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サバイバル九州ゾンビワールド  作者: 夕凪 響
乾坤一擲、徳之島自給自足
41/57

Creep

 生まれた事に意味を見いだしたいなら親にでも聞いてみればいい。


 問題は生まれた後にあるんだからな。


 なぜ生きるのか、なんてものが至上の命題のようにあちらこちらで取り沙汰されてはいるが簡単な話しだ。


 つまり死んでないだけ、各々が勝手に自分で生きる理由なんて決めちまえばいい。


 なら生という有限な時間を何に消費するのか。


 わかりやすくなってきただろ?


 ただそんな事を考えてるうちに元々が少ない砂時計の一粒一粒が無駄に落ちていく。


 簡単だ、やりたいことをやってれば結果はあとからついてくる。


 まっ、頭の良い奴ってのは何処にでも居て目標を見付けて我武者羅になって打ち込む奴もいる。

 そんな奴に悩んでる時点で何歩もリードされてるんだ。


 何が言いたいかって言うと、いつだって走り出すタイミングなんだ。


 行けよ結果は後から付いて来る。


 ヤマダマサシの手記より

 この3週間のうちに50人ほどの人が亡くなっていった。

 冬の寒さに身体を弱らせたアムステルダムシティの人が床に伏せったままゾンビ化し数人を巻き込み命を落とす。

 近場の物資は粗方漁り、少し遠い場所を探さなきゃ満足な食事にはありつけない、探索の斥候中に消息を絶った班員もいた。


 誰もがこの生活に疲れ始めていた、そんなオレ達に新しく選択肢が提示される。

 本州や他の自衛隊との連絡を取っていたタケハラさんから話しがあった。

 とうとう3月に入り寒さも和らぎ、探索先で梅の花が見れるようになった。


 「とうとう本州もゾンビ化が進み避難の受け入れが出来る場所なんて滑稽な話しになってきちまいやがった、北海道の方はかなり良いらしい、なんたって外にいるゾンビは凍って勝手に居なくなるって話しだ、だがここから船で移動してたら燃料も足りねぇ補給してるうちにやられちまう、そこでだ俺らは選ばなきゃならないらしい」

 そうタケハラさんが話し始める。


 場所はステーキハウス辺りは薄暗く夕食の時間だが最近ではレトルトやインスタントの食事が多く、オレ達は文明の残滓にしがみついて僅かに生きながらえていた。


 「人口密度の多い場所は絶望的だ、ここみたいな閉じられた環境で安全な場所に行くしかない、ここは防衛と避難を考えると悪く無い場所なんだが、いかんせん物資が足りなさすぎる」


 タケハラさんは集まった人達を見回し話しを続ける。


 「掘っても地面からは塩水しか出てこない作物は塩害で育たない、魚は穫れるが薪になるような木も外に出なきゃならねぇ」

 彼は苦しげに続ける。

 「ガソリンだってタンクローリーやらがいつまでも見つかるわけがない、今年の冬がくるまではなんとかなるだろうが冬がきたら終わりだ」


 「春がくるまえに住処を移して農耕をやらなきゃいけねぇ、自衛隊の生き残りと連絡を取って鹿児島の離島の一つ徳之島への移送を考えてる」


 「これは噂だが沖縄本島からも時折、無線が流れてくるらしいが本島も今じゃ島中ゾンビで溢れてるらしいがな」


 「2週間後に生き残った避難者を徳之島に移送する自衛隊の船がくる、ここに残るか途中の島に降ろしてもらうか徳之島まで行くか選んでおいてくれ」


 「なんでもある場所に行くわけじゃない、何にもないところに行ってゾンビの群れを片付けて一から村を作るところから始まる、今までの比じゃなく苦しい生活になるだろう、日本どころか世界中にゾンビが溢れ出て逃げ場なんかありゃしねぇんだ」


 「船の乗船人数の確認もある、来週までに、それぞれ答えを出しといてくれ」


 タケハラさんは立ち上がり出入り口まで歩くと呟くように「・・・よく考えていてくれ」と言葉を残しアムステルダムシティへ戻っていった。

 


 席のあちこちから「徳之島ってどこだ?」「沖縄じゃねぇの?」「馬鹿だなー鹿児島だよ鹿児島」「途中の島ってなんだよ?」なんて声が漏れ聞こえてくるがカワカミさんが手を叩いて話し出す。


 「さてみんな晩御飯を食べながらそれぞれにゆっくり考えようまだ答えを出すまで1週間はある」



 今日の晩御飯は白ご飯にレトルトをかけた中華丼にアジゴの南蛮漬け、色んな魚のあら汁と見た目は豪勢だが、南蛮漬けには野菜は入っておらず、あら汁もどちらかと言えばマース煮みたいなもんだ。


 「いただきます」「いっただきまーす」

 「最近、肉食べてないな」


 「生姜焼きに牛丼に、あ!卵食べたいなぁ」


 「ニワトリ拾ってくるしかないなー」


 「むむむ?マサシさんニワトリに心当たりが?」


 「ないなー」


 そんな事を話しながら晩御飯を食べ終わる。


 近くのソファー席にはシブヤさんミヤザキさんにメグミちゃんが座っていた。


 「おうヤマダ!お前も行くんだろ?」


 「いやイチゴと相談してからですね」

 横にイチゴがちょこんと並ぶ。


 「あーそうか?俺はこいつと行くからなお前もこいよ」

 対面の席に座るメグミさんを見ながらシブヤさんが言うとミヤザキさんは「どうせお世話なんて出来ないでしょ、しょーがないなぁ・・・」なんて話している、仲の良い一つの家族みたいだ。


 「1週間はあるからゆっくり考えます」そう言いながら席を離れる。 


 カウンターの向こうにいるナカムラさんに「ごちそうさま」と言いながらオレ達の家に帰る。


 部屋に戻り歯を磨き、お湯を沸かし2人身体を拭くとベッドに潜り込み毛布にくるまった。


 「また温泉いきたいねー」


 「あー休みの日に抜け出して行ってみるか?」


 「うんうん、鍵かけれる家族風呂のとこで源泉掛け流しなら大丈夫な気がする!」


 「近くにあれば良いけど西海橋の所はゾンビ多かったもんな」


 「たぶんそれだけ人気があったんだよ!」


 「ところでさ」


 「なになに?マサマサ?」


 「いや変な呼び方はやめてくれ」


 「えーかわいいのに、なになに?マサシ?」


 「徳之島」


 「うん」


 「行こうと思う」


 「うん、なら私もついて行く!」


 「良いのか?」


 「うん」


 「たぶんタケハラさんとか悩んでる人達は家族がさ」


 「うん」


 「見つかってないとかさ、色々あってまだココから離れられないんだろうな、気持ちがさ」


 「うん」


 「イチゴは大丈夫なのか?」


 「うん」

 イチゴは鼻声になり強く抱きついてくる、オレはそれに応えるように抱きしめた。


 「うん」




 そうして一週間、探索の合間の休みに近場で温泉を見つけたりして過ごしているとすぐに日は経つ、晩御飯を食べるステーキハウスに集まるとタケハラさんが話し出す。

五章ヾ(*ΦωΦ)ノヒャッホゥ


サブタイトルに悩み新しい方に(✽´ཫ`✽)

もう、ほんとにね、ブリティッシュ縛りですよ・・・


お付き合い頂きありがとうございます┏○))

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