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サバイバル九州ゾンビワールド  作者: 夕凪 響
百年河清、佐世保滞在
25/57

Fat Bottomed Girls

 フラワーロードから駐車場の方を見るとまだ火葬の最中らしく黒い煙を上げながら赤い炎がゾンビを貪っていた。


「シブヤさん途中ですみません」


「おぅヤマダ!イチゴちゃんは大丈夫か?」


「はい、落ち着いたみたいです」


「まぁタフな人間ばっかじゃねーからな」


 そんな事を言いながらシブヤさんや周りの人達も口元と頭にタオルを巻いて作業している。

 オレもそれに習ってタオルを巻いて作業を手伝う。


「やっぱり煙突を建てたりカマドみたいになってないと効率悪いですね」


「ああ、せめてブロックでも取ってこれたらだいぶ違うんだが」


「ブロックで囲って煙突効果だしながら、鉄の柵かなんかで下にロストル作ればそれだけで結構燃えそうですね」


「おお?詳しいのか?」


「いやキャンプで焚き火する時の要領なんですけど、物を燃やすと空気が上に行くのを利用して、燃焼に必要な新しい酸素を取り込むんです」


「あーなるほどアレか動画で見たことあるな、ロケットストーブだったか?」


「そうですそうです」


 そう言いながら地面に石でL字型の簡単な図を書く


「この図なら探索に行くときホームセンター寄って軽トラでもあれば1回で運べそうだな、カワカミさんに言ってみよう」


「ところでシブヤさん自衛隊員に知り合いいますか?」


「いや?人捜しか?」


「チバさんって人にこれを」


 そう言ってドッグタグを胸ポケットから出し彼に見せる。


「渡して欲しいって預かってて」


「なるほどな今の自衛隊員ならカワカミさんが多いと思うぞ」


「ありがとうございます聞いてみます」


 そう言いながら作業を続け昼前頃には全てのゾンビ、つまり誰かの死体を片づけ終わった。


 シブヤさんの号令で一度アトラクションタウンに戻るとカワカミさんタケハラさんと今日の探索について地図を見ながら話していた。


「灯油や燃料自体も少なくなっとるからタンクローリーなんか道路にあったら持ってきて欲しいが探索班に大型を動かせる奴はいたか?」


「2人いるんで、もし見つけたら善処しましょう」


「あとガス積んだトラックがあればかなり楽になるな」


「食料と水は?」


「食料はあれば助かるが水はあればあるだけ助かる」


 そこにシブヤさんが声をかける。


「カワカミさん片付け終わりましたよー」


 こちらに気付いたカワカミさんとタケハラサンが「ご苦労さま」と言い、続けて「探索行く前にちょっと休憩を取ってくれ30分後に出発しよう」と言った。


 それを受けてシブヤさんがオレ達に向き直って言う。


「お前ら聞こえたか30分後に出発だ!

 探索行かない奴は夜間の見張りの者は休んでてくれ、他は見張りに戻ってくれ」


「30分後にここに集まったら良いですか?」


「いや門の2トントラックの所に来てくれ」


「分かりましたまた後で」


 そう言いながらイチゴの待つ、間借りしている建物へ帰る。


 そこにはミヤザキさんが来ていて2人でソファーに座り話しをしていた。


「ただいまー」


「おかえりー」

「お邪魔してるわよ」


「はい、いらっしゃい、イチゴ30分後に出発だって大丈夫そうか?」


「うん!大丈夫だよ!ごめんね心配かけて」


「いや大丈夫ならよかったよ」


「お邪魔してるのも悪いし私はおいとまして見張りのチェックにでも行こうかな」


 ミヤザキさんがそう言いながら立ち上がるとイチゴも慌てて立ち上がる。

 イチゴは顔を少し赤くして「ミヤザキさんをそこまで送っていく」と言い残し2人で歩いていく。


 取り敢えず弁当はいつ食べるのか悩みながら準備をする。

 バイクに括り付けていたテントと携行缶を下ろして建物の中に入れて荷台を空ける。


 括り紐とパラコードは何か持って帰ってくるかもしれないので取り出しやすいように小袋に入れて荷台に下げておく。


 ランタンハンガーとナタは確実としてペットボトルに水を注ぎ水筒にする。


 バイクで行くなら後は弁当持ってれば良いか。

 そう思って準備をしているとイチゴが戻ってきて準備を始める。


 弁当はいつ食べるか聞いてないか尋ねるとお腹が空いたら適当に食べて良いそうなので2人で食べて出ることにする。


「いただきます」「いっただきまーす」


 弁当は米に梅干しが1つのっかりウィンナー2本に卵焼き3切れ、ブロッコリーが添えられた簡単な物だった。

 持ち込みのガスバーナーでお湯を沸かしお互いに一つずつインスタントの味噌汁をつけて食べた。

 冷えた米の合間に熱々の味噌汁をすすりゆっくりと咀嚼する。

 ときおり卵焼きやウィンナーを齧り塩味や卵の甘味に梅干しの酸味、ウィンナーに肉の味と脂を感じながら食べ終えた。


「ごちそうさま!」

「ごちそうさま!」


「寒いと味噌汁の有り難みが、ぱないな!」


「うん!インスタントスープ系あったら貰ってこようね!」


 そう言いながら片付けをしてフラワーロードへバイクを押して向かった。


 フラワーロードにはシブヤさんがトラックの周りで準備をしていた。


「シブヤさんお疲れ様です」


「おうきたか!」


「何か手伝う事ありますか?」


「いや今終わったところだ」


 そう言いながら押してきたCB223を見てシブヤさんが続けて話しかけてくる。


「ヤマダ良いバイク乗ってるな!」


「マンション出るときに人のを貰ったんですよ。

 オイル交換時期みたいでオイル替えなきゃいけないんですけど」


「オイルあるなら俺がかえてやるぜ」


「本当ですか、助かります」


「4ストのエンジンオイルならだいたいどれでも良いから持ってきな」


 2人で話しているとカワハラさんと2人男性と女性が近付いてくる。

始めてレビューもらいましたっ!

Cinq_en_sionさんありがとうございます!

燕三条万歳\^^/

とても励みになりますですよぉ_( _´・-・)_

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