(閑話) Song2
俺は福岡の大学に通う大学四年生。
「ゴホッゴホゴホ」
大学の休みを利用して実家に帰っていた。
ここ何年か世界的な流行を見せた感染性のウィルスのせいで県外への移動などは自粛ムードで、大学に入ってからは親からも「元気ならそれでいい、帰ってこなくてもいいから」など遠回しに帰省を断られていたが8回目のワクチン接種と事態の沈静化を伝えるニュースがテレビで流れてからは親も「たまには顔を見たい」なんて言い出し始めた。
「ゴホッゴホ」
正月も過ぎていたが今年は就職活動も佳境を迎える。
卒論などで忙しくなると、お盆も帰れるかわからない。
その上、就職すればまた忙しくなるだろう。
今のうちに両親に甘えるのも親孝行かもしれない、そんな甘いことを考えて実家で上げ膳、据え膳でのんびりさせてもらった。
一人暮らしを始めて今まで母さんがご飯を作ってくれる事や毎日洗濯してくれること何気なく話しかけてくれる色々なことに気付き、深い感謝の気持ちを持った。
就職したらまずは美味いものでも食べに連れてってやりたいな。
「ゴホッゴホゴホ」
ここ2日よく咳がでる。
4日前に変な奴に噛みつかれてからだ。
地元の友達と飲み会後に公園で寒い中、缶チューハイ片手に話し足りなくて騒いでいた。
フラフラとサラリーマン風の男が近付いてきて五月蠅かったかなと思い「すみません」っと言って解散しようとしたら急に襲いかかってきた。
両手を顔の前に突き出して男を止めようとすると左手首に鋭い痛みが走る。
男は俺の左手首に深く歯を食い込ませ噛みついていた。
とっさに男を突き飛ばし友人達と逃げ出した。
楽しかった気分も吹き飛び「またな」っと言い合い左手を抱えて、その場を後にした。
大学近くのアパートに戻るため電車を乗り継ぎ福岡の博多駅で降りる。
意識が朦朧としてきた、早く血をすすらなきゃ・・・今日からバイトに出る予定だったけど今日まで休みにして貰おう。
「ゴホゴホ」
ダメだフラフラする、そう思いながら改札を出る。
目の前を通る若い女の白い首元を見ると・・・
違うアパートに帰って、いや柔らかな首元に肉に思い切り噛みつ・・・「ぅぅあ」考えがまとまらない。
「ぅぅぁ」自分の喉から変な音が聞こえる。
ああ、あの女もイイナ、いやあの男もイイィィナ「ぁぁぁ」
どこかで悲鳴が聞こえた気がした。
たぶんこの閑話は一章の最後に置くのが正解なんですけど動かし方がワカリマセン。
蛇足でした。




