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サバイバル九州ゾンビワールド  作者: 夕凪 響
乾坤一擲、徳之島自給自足
43/57

(閑話) Dead on Time

三章~四章のどこかの時間です。

 今日は前々から計画していたゾンビ燃焼ロケットストーブ作成をする日だ。


 ハウステンボス周りで処理したゾンビが駐車場の片隅を、これでもかと占拠して臭いや、その元人間だった姿には精神がバカになってしまう。


 丁重に弔う事など時間的資材的にも無理がある。

 綺麗な言葉に言い換えれば火葬して天にお帰り願おうってわけだ。

 即物的に本音を言えばきっと病原菌や付近の動物等を介しての感染や臭いに、その見た目によって下がる士気の低下を防ぐ目的もあるんだろう。


 資材の調達に選ばれたのは少し遠いが市街地で山の近くにあるホームセンターだ。


 ブロックを使うと熱で割れるだろうから地面に深さ2メートル、幅1メートル奥行き2メートルの長方形の穴を掘り、煙突部分を工事現場で使う鉄のパイプで骨組を作りブロックを使いながら掘った土で形成するよう話し合った。


 鉄パイプ、単管パイプにブロック、死体を燃やすのに灯油は勿体ないので大量の炭等を集めに向かう。


 朝食後オレとイチゴは準備を済ませCB223を押して門に向かう。

 オレはバイクのバッグサポートにザックを無理やり括り付け、いつものランタンハンガーを背中に斜にかけて腰にはナタを装備する。

 イチゴは弓を背中に右の腰に矢筒を下げて左の脇にソードオフショットガンを装備している。

 もちろん両手はプロテクター入りの革のグローブに頭は半ヘルをかぶり防具がわりにしている。


 最近良いブーツを見つけた履き心地が良いエンジニアブーツでトレッキングモデルも作ってるメーカーの奴だ。

 カカトは厚くゾンビの頭も踏み抜けそうな感じでなんと爪先には鉄芯が入った安全靴仕様!

 「さすがキーン・・・完璧だ」


 「マサシどうしたの?」


 「いやなんでもない」


 「悩みがあるなら・・・力になるよ?」


 「いや良いブーツ見つけたなって思ってさ」


 「あーこの前見つけてはしゃいでたやつね!」


 「ああ、うん・・・」



 そんな事を話していると門に着く、門にはすでにカワカミさん、シブヤさん、タニグチさん、スズキさんが集まっていた。


 「すみません遅れました!」

 「すみません」


 そう言うとカワカミさんが手を振りながら答える。


 「いやこっちも準備してるところだから大丈夫だよ」


 シブヤさんも2トントラックから離れこちらに来る。

 「ああ、鉄パイプ積むならベルトが必要だなって話して今、取ってきたところだ」


 「ホームセンターなら水なんかの飲み物や作業着なんかの衣類に靴下、手袋、靴なんかもあるだろうからついでに積めるだけ確保したいな」


 「そうですね」「お菓子もありますね!」


 「まあ目的を見失わない程度に物資の調達に行こうか」


 カワカミさんは地図を取り出し目的地の説明をしてくれる。

 「少し遠回りになるがこの道を通れば人口密集地を抜けてホームセンターまでいけるはずだ、道順は覚えたか?」


 そう言うと地図から顔を上げ全員の顔を見渡す。

 「それと連絡用のトランシーバーだ」

 そう言ってトランシーバーをイチゴとスズキさんへ渡す。

 「トランシーバー用の電池も取ってこないとな、よし出発しよう」


 そうカワカミさんが言うとオレ達はCB223にシブヤさんが運転席にタニグチさんが補助席にカワカミさんが助手席に乗り込む。

 もちろんスズキさんは荷台だ。


 オレ達のバイクが先導して道を進む。

 以前と比べハウステンボス周りの道には放置車両が少なくなっている。

 探索や斥候のたびに少しずつ道の端に避けたりと整備をしているからだが、どうなるかは分からないが、このまま春や夏を迎えると道路脇は草が茂り道幅は確実に狭まるだろう。


 途中フラフラと現れるゾンビを数体除けながら目的のホームセンターへと辿り着く。

 一度駐車場前を通り過ぎ安全を確認する。


 「ピィガガ、こちらキシダ駐車場に車が4台ゾンビは2体確認侵入します」


 「ガガ、了解、無理はしないように」


 そんな声を聞きながらゾンビからある程度距離のある場所にバイクを停める。

 イチゴがバイクから飛び降り弓を構え矢筒の位置を直す。


 オレもバイクから降りてランタンハンガーを構え、ナタの位置を確認する。


 近いゾンビまで10メートル程、頭に工事現場で使うような黄色のヘルメットをかぶり反射帯を付け紺色の作業着を着た工事現場ゾンビ推定60歳、顔は紫色に変色し白目を濁らせ口からは赤黒いあぶくを垂らしながら右手には誘導灯が紐でぶら下がっている。

