Killer Queen
部屋から2人歩いて男子寮の隣に建つ小劇場のような建物に入る。
他にも班員がちらほらと入って行っている。
ドアは開け放たれ薄暗い室内で壇上と言うには低い場所の周りだけランタン型のLEDライトが4台置かれ明るく照らされていた。
中を見渡すとシブヤさんやミヤザキさんタニグチさんも来ていて、イチゴが軽く手を振り挨拶をしていた。
しばらくすると人の集まりは途切れ、およそ50人程の人間が集まった。
少し疲れた表情のカワカミさんが壇上に上がり話し出す。
「みんなお疲れ様、今日の昼あったゾンビの攻勢についてはもう聞き及んだものと思う」
そう言うと彼はゆっくりと場を見回すと続けた。
「今回のゾンビの群れは多勢を極めている、数およそ500」
そこで言葉を止めると班員の息を呑む音が聞こえるようだった。
「迎撃殲滅は現実的で無い数字だ、またハーバードゲート側の解放も未だ進んではいないため我々は閉じ込められている状況にある」
「しかし、勇気ある隊員の犠牲により橋を迅速に上げる事に成功しゾンビの流入を防ぎ食い止められたことによって今の時間が残されていることを忘れてはならない」
「ゾンビの様子をこれより一週間は確認する、またゾンビの接近に伴い夜の見張りを一週間ほどの間は増員する、メンバーの割り振りはミヤザキさんの方から通達が行く、なお今夜の見張りはすでに決まり通達している」
「探索に出られない間、つまりは夜間の見張りを増員する間だが昼食の弁当を中止して夜間の見張りに夜食を配る事になった夕食後に弁当を朝配っていた場所に持ってきて貰うことになっている夜番にあたるものは人数分しか用意されていないので忘れずに受け取るように」
「以上だ解散っ!」
そう言うとカワカミさんは壇上を降りてシブヤさんとミヤザキさんと話し始める。
オレとイチゴは人の流れに押し出されるように建物を後にした。
イチゴと2人部屋に戻る、夕食まではまだ少し時間があり少しずつ夕焼けに染まる運河とレンガ造りの街を眺めながらソファーに沈み込む。
「昼ご飯・・・」
「うん、魚釣ると食べ放題だぞ」
「釣る!魚釣るっ!」
「あとは寒いだろうけどカヌーで細かく物資集めに出てみるとかかな?」
「カヌー乗れるの?」
「乗った事は無いけどフロート付きのやつなら安定性もあるし積載量も増やせるから確かアムステルダムシティで魚取ってる人達もカヌー使ってるってシブヤさんが言ってた気がする」
「うーんどこに行くかだよね」
「そうだな手漕ぎだと距離もそんなに稼げ無いし陸に上がった後の移動手段も考えなきゃいけないからな」
「ううーん」
「おうおうなんか面白い事話してるな?」そう言いながらシブヤさんが入ってくる。
「シブヤさんカヌーって借りれますか?」
シブヤさんは椅子をソファーの対面に持ってきながら喋り出す。
「カヌーで行ける範囲の海沿いの探索はまぁまぁやってると思うから、カヌー出すなら陸に上がって行かないと難しいだろうな」
「陸にあがってからの移動手段ですよね、荷物の積載量も2人でカヌーだとそうは積めないし」
「うーんそうだなーやるならカヌーで出発して使える船を持って帰ってくるのが現実的だな」
そんな事を話してると晩御飯の時間になってくる。
「よしそろそろ晩飯だな、そうそうお前ら明日の夜が見張りだから昼間はちゃんと休んどけよ?」
「はい!」「はーい!」
「始めての見張りだからな一応俺も一緒で3人だ」
「心強いです」「ねー」
そう言うと立ち上がり晩御飯を食べにアムステルダムシティへ向かう。




