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サバイバル九州ゾンビワールド  作者: 夕凪 響
闘諍堅固、佐世保衰退
34/57

Crazy Little Thing Called Love

 「雰囲気わりぃな」

 シブヤさんがボソッと呟く。


 アムステルダムシティでは晩御飯の炊き出しが行われているが、昨日までのような賑やかさは無く静かで、ときおり刺すような視線さえ感じる。


 いつもは気付かなかったが探索班とアムステルダムシティにいる人間で席も別れていたようだ。

 いつもは軽い挨拶やお喋りに興じている人達も静かに食事だけすると、すぐに立ち去っていく。

 物資の節約のためかかがり火も少なく、この雰囲気に拍車をかけているようだ。

 席を取り炊き出しの中心にいるナカムラさんの所へ食事を受け取りに行く。


 「こんばんは」「こんばんは!」

 「なんか暗いな?大丈夫か?」


 「みなさんこんばんは、いえアムステルダムシティの内輪で探索班からゾンビが出るかもしれないから気をつけろって噂があって、たぶんそれでピリピリしてるんだと思います」


 「なるほど、そいつは良くない″噂″だなタケハラさんはこの事を?」


 「いえゾンビに閉じ込められて探索が難しい状況なので物資の節約など協力をっていう話しと万が一に備えて夜間の巡回が増えるって」


 急に近くの席に座っていた男が声を荒げ言った。

 「ゾンビ混じりの奴らがアムステルダムシティに来ると迷惑なんだよっ!」


 「だいたい物資の節約たって、どうやってこれ以上切り詰めろって言うんだよ!」


 「服だって洗えない食う物も減らされて飲み水だってな!俺達は家畜じゃねぇんだぞっ!」


 「昨日だって酒があったからってどうしようもねぇだろうがよ!」



 「お前ら止めろっ!」

 一際大きな声でタケハラさんが怒鳴る。

 「不満があるならお前も探索班に入れば良いだろうっ!」

 「おいおいタケハラさんよぉ」

 「自衛隊が助けに来てくれるってのにわざわざ危険を引っ張り込む必要があるのかって話しだよ!」

 「そうだ!自衛隊の救助はどうなってんだぁ!」

 「あんたらが勝手に水や食料に燃料の使い道考えて、こっちにゃ全く回ってこない、どうなってんだ!政治家にでもなったつもりか!?」


 アムステルダムシティに避難した人達の不満と怨鬼の声は続きタケハラさんが「すまない説得しとくから今夜はアトラクションタウンに戻ってくれ」そう言われ冷え始めた夕食の皿を持ってアトラクションタウンに戻る。


 「不満が爆発しちまってるな・・・」

 シブヤさんがボソッと呟く。


 「タケハラさんも政治家ってわけじゃない、どうすれば人死にが少なく食料と水を分配し、よその避難所と自衛隊とすりあわせやって苦労してるんだが、如何せん避難だけして動かない奴には悪いとこしか伝わってない」

