核心
私は2本の剣を浮かせ老人に向かって飛ばしたり老人の攻撃から自分を守るのに使う。
「流石にナイフを使うか」
老人は持っていたナイフを取り出す。
「サイコキネシス」
だが、私は老人が取り出した瞬間遠くの方へと能力で飛ばす。
ナイフはゾンビとは関係ないもの。
だから、能力が効く。
老人はナイフがなくなるとすぐに後ろに下がる。
「有輝が1番警戒すべきと思っていたがそうではなかった
みたいだな」
「お褒めに預かり光栄」
「少し本気を出すとするかな。全身強化」
全身強化か。
今までのヤツらはそれを使った後にやられることが多かったな。
こいつも同じだといいが。
「兎脚」
老人は私の後ろに立つ。
まずい、後ろを取られた。
「兎脚」
老人は足のスピードを上げて私の横腹を蹴る。
スピードが上がってる。
老人はそのまますぐにを殴ろうとする。
私はその拳を握る。
すると、老人は地面を蹴り私の頭上で倒立状態になり止まる。
勢いをなくした老人は落ちようとしていたが膝を曲げた状態で落ち私の腹辺りの高さで膝を伸ばし私の腹を蹴る。
私はその勢いにやられ腹を抑えてうずくまる。
「昔は女には手を出すなって言われてもんじゃないのか?」
「戦場に性別を持ち込む訳がないだろ。強いやつは強い。弱いやつは弱い」
男女平等主義者はこういう時に強いな。
私は目線を合わせながら老人の後ろに剣を持っていく。
そして、そのまま剣が老人に向かって飛ぶ。
そのまま死ね。
「それはもう隠せないぞ」
老人はいとも容易く避ける。
「さぁ立て。まだ終わってない。もっと絶望してくれ」
こいつ絶対ドSだな。
「嫌だ。私は未来ある子供なんだ。絶望するにはまだ早い」
「未来ある子供……ね。未来なんてすぐになくなるのに希望を持たせようとする最悪の言葉だ」
こいつは何言ってるんだろ。
そんなことより竜のやつはまだか。
どれだけ待ってると思ってる。
「立たないならもういいか」
「立てばいいのか? サイコキネシス」
私は私を能力で立ち上がらせる。
残り魔力はまだある。
ゾンビの大群の対処中はほとんど有輝に任せてたから魔力はさほど減ってないな。
サイコキネシスで自分の体を動かす。
お腹を蹴られてかなりきてる。
今にも吐きそうだ。
「では、こちらから行かしてもらおう」
老人は当たり前のように一瞬で近づいたと思ったら後ろを取る。
これで後ろを振り返ったら前に移動されるな。
なら、それを利用する。
後ろを向いた後にすぐに前を向いたとしても老人の攻撃に間に合わない可能性の方が高い。
ならどうするか。
サイコキネシスで剣を老人の左右片方に飛ばす。
そして私は飛ばした方向とは違う方向を向く。
そしたらちょうど後ろを向くと見せかけて私の目の前にやつを持ってこさせられる。
そしてそのまま拳を入れる。
私は考えた通りの作戦を実行する。
だが、老人は剣をかわして私の背中に立つ。
「残念だったな。剣を片方だけに飛ばしたのが悪かった。時間差でどちらにも飛ばせば行けたと思うがな」
そこから見抜いてくるのか。
「兎脚」
老人は私の背中を思いっきり蹴る。
それで私は吹っ飛ぶ。
「兎脚」
蹴飛ばされ飛んでいる一直線上に老人がやってくる。
「兎脚」
そしてまた老人は私を蹴る。
今度は上方向へと向かって蹴る。
「兎脚」
老人は上へ蹴飛ばされた私と同じくくらい飛び私を地面に叩き落とす。
やば、これ。
あばら数本逝ったな。
少年マンガじゃ結構ポキポキ折れてるけど現実でもこんな簡単に折れるもんなんだな。