 もう1体は15メートル程の場所にいる白人女性推定30歳、濃い色合いのデニムパンツに淡い色合いのデニムシャツ、上着に薄茶色のボア付きのジャケットを羽織り紫色に染まった顔にはサングラスをしている。


 「イチゴ、工事現場ゾンビをまずは相手するからサングラスゾンビの警戒を頼む」


 「任せて、狙えたら打つね」


 ランタンハンガーを構え右手を後ろに左半身に構え工事現場ゾンビに近寄る、向こうも声とも音ともつかない奇妙な鳴き声を上げながらこちらに近寄ってくる。


 「う゛ぁぁっう゛ぅぅ」

 「あぁぁあぁぁぁぃぃぃ」


2体同時に動き出しイチゴの射線上、オレの後ろに隠れるように向かってくる。


 イチゴは素早く横に回り込むがイチゴが叫ぶ。


 「マサシ1体追加!距離20前方」


 「見えた!」


 オレはそう言いながら工事現場ゾンビの肉が削げて穴だけになった鼻に向けてランタンハンガーを突き入れる。


 「燕三条万歳っ!」「万歳!」


 一瞬、硬い物にランタンハンガーがぶつかる感触がしたあと奥まで突き刺さりゾンビはビクビクとするランタンハンガーを突き入れたまま、ぐるりと脳漿をかき混ぜ頭蓋の裏に押し当て反動でランタンハンガーを赤黒い糸とともに抜き出す。

 ビクビクと震えながら工事現場ゾンビはアスファルトに転がり鼻から赤黒い粘液を垂らしたまま白濁した瞳は冬の寒空を映し動かなくなる。


 その頃にはサングラスゾンビが目の前1メートルに近付きこちらに両手を向けて襲いかかろうとしていた。


 ランタンハンガーを水平に構え相手の脇の下から顎に向かって思い切りぶつけるが、さすが白人女性は身長も体重もほとんど変わらないのか互いにたたらを踏むにとどまる、左足を戻し距離を取る。


 ランタンハンガーを構え直し右手前に空手の順突きを放つように顎から脳天に向けランタンハンガーを突き入れる。


 「燕三条万歳っ!」「万歳!」


 柔らかい下顎を突き抜け抵抗を感じながら頭蓋の裏に穂先が当たる感触にくるりとランタンハンガーを回し、右手側にランタンハンガーにサングラスゾンビを引きずりながら引き抜く。


