表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[完結]世界の終わり  作者: ワクルス
冒険者と言えば?
120/265

原子魔法

俺はジジイが放った光に目がやられる。

俺と同じ感じの能力か?

視界がボヤけてよく周りが見えない。

俺は背後にジジイが立っていることに気づかない。

あの金髪は星奏だ。

なんでそんな走ってるんだ?

星奏は俺に向かって走ってきて俺の背後に向かって蹴りを入れる。

何かに星奏の蹴りが当たった音がして振り返る。

視界がかなり回復してきた。

俺は星奏の方を見ると星奏の後ろで拳を突き出そうとするジジイがいた。

まずい。

俺は咄嗟にソニックブロウを使いジジイを星奏から引き離そうとしたがピクリともしない。

このままじゃ星奏が死ぬ。

どうする?

ソニックブロウが通じない。

魔力を使って更に威力を高めるか?

いや、そうしたらこの後がもたない。

突進して押し倒すか?

いや、身体強化で耐えてくるだろう。

どうする?

そういえば星奏達と会った時に聞いた魔法の説明でイメージが細ければ細かいほど魔法は強くなると言っていたな。

なら、原子レベルで動きをイメージしたらかなり強くなるんじゃ?

この状況で星奏に被害なく助けるには火だな。

水はちょっと制御が苦手だし土は決定打にならないだろうし風は多分星奏も巻き込まれる。

火ならちょっとした火傷で済むはず。

よく燃える原子といえば水素だ。

水素原子は陽子と電子が1個ずつ、そしてもう一個の水素原子と引っ付くことで水素になる。

この水素を数え切れないほど沢山作る。

これを空気中の酸素と酸化反応を起こさせる。

酸化反応によってできた光と熱で炎を作る。

やべぇ、めちゃくちゃ熱い。

いつものファイアボールの位置で出してたら火傷するな。

俺は手のひらで今までの魔法がお遊びに思えるぐらいのファイアボールを作る。

これをファイアボールと言うのは違うな。

そうだな、原子から想像して作った火だから……


「アトムファイア」

挿絵(By みてみん)