私は能力で無理やり立ち上がる。
あ、めちゃくちゃ痛い。
私は痛いのを必死にこらえて構える。
「鉄拳」
老人は私の背後から殴りかかる。
流石にそれは無理。
「ソニックブロウ」
老人と私は一気に離される。
やっと来た。
本当に遅かったな。
「お待たせ、待った?」
「全然待ってないよって言うわけないだろ」
竜が私の傍にやってくる。
「有輝を運ぶのに手間取ったんだ。許して。じゃ、これ」
竜は腰につけてた刀を私に渡す。
「お前やってたの剣道なのになんで大剣使ってたんだよ」
「かっこいいと思ったからだ」
私は刀を握る。
私は竜が来たことによって痛みなどを忘れ一気に集中する。
「更に全身強化」
「サイコキネシス」
私は真っ直ぐ老人に向かって行く。
すると、横から私の分身らしき者が出てきて別の方向から老人に向かって行っている。
私の体を見ると透明化してるみたいだ。
私と分身で挟み撃ちの形をとる。
「面白い」
これは不意打ちでいける。
私はそう確信し刀を振る。
が、私の攻撃を読み切ったのかサッとかわす。
「空気の流れで流石に丸分かりだ」
だが、まだ私の大剣が残っている。
私は大剣を老人に向かって飛ばす。
大剣は透明化して老人に向かう。
「視界横転」
老人は一瞬動きが止まる。
その間に大剣を首に向けて飛ばす。
首に当たったが金属音がして止まる。
そのためもう一個の大剣は軌道をそらし体に突き刺す。
「なかなかのコンビネーションだ。だが、本物には届かない」
老人は体に刺さった大剣を無理やり引っこ抜きその場に捨てる。
「頼まれ事を終わらせてから楽しむか、そうしよう」
老人はそう言って私ではなく竜の下に向かう。
竜は自分が狙われてることにすぐ気づく。
「強風」
竜は少し強めの風を吹かせその場に立ち止まる。
老人が殴りかかると竜は消え私の傍に現れる。
「風で空気の流れを読むのを妨げたか」
「肌感覚が鋭いやつは前にも戦っててね。対策はバッチリだ」
あいつも竜を狙ってるのか。
人気者になったな、竜。
「兎脚」
老人は竜の前にやって来たので私はすぐさま蹴りを入れる。
刀を捨てまた拳や蹴りでね格闘戦が始まる。
「どうした、こんなものか!これじゃ守りたいものも守れないぞ」
老人はさっきよりも早いペースで殴りかかる。
竜は刀を取ると透明化し姿を隠す。
そして、また少し強い風が吹く。
「鉄拳」
老人は拳を構えて大きく振りかぶる。
かなり大きな隙、もしかして誘ってる?
拳はそのまま私の方へと突き出そうとする。
この感じ本当の目的は竜を誘い出すことだったが誘い出せなくてそのまま私へと攻撃へと変えた感じだな。
突然、突き出そうとした腕が落ちる。
「タイミング完璧」
私はもう片方の腕を掴み背負い投げをする。
すると、眩い光が辺り一面を照らす。
その光に目がやられ動きが止まる。
これが老人の能力か?
竜と似たタイプだ。
「うぅ」
私の目がやっとボヤけて見える程度には回復した頃老人は竜の前に立ち殴りかかろうとしていた。
私は竜が持っていた刀と落ちている大剣2つを合わせて老人に飛ばす。
老人は全てをかわしたがその間に私は老人との距離を詰め竜との距離を離す。
また、肉弾戦に持ち込もうとしたその時老人は私の背後をとっていた。
ボヤけてちゃんと視界が見えなくて消えたのが認識できなかった。
老人が私に殴りかかろうとした時竜の手から離れてても感じる熱気の炎が出てくる。
「アトムファイア」
竜は老人目掛けてものすごい熱気の炎を放つ。