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[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
冒険者と言えば?
122/265

責任取れよ

僕は竜さん達の登場に愕然とする。


「ちょっと竜、なに恥ずかしがってんの。そこはお前は俺の友達だろ。助けるなんて当たり前だでいいでしょ」

「うるせぇな。俺みたいなキャラにそのセリフは多分似合わないって。それはもっと主人公みたいなやつが使うのが正解なんだって」

「雫、こればっかしは私も竜に賛成だ。この状況は有輝が嫌と言えなさそうなことを言うことで協力しやすくなるからな」


竜さん達はセリフがどうのこうのと言い合っている。

いや、今はそんな状況じゃないっすよね?


「あの、目を離しちゃいけないやつがいること忘れてませんか?」


朱希さんナイスっす。

竜さん達は朱希さんに言われすぐに常吉の方を見る。

すると僕は一気に竜さん達のところに飛ばされる。


「お前の守りたいやつはバカばっかりだな」


僕は下を向く。


「バカでいいんだよ。そのー、えぇっと」


竜さんは雫さんと星奏さんの方を見る。

2人は竜さんにグッドポーズを取る。


「友達を助ける時ぐらいはな」

「顔が赤い、これは減点だね」

「脈も早くなってる。主人公役を譲ってやったんだからちゃんと決めろ」

「勝手に譲っといてなんだよ。本当にお前らはさぁ」


竜さんは顔を赤らめながら僕を見る。


「有輝、お前は俺の友達…なんだから助けてやりたいと思ってるだけだ。ここまで来たんだお前が嫌がろうと見捨ててやんないからな」

「竜さん…」


竜さんは常吉の方を見る。


「おい、じいさん」

「私のことは常吉でいい」

「じゃあ、常吉。逃げるか死ぬか、どっちがいい?」


星奏さんと雫さんは剣をかまえ、竜さんは手からかなりの熱気を帯びた火の玉を出す。

朱希さんは僕を立たせて魔力水が入った試験管を渡す。


「仲間思いのやつを目の前にしてかっこうがつかないことは出来んしな。逃げないでやる。だが、お前達に私を殺せるかな」


常吉はかまえる。


《有輝、あいつについて何か知ってることはある?》

《雫さんってテレパシーの能力持ってたんっすか?》

《まぁ、そんな感じ》

《能力は光を出す、縄を操る、穴を空けるって感じの能力だと思いますっす。詳しいことは分かんないっすけど》

《よし、分かった。ありがとう》


僕は魔力水を一気に飲み干す。


「僕も行くっす。あなた達を守らないといけないっすから」

「それは頼もしい」


僕達と常吉が見つめ合う。

竜さん達が空けた穴の瓦礫が落ちると星奏さんは一気に常吉に近づく。


「操縄、(まゆ)