 カワカミさんが食事を片手に話し掛ける。


 「カワカミさん」


 「タケハラさんと飯食いながら話してたらあんな事になって、話しどころじゃないからね」そう言いながらカワカミさんは肩を竦める。

 「部屋に戻って暖房つけるのも非効率だ、みんなステーキハウスに集まって夕食の続きを楽しもう」

 カワカミさんを先頭にステーキハウスの中に入り各々適当に席に座る。


 ステーキハウスの中にはストーブが置かれ見張り番を外れた人が数人カウンターで酒を飲んで喋っていた。


 ソファー席にイチゴとシブヤさんと座る。

 「みんな怒ってて大変そうだったねー」とイチゴが言いながら冷めてしまったシチューを食べる。


 今夜の晩御飯はグリーンピースとコーンに玉ねぎと人参とジャガイモのホワイトシチュー、肉は見えない。

 それにパンにハムと少しのキャベツにマスタードとマヨネーズを挟んだ物だった。

 「久留米ホットドッグっ!」


 「え?久留米ホットドッグ?何それ?」


 「知名度の低い、ご当地グルメでウィンナーとかソーセージ使わずに厚切りのハムとキャベツのコールスローみたいなのを挟んだホットドッグなんだ!」


 「へー!ちょうどこんな感じ?」


 「本当はキャベツがモリモリ入ってるけど、だいたいこんな感じ」


 さっきまで人が怒鳴りあい最悪の雰囲気だったから殊更おどけて話すとイチゴも調子を戻してきたようだが、シブヤさんや周りの空気は重い。


 シブヤさんは一言も話さないまま「お前らも遅くならないうちに戻って休めよ、戸締まりも気をつけてな」そう言うと寮とは違う方向に歩き出した。


 晩御飯を食べ終わるとイチゴと連れ立って部屋に戻りお湯を沸かしタオルで身体を拭いて2人、毛布にくるまり休んだ。


 次の日は朝から目が覚めたものの夜の見張りと聞いていたので朝食を貰いに行き、朝は食べずに昼過ぎまで寝直し昼過ぎに朝食を温め直してたべる。


 「まだ夕方までじかんあるな?」


 「もう寝れないよー」


 「休んどかないと夜がきつそうだしな」


 「ソファーに座ってゆっくりしとく?」


 「お茶でも飲むか」


 そんな風に2人で話しながらコンビニから持ってきた、田舎の母的なソフトクッキーの小袋を取り出しているとシブヤさんが顔を出す。


 「おう、お前ら起きてたか?」


 「おはようございます?」

 「こんにちは?」


 「夕食食べたら見張りの交代だから、まだしばらくは休んどけよ」


 「はーい」「はーい」


 「クッキーか、良いなまだあるか?」


 「はーいどうぞどうぞ」

 そう言いながら小袋を一つ渡す。


 シブヤさんクッキーを受け取るとまたどこかに歩いていく。


 入れ替わりにミヤザキさんがやってきて「シブヤこなかった?」と聞くが、ついさっき来てすぐにどこかに行った事を伝えるとミヤザキさんも行こうとする。


 「シブヤさんっていっつもウロウロしてますよね?」そう尋ねるとミヤザキさんが答える。


 「あいつ妹が病弱でアムステルダムシティ側に預けてるから、たぶんここは通り道なんじゃないかしら?」


 「え?妹さんが?初耳です」


 「そうよ、あいつ基本は要領が良いくせに不器用だから」


 なんだかよくわからない怒り方をしてミヤザキさんもどこかに歩いていく。


 「なんか慌ただしかったな?」


 「うん、それにしても妹さんかーいくつくらいなのかな?」


 「13才だな」手ぶらのシブヤさんが入ってきながら話す。


 「わぁっ!」「びっくりした!」


 「クッキーありがとうな」


そう言いながら椅子をソファーのそばに引き寄せシブヤさんは腰掛ける。


 「どういたしまして、ミヤザキさんが探してましたよ」


 「ああアサコちゃんには、そこであったぞ、それと夕食だがアムステルダムシティまで行かずに、こっちで配ってくれるらしい」


 「はーい」「はい」


 「そういや、お前らはゾンビがきて、橋をあげるときには近くに居なかったよな?」


 「そうですね鐘が鳴るまで、このソファーに座ってました」


 「うーん、そうだよな」


 「どうかしたんですか?」


 「誰にも言うなよ?イチゴちゃんも言うなよ?」


 「はーい」「はい」


 「ちょっと調べてみたんだが、やっぱり噛まれたのは3人いたって話しで、こうやって調査まがいのことしてるんだが、噛まれた奴は居ないみたいでな」


 「スズキも縛ったままベッドで死んだみたいに眠ってて起き上がりそうもない」


 「あーそれは」そう言いながらイチゴと顔を見合わせる。

 シブヤさんに「すみません作戦タイムです3分待って下さい」と言いイチゴとコソコソ話をする。

 (言って良いよな?)