 3体目のゾンビまで距離6メートル。


 駐車場に2トントラックが入ってくるが周りに車があるため支援は期待できそうにない。

 カワカミさんとタニグチさんが盾を用意し近付いてくるが、ラストゾンビまで距離3メートル。


 イチゴの矢を両目に生やし、それでも両手を突き出し、こちらに向け歩みを止めない。

 灰色の作業着上下に長靴を履き黒のダウンジャケットを着た30代男性ゾンビ。


 左に回り込む勢いのままランタンハンガーを棒のように振りアラサーゾンビの延髄に叩き込むとオレの右側に前のめりに倒れてくる。

 硬いアスファルトに顎を擦り付け赤黒い腐肉をへばりつかせ赤黒い粘液を口からこぼしながら「う゛ぁぁっ」と悲鳴を漏らす。

 走り寄ってきたカワカミさんがゾンビにたどり着きジュラルミンの盾を垂直にアラサーゾンビの首元に叩き落とし首骨を割る。

 魚の頭を落とす何倍も嫌な音を出しながら仕留める。

 アラサーゾンビはあらぬ方向に首を曲げ両目から矢を生やし動かなくなる。


 辺りを見渡すが他にはいないようだ。

 イチゴと矢を回収してゾンビ達の衣類でヤジリを拭う。


 「よし駐車場は大丈夫そうだな入口を警戒しながら確認しよう」

 カワカミさんがそう言うとトラックを入口付近に停め直し、バイクを押して停め直す。

 トラックの荷台が開かれるとスズキさんがクロスボウを構え降りてくる。


 スズキさんはクロスボウ片手にトラックの上に昇ると周辺の警戒を始めトランシーバーから「ピッ、周辺ゾンビ見えません」と連絡が入る。


 カワカミさんが先頭に立ち入口から店内を確認する。


 「入ってすぐに4体いるな」

 カワカミさんがそう言うと各員、目視で確認する。


 「駐車場の車で一時的にバリケードを作り、おびき寄せてやろう」

 そう言うとカワカミさんは駐車場に倒れた動かないゾンビのポケットを漁り車の鍵を探しに行く。


 シブヤさんとタニグチさんが入口の警戒に残り、オレも鍵を探す。

 イチゴはオレ達の周りで警戒をしている。

 ほどなく鍵束を一つ見つけ車のメーカー名から当たりをつけて軽バンに鍵を差し込むとドアが開いた。


 「カワカミさんこれ使えますよ」


 「よし入口に擦りつけるくらいくっつけちゃって」


 軽バンを入口前に横付けし窓を開け助手席側から降りる。


 オレが軽バンから降りてドアを閉めるとカワカミさんがシブヤさんに指示を出す。

 「シブヤやってくれ」


 後部座席のドアを開けてシブヤさんが車の中を通り抜け店舗入口のドアを開け店内のゾンビに小石を投げつける。


 1体のゾンビに小石は当たり、こちらに向けてフラフラとした歩みを始める。


 「いぃぃおぉいぃう゛ぁぁ」

 ゾンビが鳴くと他の3体のゾンビ達も一斉に動き始める。


 シブヤさんは車のドアを閉めて車の近くに鉄パイプ槍を構えてゾンビを待つ。

 オレもランタンハンガーを構えて待っているとゾンビ達は車に張り付き車体を叩き始める車が倒れそうなほど揺れるが、1体ずつ頭にランタンハンガーを突き入れゾンビ達を始末する。


 「上手くいったな」

 シブヤさんがそう言いながら軽バンを動かし入口を開ける、床には4体のゾンビが転がっており男4人で入口端に積み上げる。

 「なまんだー」「なまんだー」

 「おぉ?なみょうほうれんげっきょー」

 「ええ?なむだいしんじょーこんごー?」

 「ううむ、ほうれんげっきょー」

 「しんじゅこんごー?」


 「ピィガガ、父と子と精霊の・・・」


 「隠れてないキリシタンがいるぞー!」

 「キリシタンだー!」


 店内を確認するが他にゾンビはいなかった。

 必要な物資、鉄パイプやブロック、衣類や靴に僅かにあった水や食料、その他必要そうな物を2トントラックに積み込ま。


 軽バンも側面が汚れただけだったのでタニグチさんに運転してもらい物資を積み込み来た道を使いハウステンボスへ戻る。

 道中は特にゾンビの数も少なく問題なく戻れた。


 昼前にはハウステンボスへ戻ってくるとが出来たので昼食におにぎりを食べて作業を開始する。

 ユンボ等の重機を使うと音でゾンビを引き寄せてしまうため、探索班の男性メンバーが集まり人力で穴を掘る。

 駐車場の端に各々スコップやシャベルにクワなどを使って穴を掘った。

 地面に単管パイプを突き入れて骨組みにしてブロックである程度周りを固めそこに粘土質な土に水を含ませ中の空気を抜きながらベタベタと塗りつけ盛っていく。

 煙突部分には横にブロックを積み階段状にして作業を進めた。


 駐車場の隅に1メートル四方の穴と高さ2メートルほどの煙突が組み上がった。


 粘土はまだ固まってないが火を入れればすぐに乾いて固まるはずだ。


 ゾンビ焼却用のロケットストーブが一応完成した。


 「おお形にはなったな」

 シブヤさんが近くに来て煙突を仰ぎ見る。


 「煙突が低いのが心配ですけど一回温度が上がってしまえば燃料の継ぎ足し無しで燃やし続けられると思います」


 「とりあえず燃やしてみるか」


 「火を入れて粘土を固めとかないと不味いんで早速燃やしましょう」


 そう言うと煙突下に炭をバラまき灯油をかけて火をつける。


 始めは黒い煙が穴側からも漏れて酷い有様だったが炭に火がつき熱量が上がってくると煙突から勢いよく煙が立ち昇り投入口は近付くと怖いと感じるような吸い込み現象が起き始めた。


 「よし亡骸を入れてみよう」

 カワカミさんの合図でゾンビの亡骸を1体、頭側に1人足側に1人の2人がかりで抱えブランコの様に振って穴の奥に投げ入れる。

 熱い鉄板に水を落としたような音を上げ亡骸に火がつく。

 赤い炎が申し訳程度に身体に身に付けられた衣類を包み黒い人影となっては煙に姿を変えていく。

 人を焼く臭いは変わらず鼻を刺すが、油が唇に付くまでは無い。


 それからも熱量は衰えず2体3体と数え切れない亡骸を弔い夕暮れを迎えた。



 「こうやるとちゃんと火葬出来てるみたいに見えるな」


 「そうですね」「うん」


 暗くなりきる前に火を絶やし明日以降も手空きの人間で駐車場の隅に積まれた亡者の亡骸を弔う事をカワカミさんが指示して今日の作業を終えた。

三章?四章?に入れ忘れてました

( ;´꒳`;):


昨日カワカミさんの名前を修正してて書いてなかったを思い出し

(((((´◉ᾥ◉`))))))ガクブル


12万文字目処に終わる予定でしたが10万文字越えてました・・・

ラノベ一冊分で書ける予定が潰えました

ヾノ。ÒдÓ)ノシ バンバン!!


あけましておめでとうございます

旧年中はお世話になりましたが

今年もよろしくお願いします

┏○))


蛇足でした。

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