Bodysnatchers
しばらく待つと人が集まったのか台を置いて一段高くなった場所にマイクを持った女性が進み出た。
年は20代前半アーミーグリーンの上下に身を包み足元は黒い半長靴ボブカットの髪を後ろで結びまとめている。
「皆さんこんにちは、私は本船の案内をさせてもらいますオリベ リサ三等陸尉と申します。
今、皆さん方が乗っているフェリーは海自が接収した大型フェリーになり、運行はフェリーで働いていた方や海自により操船しています。
本船の船長は海自のフジワラ モトオ三等海佐が勤めています。
元々が旅客船であり、船内いたる所に地図があったと思いますがおおむねその通りに本船は使用しています。
レストランと書いてある場所には食事の配給所を用意していますし大浴場の男性女性はそのまま使用できます。
ただ節水の観点から各船室の浴室等は使用しないように御協力お願いします。
また手洗いや給湯などの水は飲用の水を使用していません。
飲用水が必要な場合は配給所で個別に貰って下さい。
本船はすでにご存知かと思いますが徳之島に向けての避難、移送を行っていますが、操船や食事の配給、目的地到着後の荷物の運び出しなどに皆さんの協力が必要になっています。
また徳之島に先遣の隊を派遣しある程度の安全の確保も出来ていますが散発的な感染者の襲撃もあるようです。
皆さんの中にも自警団のように避難所を守っていた方もいたと思います、皆さんが″何が出来るのか?″を簡単に選別し協力して行きたいと思います。」
彼女がそこまで話すと前列に8人のプラカードのような物を持った人達が並んだ。
それぞれ右から医療、総務、探索、保安、操船、技術、調理、一般と並んでいる。
「それぞれ避難所や勤務していた場所で当てはまると思う場所に集合してください。」
そう彼女が言うとプラカードを持った人達は前列の端々に間隔を開けて歩いていく。
「医療には医師や看護士資格をお持ちの方。
総務には避難所等でリーダーをやっていた方。
探索と保安は同じ扱いになるかもしれませんが警護や物資の収集、徳之島では野生動物の狩猟等も必要になります。
操船は船が扱える方。
技術には車や船、バイクの修理や電気ガス水道の修理や建築関係等の技術を持っている方。
調理には配給の手伝い等を行える方。 一般には自分に何が出来るか分からない方。
それぞれにお集まりください。
持っている技能が複数に及ぶ方は右の医療から順番に優先的にお集まりください」
彼女がそこまで話すとシブヤさんが手を上げて質問する。
「すまないが未成年者や身体が病弱な者はどうしたらいいんだ?」
「はい、その場合は一般の方で説明をして貰うか保護者の方と一緒にお集まりください」
「わかった」
そう言うとシブヤさんはメグミちゃんの手を引きミヤザキさんと探索のプラカードに歩いていく。
それを俺達も追いかけシブヤさんに聞いてみる。
「シブヤさんは総務じゃないんですか?」
「ん?いや総務はカワカミさんとかじゃないか?」
総務の方を見るとカワカミさんと何人かが集まっていた。
「なるほど」「なるほどー」
探索に集まった人達を見回すとスズキさんやタニグチさんオオモリさん等、見知った顔が集まっていた。
保安の方にもハウステンボスで見た顔が並んでいる。
プラカードを持った人は周りに人が集まったのを確認すると探索の簡単な説明をした、どうやら探索班は島に上陸した時から実働のようで、最初に上陸し安全確認や見張りをたてるようだ。
5人から7人の小隊の班に分けて行くみたいでシブヤさんミヤザキさんタニグチさんオオモリさんスズキさん俺とイチゴで一つの班を作った。
俺達は探索12班だそうだ。
その後は明後日に徳之島に停泊した際に召集するのでそれまでは休んでいて良いそうでシブヤさんに部屋の場所を伝えシブヤさんの部屋を聞いて三々五々に解散した。
シブヤさん達は7階の特等和室に布団を川の字に敷き3人で寝るみたいだ。