俺はジジイに向けて魔法を放つ。

ジジイは流石にやばいと思ったのかすぐさま星奏の背後から離れる。

星奏も急いで俺の魔法から離れる。

手、火傷したな。

次はもっと離さないと。


「竜、ちょっと服燃えたんだが」

「ちょっとぐらいいいじゃん」

「私の魅力的な背中があらわになったらどうするんだ」

「大丈夫、お前の背中を見るやつはいないから」


大体がお前の背丈を見るから。

俺達はすぐにジジイの方を向く。


「それより今のはなんだ?」

「原子からイメージした魔法だ」


星奏は納得したようなしてないような表情をする。


「流石に決めれると思ったのだがな。無理だったか」

「そういう事だ。フラッシュバン」


俺はジジイにキーンと言う音を聞かせジジイが出したような眩し光を見せる。

星奏はジジイの視界が奪われてるうちに近づき畳み掛ける。

流石のジジイも逃げの一手を取らざるを得ない状況になる。

もう1回するか。

さっきのでイメージの手順は分かってる。


「アトムファイア」


俺はまたジジイに向かって火の玉を出す。

この魔法、思ったより魔力を消費しないな。

本当に強すぎるだろ。

ジジイは視界が戻ったのか火の玉をギリギリで避け星奏とまた殴り合いを始める。

星奏は常に近くに刀と大剣を浮かせている。

ジジイの隙を見つけると大剣を飛ばし、たまに刀を使って攻撃したりして予測しにくいような動きでジジイを翻弄する。


「俺を忘れるなよ。アトムファイア」


俺は透明化して近づきジジイに向かって火の玉を出す。

今回は避けきれず右腕を全焼する。

ジジイは舌打ちをしすぐに下がる。

あの様子なら右腕の再生は結構かかりそうだ。


「このまま倒せたりしてな」

「フラグみたいなの言うんじゃありません」


俺達はさらにジジイに向かって行く。

星奏がジジイの意識を割いて俺が星奏のサポートをしたり不意打ちで魔法を打つ。

そのような攻防を続ける。

ジジイは慣れてきたのか顔に段々と笑みを浮かべるようになる。

片手で何とかなるって化け物だろ。


「フラッシュ!」


ジジイはまた眩し光で辺りを照らす。

が、俺はジジイが出す光を屈折させ俺達の目に入らないようにする。

星奏は俺が止まっててくれた方がいいのを察して動かない。

ジジイはまたニヤッとする。


「兎脚」


ジジイは目で追えない速さで移動する。

建物を足場にしたりして今どこにいるのかがさっぱり分からない。


「辺り一体を焼けばいいか」

「調子乗り始めたな、こいつ」


強い力を手に入れたら調子に乗っちゃうよね。


「アトムファイア」


そこら一体を炎で焼く。

するとジジイは俺の正面に現れ俺に向かって突撃してくる。


「兎脚」


ジジイは俺の背後を取るがかなり後ろの方にいる。

それなら来るまでに時間がかかるだろ。

その間に透明化して逃げれば。

ジジイは俺に向かってナイフを投げる。

そんなの持ってたのか?

ナイフは俺の腕に辺り腕から血が出る。


「流血表現は年齢制限つくの知らねぇのかよ」

「表現の自由とやらがあるだろ。それで何とかしろ」


そんなんで何とか出来たら苦労しねぇんだよな。


「ナイフをもっと投げて練習するべきだったな、狙いが外れた」


狙いが当たってたら俺死んでたな。


「竜、ナイフは抜かないのか?」

「星奏、知らないのか? こんな綺麗に刺さってるなら逆に抜かない方がいいんだよ。血が出てくるからな」


ジジイは俺達の方を向く。


「フラッシュ」


またか、それはもう対処できる。

俺はまた光を屈折させる。


「兎脚」


ジジイは星奏の前に立ち星奏を押す。

そして星奏は俺が屈折させていた範囲から出てしまい光を見る。


「アトム――」


ジジイはいつの間にか俺の正面に立ち俺の腹を蹴る。

俺は蹴られた衝撃で後ろに倒れる。


「鉄拳」


ジジイが俺を殴ろうとした瞬間大きなクマがジジイの背後に現れる。


「バフ!」


大きなクマはジジイを殴り飛ばす。

このクマは大鎌か。

てことは雫が来たってことだな。

多分今は有輝の方に向かってる。

もうちょっとだ。

もうちょっと耐えればいい。


「アトムファイア」


俺はジジイに向かって火の玉を出す。

ジジイは完全に回復しきった右腕で火の玉を切る。


「ヴォォォォ」


大鎌はジジイに向かって走り出す。

星奏もその大鎌の後ろを着いていく。

星奏と大鎌の猛攻をジジイは裁く。


「透明化」


俺は大鎌と星奏を透明化し攻撃の軌道を見えないようにする。


「兎脚」


ジジイは一瞬で後ろに行き勢いをつけてさっきいた場所に戻り星奏がいた場所を蹴る。

星奏は反応しきれずその蹴りをくらい後ろに下がる。

星奏が吹っ飛んだスピードに俺の頭がついていけずに星奏の透明化が途切れてしまう。


「鉄拳」


ジジイは大鎌を殴り飛ばし建物の壁に当たる。

こいつもスピードについていけず透明化が途切れる。


「兎脚」


ジジイはまた俺に近づく。

星奏はさっきの蹴りですぐに助けにこれない。

大鎌も少しよろけてる。

つまり俺がこいつと少しの間殴りあえということか。


「鉄拳」


その姿勢、その視線狙いはここか。

俺の読み通りにジジイは拳を突き出す。

俺はそれをかわす。

そしてすぐに殴りを入れる。

ジジイは防ぐ動きも受け流す動きにも入らない。

俺のへなちょこパンチじゃ何ともないと思ってるからだろう。


「内部破壊」


だけど俺のパンチはお前の体の中を破壊する。

ジジイは少し辛そうにし後ろに下がる。


「俺の事舐めてたか?」

「まぁまぁな」

「今は?」

「少しだけだ」


まだ舐めてるのか。

ジジイはまた俺の方に向かってくる。

が、俺の前に誰かが立ちジジイを殴り飛ばす。

来たか。


「有輝」

「お待たせっす。少し下がってください」

「いや、俺も戦う」


俺がそう言うと有輝は俺を掴み投げ飛ばす。

投げ飛ばされた先に無鍬がいてキャッチしてもらう。


「間に合ったみたいだね」


雫が息を切らしながらやって来る。


「有輝、どういうことだ」

「竜さん達は逃げてくださいっす」


有輝はドーム状に壁を作り俺達が入れないようにする。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