 (とりあえずシブヤさんまでで止めて貰うなら良いと思いまーす)

 (賛成)


 シブヤさんは「なんだなんだいきなりコソコソ話しなんか始めて」っと興味深そうにこちらを見つめている。


 「シブヤさん」


 「おう改まってどうした?」


 「どういう扱いをしたら良いか怪しい話しなんで内密にお願いします。」


 「ああ分かった」


 そこからはシブヤさんにも届くかどうかの声で話しだす。

 シブヤさんに椅子を近づけて貰う。

 「いや実はオレもイチゴもゾンビに噛まれた事があるんです」


 「ん?どう言うことだ?」


 「ゾンビに噛まれて3日くらい熱だして倒れるんですけどゾンビになることはなくて」


 「おいおいおいまじかよ?」


 「佐賀でもう1人そういう人に会った事もあります」


 「カワカミさんから歯形があったから少し様子を見るようにって聞いてたがマジか?そういやアサコもイチゴちゃんの左腕に怪しい傷跡があったとか言ってたなゾンビ化しそうに無かったから直ぐに警戒は解いたが」


 「だから、もしかしたらスズキさんもゾンビにならずに済むかもしれません」


 「もしそれが本当なら大事件だぞっ!だがその話しは俺以外にはしてないよな?」


 「はいハウステンボスに来てから誰にも言ってないです。」


 「ちょっと俺が良いって言うまで誰にも話すなよ?下手すると探索もお前らだけで、とかおかしな事を言い出す奴がいるかも知れねぇ、いやまずはスズキが目覚めた時にいきなり殺されないようにしないと・・・」


 そう呟きながらシブヤさんは立ち上がると「絶対言うなよ」っと念押しして駆け出して行った。


 2人でソファーに沈み込み微睡みながら過ごしていると空が赤く染まり夕暮れ時になった。


 晩御飯の時間が近付き2人連れ立って、すぐ近くにあるアトラクションタウンのステーキハウスに向かう。


 広場を見ると食事を求める班員がそれぞれ連れ立って集まってくる所だった。


 「きゃぁぁぁぁぁ!!」


 遠くで叫び声が聞こえる、アムステルダムシティの方だ。


 イチゴと連れ立って走り出すとかがり火が焚かれたアムステルダムシティ広場の奥、ホテルアムステルダムの入口から何体かのゾンビがフラフラと歩みを進め、近くにいた男に噛みつき床に押し倒すとハラワタを口で引きずり出し湯気のあがる内臓に歯を突き立てている。


 「ぁああああたすけてっ!たすけてくれぇぇ!」

 押さえつけられたまま男は叫ぶが徐々に声は小さくなり、口からは声とも音ともつかない不気味な鳴き声を上げ始める。


 「う゛ぁぁぁぁあっあっ」


 晩御飯を食べるだけのつもりだったので腰元に差したナタしか持ち合わせていない。

 腰元のナタを引き抜き柄頭の紐に指を絡め走る勢いそのままにナタを引き抜き、同族を増やしたばかりのゾンビの首に向けてナタを振り下ろす。


 延髄に勢いよく刃が入り一振りで骨まで届く。


 骨を断ち切った所でナタは勢いを落とす、もう一度と思い振りかぶるが頭部を喉元の皮と肉だけで支えきれずゾンビは頭をたれ落とすと、そのまま倒れ動きを止める。


 一歩引き下がりハラワタ引きずり、こちらに動き出すゾンビにイチゴが近くにあった椅子を投げつける。

 たたらを踏んだゾンビに右から近寄り膝裏を蹴りつける。

 両手を広げ後頭部を打ち付けるように転ぶゾンビを一度避け鼻のあたりをブーツのカカトで思い切り踏み抜く。

 ゾンビとして身体が新しいのか頭蓋が硬くなかなか踏み抜けない、一回二回、両手を振り回すゾンビに支えの足を捕まれるが気にせず三回、何かを踏み抜いた感触がしてゾンビは動きを止める。

 

 見える範囲にゾンビは1、2、3、4!

