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サバイバル九州ゾンビワールド  作者: 夕凪 響
百年河清、佐世保滞在
21/57

My Melancholy Blues

 部屋から出て開口一番カワカミさんが言った。


「君達部屋どうする?

 探索班で集まって男女別の雑魚寝組にまじるか2人で1部屋使うか、好きな方を選んでいいよ」


 カワカミさんはニヤニヤしながら話している。


 オレが無言で悩んでいるとイチゴが不安そうに話し出した。


「私はマサシが嫌じゃなかったら一緒の部屋が良いかな・・・」


「分かった同じ部屋でお願いします」


 カワカミさんにそう伝える。


「ははっ実は僕もさっきの従妹のミライと一緒に住んでてね、建物1棟使ってるんだがまだまだ建物自体も余ってるから具合が良い建物で1棟選ぶと良い」


 話してるうちにアトラクションタウンに入る。


「ここはフラワーロードから一番近いから人気が無くてね。

 オマケにホテルとかも無いからガスも水道もトイレも部屋に付いてない、お風呂は他の島に行ってトイレは共同で使ってる。

 アトラクションタウンは探索班専用の扱いだから自由に選んでくれていいよ」


「分かりましたベッドとかも無いんですか?」


「ああ、すまない言い方が悪かったかもしれないが、探索班は物資の扱いにかなり自由が利く。

 ホテルにある予備のベッドマットも水道代わりにウォーターサーバーや使わない料理店のガス等も運び入れて良いから、言うほど不自由はしないはずだ」


「かなり優遇されてるんですか?」


「探索班とは言ってるけど、見張り役や入口付近に迷い込んだゾンビの殲滅なども探索班の担当だ。

 だから危険も多く、その分かなり優遇されてる」


 そんな話しをしながらアトラクションタウンを歩いてると先程イチゴの外傷確認をした女性がいた。


「タケハラリーダーに挨拶終わったんですね」


「ああミヤザキさんさっきはありがとう彼等は探索班に来ることになったよ、それで異常はないかな?」


「はい片付けも終わって見張り役の人以外は戻って来てます」


 カワカミさんと一通り話し終わると彼女はこちらを向いて話しかけてきた。


 彼女は肩口まで伸ばした髪を後ろでまとめ前髪を眉の上で垂直に切りそろえる、いわゆる“ぱっつん前髪“にしてニット帽をかぶり。

 身長は160Cm届くかどうかでデニムのオーバーオールに白いトレーナーの上からダウンベストを羽織っている。


「私はミヤザキアサコと言います、探索班は危険も多いけどよろしくね」


「ヤマダマサシです、こちらこそよろしくお願いします」

「キシダイチゴです、よろしくお願いします」


 ミヤザキさんは「わからない事があったら聞いてね」と言って建物に入っていった。


「彼女は探索班で副班長のような事をして貰ってる。

 僕が居ないときに分からないことは彼女に聞いて欲しい。

 それから今、彼女が入っていったのが女性の探索班がまとまって寝泊まりしている場所だ。

 合わせて覚えていてくれ」


 そう言いながら歩き出し、噴水を超えた所にある八角形の建物を指差すとカワカミさんが立ち止まった。


「この建物に僕とミライは住んでるから何かあったらここにきて欲しい。

 それと奥に見える建物が男性がまとまって寝泊まりしている場所だ。

 今日は探索は無いから男性側の副班長にあたる人もいると思う、挨拶しておこう」


 そう言うと建物に近付いていく。


「シブヤーいるかー?」


 カワカミさんが声をかけると中から長髪を後ろで結んだ男性が出てくる。

 身長は170くらい白のシャツにシングルの黒い革ジャンを羽織りスキニーなブラックデニムのパンツを履いている。


「ああ彼等が新入りっすか、アサコから聞きましたよ避難が2人増えたって」


「話しが早くて助かるよ、彼等も探索班に入るから顔見せにきたよろしく頼む」


「了解です、部屋はどうしますか?」


「部屋は2人で住むそうだから決まったらまた連絡するよ」


「わっかりました、俺の名前はシブヤリュウタよろしく」


「ヤマダマサシですよろしくお願いします」

「キシダイチゴですよろしくお願いします」


「カワカミさんが居ないときはアサコのとこ行ってアサコも居なかったらこっちにきてみてね~」


 そう軽く言うと彼は建物に戻っていった。


「無責任に見えるかもしれないが、彼はああ見えて素直じゃ無いだけで面倒見が良いから」


 カワカミさんは苦笑いしながら言った。


「彼なりのポーズなんだろうね」


 挨拶周りも終わり運河沿いのアムステルダムシティに近い場所にある小さな建物を選んだ。

 カワカミさんに礼を言って別れ、建物の中を片付ける。


 ホテルアムステルダムにマットの予備を貰いに行き、アサコさんとシブヤさんにすむ場所を報告していると夕方になっていた。


 なにか色々ありすぎて昼ご飯を食べていなかったと気づく。


「イチゴ昼ご飯食べるの忘れてない?」


「うん、忘れてたね・・・」


「夕ご飯とかお風呂とかどうしょっか?」


 そんな事を話してると表に面したドアをノックする音が聞こえてくる。

 表に出るとシブヤさんがいて「お前ら飯食い行くぞ」っと声をかけてくる、部屋に戻りイチゴに声をかけシブヤさんについて行く。


 歩きながらシブヤさんが話しかけてきた。


「アムステルダムシティで、だいたいこのくらいの時間になると、ミライちゃん達が配給やってるから食いっぱぐれないようにしろよー。

 一応、朝と昼もやってるけど探索班は明日から探索範囲を広げる予定だから、アトラクションタウンに弁当が朝には届く事になっている」


 イチゴと二人で「分かりましたありがとうございます」と返事をすると彼は照れ臭そうに笑いながら歩いていく。


 話しているとアムステルダムシティの広場に着いた。

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