは意外だったのだろう、剣を降った後の数瞬固まっていた。


「モグラ」


体をある程度動かせるようになり地面に穴を作りFの後ろで飛び出す。

下半身が戻ってきてそのまま足でFの首を絞める。


火神弾(プロメテウス)


1点に凝縮された炎が私の眉間を通り頭に穴があく。

脳の1部がなくり流石に倒れる。

Fが私にトドメを刺そうとすると地面に立て膝をつく。

血を吐き咳き込む。

女が近づいてくる間に再生が完了し意識が戻る。

私はすぐさまFの喉元を手で掻っ切ろうとしたが女の触手に止められる。

女は私に近づいて来て耳元でささやく。


「死にたいの?」


女の目を見るとその目には殺気と私を確実に殺すビジョンがあるように見えた。

なんでこのようなやつがFなんかと手を組んでいるのだ。


「なんで本気を出さない」

「男を立てるのが女の役割っていうのは冗談。ていうか、そんなのお前が気にすることじゃないでしょ」


恐らく、私はこの女の中で何回も殺されているだろう。

そして、現実でもそうなる。

そう確信した。


「逃がしてあげる」


私は流石に勝ち目がない戦いは止めようと思い逃げる。

どれだけ狂っていても本能がダメと言っているんだ。

あの女は敵にしたら1番ダメなやつだ。

あの女の情報がなさすぎる。

教祖の部下達を使うか。

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