 4体のゾンビがいて、1体は一緒に走ってきた班員が相手をしている。


 「イチゴ1体転がすから椅子かなんかで頭を潰してくれ!」

 「任せて!」


 言うが早いかオレは一番近くにいたゾンビに相対しこちらに掴みかかってくる勢いそのままに相手の右手を左手で掴み、こちらに引き込みながら右手で首元のだぶついた衣服をナタと一緒に殴るように掴み取る。


 そのまま流れに入れば身体が勝手に動き出す、前傾で重心等考えてもいない緩慢な動きをするゾンビを左に回転するように腰にのせる。


 手は添えるだけ身体の特に腰で投げる柔道の代名詞、一本背負いだ。


 あとは相手の運動エネルギーだけで勝手にすっ転ぶゾンビをイチゴに任せ、さらに近付いてくる2体に目を向ける。



 2体の距離が近いため相手の側面に回り込み2体目が1体目の陰に隠れて直ぐには近づけないように位置取りしながらナタを振りかぶって前側にいるゾンビの首にたたき込む。


 一回では動きを止められずゾンビの顔が迫るが左腕の肘で顔を押し退け後ろのゾンビの盾にしながらもう一度ナタをふるう、刃が骨に当たる硬質な感触を感じながらナタを押し込み捻るとゾンビの力が抜ける。


 そこで武器を持った班員が駆けつけ鉄パイプ槍で後ろのゾンビに突き立てる。

 ゾンビはゆっくりとレンガ造りの床に沈んでいく。


 周りを見渡すとイチゴも倒れたゾンビの頭に椅子を叩きつけとどめを刺すところだった。


 「イチゴ無事か?」

 「うん、マサシは?」

 「大丈夫だ」

 「よかった」


 そこにシブヤさんが何かを叫びながらホテルの中に入っていく。

 それを見てオレ達は顔を見合わせ同時に言う。

 「妹さん!」


 言うが早いかシブヤさんに続きホテルに突っ込む。

 中は薄暗く、所々にランタンが置かれているが曲がり角にゾンビがいても気付けないだろう。


 シブヤさんが叫び走る方向に続き2階へと進む。

 奥の方の部屋のドアの前にシブヤさんがおり何事か話しドアが開くと中からシブヤさんに似た女の子が出てくる。

 「無事だったんだ!」「よかった」

 そう言いながら近付くがゾンビが1体彼らに近づく「危ないっ!」

 そう言いながら駈けよりイチゴと2人で協力してゾンビの首にナタを何度も叩き込み首を切り落とす。


 「シブヤさん危ないですよ」「本当ですよ」

 そう言いながらシブヤさんを見ると身を竦ませ妹さんを抱きしめ守るようにしていた。

 オレ達を見ると「わりぃな助かったぜ」と言い肩の力が抜けたようだった。

 だが突然シブヤさんが「危ないっ」そう叫ぶ、シブヤさんが見ている方に目をやるとイチゴに後ろから覆い被さる影が見える。

 「ゾンビだ!」


 すぐに駈けよりゾンビを蹴り飛ばしナタを振るう。

 ゾンビを倒しイチゴを見ると右手を噛まれており赤い滴が垂れている。


 「おい、イチゴ大丈夫か!?」


 「うん大丈夫、大丈夫、ちょっと痛いだけ」

 オレはシブヤさん達に清潔なタオルはないかと尋ね止血するが、班員が駆けつけてきてイチゴの血を見て青い顔をしている。


 「噛まれたんですか?」

 そう尋ねる班員の顔は青ざめ、声は硬く睨むようにこちらを見ていた。

(*´д`*)ハァハァ

なかなか書きたいシーンに進まない・・・


学生時代戯曲家の先生が奇跡は一作品に一回までって講義してて、正直このお話しには環境の構成に奇跡もう使っちゃってるんだよなとなやみながらライティング!


内情はシビアで不満がたまっているっていう表現が稚拙_| ̄|○

 想像力と表現力をクダサァァァァイ

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