メグミちゃんは嬉しそうにしていて「ご飯食べたらまたトランプしよう」と言っていた。
俺とイチゴは6階の一等洋室シングルに2人で入り荷物を整理する。
「大浴場かー久しぶりにゆっくりできるなー」
「ねー!でもみんな同じ事、考えてそう・・・」
「うーん?風呂も食事も並んでそうだよな?」
「とりあえず様子見に行ってみる?」
「うん、そうだな散歩がてら見て回って見るか」
そうイチゴと話し船内を散策する部屋を出て右に行くと船の中とは思えない長く続く廊下には扉が並んでいる。
端まで歩くとスイートやロイヤルスイートと書かれた部屋が見えるがドアは開け放たれていて中を覗くと自衛隊員が複数人で部屋をシェアしているようでベッド2つを繋げ3人の筋肉の化身が靴を履いたままアイマスクを付けて休み、ソファーにも2人の隊員が休んでいた。
邪魔にならないようにすぐに立ち去るがイチゴがこちらを上目遣いで見ながら言った。
「スパイシーなスイートだったね?」
「きっとロイヤルもセミもワイルドマッスルだな」
そんな事を話しながら5階の大浴場を覗くが人が多くまだまだ入れそうにはなかった。
イチゴと話し先にレストランを見に行くとビュッフェ形式のため人は多いが座れそうな場所もまばらに見える。
「ご飯食べれそうだな?」
「うん!食べよう」
席を確保して食事を見回す、最近ご無沙汰だったサラダ等も用意してあり食べたい物を適当に選んでいるとナカムラさんが保温器に鍋をのせていた。
「こんばんはナカムラさん」
「こんばんは」
「もう調理組は働いているんですね」
「そうなんですよ!先に賄い食べれてよかったんですけどハウステンボスの時より作る量が多くて大変です」
「あー確かに2倍くらいに増えましたか?」
「2倍まではいかないですけどビュッフェ形式だと補充が大変で!あ!もういきますね!ごゆっくりー」
ナカムラさんはそう言うと空いたお皿を見つけたらしく新しい料理の補充に行ってしまった。
レトルトばかりで食べてなかった手作りのカレー等をイチゴと分け合って食べる。
「生野菜好きなわけじゃ無かったんだけど食べれなくなると美味しく感じるなー」
「ええ?野菜美味しいよ?」
「うーんトマトとか?」
「うんうんシャキシャキレタスとか」
「生野菜どっかに畑でもあったのかな?」
そう話しているとナカムラさんが通りかかる。
「松島でも畑があったみたいですよ?あの島にこの人数だと干上がっちゃうけど残った人達だけなら、なんとか生活できるみたいで」
「確かに、この人数でまとまって生活するとなると大変そうですもんね」
「うんうん700人越えの胃袋だもんね」
「また補充したから見に行ってみてくださいねー」
ナカムラさんがそう言いながら歩いていくが本当に忙しそうだ。
イチゴが皿を片手にまた立ち上がる。
「マリネ取ってくるけど?」
「ああ俺も欲しい、カレーもっかい食べるけどいるか?」
「うーんクリームコロッケあったらクリームコロッケ欲しい!」
「わかった」
クリームコロッケは無かったけどグラタンがあったので持って帰るとイチゴは喜んでくれた。
食事を終えて部屋に戻る前に大浴場を覗くと人も減っていたので部屋に戻り準備をして風呂に入り、トランプを持ってシブヤさん達の部屋に行ってみたがメグミちゃんは昼間に疲れてしまったのかすでに寝てしまっていた。
シブヤさんに「ありがとな」と言われながら部屋を後にする。
船は本当に動いているのかと思うほど揺れず、窓の外に浮かぶ月が照らす波だけが船の進みを示していた。
イチゴと7階から6階に戻り部屋を開けようとすると隣の部屋から、何か硬い物を落としたような音が聞こえた。
気になったのでドアをノックし声をかける。
「大丈夫ですか?」
━━━ドンドンドンッ━━━
「う゛ぁむぅぅぃぃああう゛ぁぁ」
「ぉぉおぁぁあぅぃう゛ぁぁああ」
━━━ドンッドンドン━━━
( ゜д゜)ハッ!
一万PVいきました!
ヤッタ\( 'ω')/ヤッタ
ありがとうございます!
┏○))
蛇足でした。