常吉が投げた縄は星奏さんに巻き付くが星奏さんは空中に浮かしていた2本の剣で縄を切る。


「操剣、竜巻」


浮いていた2本の剣が常吉の周りを回るように常吉を切る。


「おい、星奏。もっと技名は個性的にしろ」

「そんなこと言うな。今はそれどころじゃないだろ」


星奏さんは2本の剣で常吉の攻撃を防いだり持ってる刀で切ったりする。

その通りっすよ、竜さん。

魔力はかなり回復した。

僕も戦いに参加しないとっす。


「有輝、俺達のことは気にせず全力を出せ」

「分かったっす」


僕は星奏常吉の後ろを取る。


「お前には荷が重いんじゃないか?」

「そんなことないっすよ」


僕は後ろから殴りかかる。

常吉は片手で僕の攻撃を防ぎもう片方の手で星奏さんの攻撃を防ぎきる。


「フラッシュ」

「あ、それキャンセルで」


常吉から出ようとしていた光が一瞬で消える。


「魔力の蓄えはまだまだあるしな。これぐらい使っても問題ないだろ」


常吉はふっと笑う。


「そう来なくちゃな」


なんか周りに穴を作りそうっす。


「星奏さん下がって」


僕と星奏さんが少し下がるとさっき居たところに穴が空いていた。

あそこに落ちたらその隙に1発入れられてたっすね。


「もうそれを使うのか?」

「まだ生きて欲しいみたいなんっすよ」


僕は星奏さんが動く前に動く。

星奏さんは僕の動きをサポートするような行動をし、竜さんも時おり魔法を放つ。

雫さんと朱希さんはなんか応援してるだけっぽいっす。


「あいつらから狙いたいがこの状況ではな」


僕は拳を突き出すが片手で受け止められる。


「内部破壊」


常吉はすぐさま下がるが何やら苦しそうだ。


「遠隔でも発動できるっぽいな。流石俺、超天才」

「これは本当にまずいかもな」


常吉が膝に手を当てる。


「大穴」


常吉がそう言うとここら一帯に大きな穴ができる。

常吉が立っていたところだけはさっきのままだ。

僕達はその穴に落ちる。

星奏さんがいるから全員無傷で済むはずっす。


「やっと隙を作れた」


常吉がいつの間にか竜さん達の所に移動していた。


「場所入れ替え」


竜さんがそう言うと竜さんは僕と同じ姿になる。


「有輝頼んだわ」

「任せてくださいっす」


竜さんの声が僕の所から僕と同じ声が竜さんの方から聞こえてくる。

これは竜さんの能力っすね。


「ジャストアタック」


竜さんがそう言うと火の玉を出しぶつける。

だが、常吉は縄を回転させて受け流す。


「操縄、駒」


火が縄に引火し縄が燃え上がると竜さんに向けてムチみたいにして叩きつけ吹っ飛ぶ。


「サイコキネシス」


やっと星奏さんが僕たち皆を浮かせて安全に地面に着く。

常吉はそのまま着地しすぐに雫さんの方を見る。

雫さんが常吉に切りかかるが常吉は燃え上がってる縄を雫さんの腕に巻き付けふり回し始める。


「操縄、火車」

「サイコキネシス」


雫さんが空中で止まり星奏さんの剣が飛んで行き縄を切る。


「すっごい火傷した。これ、治るかな」

「治せんよ。殺すからな」


常吉が雫さんの方を見る。

僕はすぐに雫さんのところに向かう。


「マジかぁ。死んじゃうのかぁ。そんなのお断りだね。召喚大鎌」


大きなクマが雫さんと常吉の間に出てくる。


「こいつらはいくら殺しても復活してくるんだったな」

「そんな子に勝てるかな」

「勝負をしなければいいだけだ。操縄、繭」


大きなクマを縄でぐるぐる巻きにする。


「落とし穴」


そして、今作った穴に入れる。


「土」


常吉は魔法で作った穴を埋める。

いい感じに時間稼げたっすね。

僕は常吉の前に立ふさがる。


「殺すわけにいかないっす」

「流石にもう終わりにしようか。お前達は強かった」

「ここで終わらせるわけがないだろ」


星奏さんは常吉を睨みつけながらこっちに来る。


「仲間を傷つけられて怒ったか。お前みたいな良い奴を殺すのは嫌なんだがな」

「じゃあ、そのまま帰れ」


星奏さんは左右両方に剣を浮かせる。


「そうだな、じゃあ今透明になって逃げ回ってるやつを寄越してくれるなら帰ってもいい。というか、そういう任務だしな」

「アトム――」


竜さんが常吉の後ろから出てきて魔法を打とうとするが常吉に腹を殴られそのまま顔を鷲掴みにされる。

何も抵抗出来ていない様子から気絶したのだろう。

常吉は手を離し竜さんは地面に倒れる。


「寄越してくれてありがとう。それでは」

「逃がすか。サイコキネ――」

「操縄、繭」


常吉は星奏さんをぐるぐる巻きにして振り回す。

星奏さんが空中で止まると常吉は縄を引っ張って自分を飛ばし星奏さんに蹴りを入れる。

いい所に入ったのか星奏さん気絶しはそのまま落ちる。


「召喚大鎌」


さっきの大きなクマは出るやいなやすぐさま縄でぐるぐる巻きにされる。

そして振り上げて地面に頭から叩きつける。


「気絶させれば動かなくさせられるじゃないか。単純なことを忘れていた」


常吉はそのまま雫さんの腹を殴り雫さんは気絶する。


「朱希、お前の仲間みたいに次々と倒れていくな」

「うぅぅ」


朱希さんは悪夢を思い出してるかのような顔をする。


「魔力水をこの女どもに運ばせる気だったんだろうな。有輝、お前の魔力供給のために」


このままじゃ朱希さんまで。


「操縄」

「させないっす!」


朱希さんが一気に怯えた顔をする。


「繭」


常吉が朱希さんをぐるぐる巻きにする。


「チュッ」


キスをした時みたいな音がこの中に響く。

常吉も思わず音がした方を見る。

すると、狙撃音がし常吉の体に当たる。

玉は貫通していない。

常吉が持っていた縄が下に落ちる。


「能力が使えなくなった?」


何はともあれ今がチャンスっす。

そう思って1発殴る。


「ちょっと離れてー」


そう聞こえ僕と朱希さんはすぐに離れる。

そしてパリンとガラスが割れたかのような音がすると常吉を中心として爆発する。

常吉は上半身と下半身が離れ飛び散る。


「あれ、意外と綺麗だね。爆発だから木っ端微塵になると思ったのに」


聞き覚えのあるような声がする。

常吉は下半身の方から何かが伸びてきて上半身と繋がると下半身が上半身の方に向かいくっつく。


「上半身から下半身が生えてこないのは下半身の服が無くなるからかな。フルチンになっちゃうもんね」


そうすると藤江さんが華蓮と読んでいた人が出てくる。

常吉は竜さんの肩に刺さってあったナイフを抜く。


「兎脚」


常吉はそのまま華蓮さんの所に向かいナイフを振るがFさんがそれを防ぐ。


「有輝君、その子達連れ帰って。後は何とかするから」

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