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痛み

作者: 彩希宮羽月

ある所に、走ったり。踊ったりするのが大好きな少女がありました。

心の優しい両親に愛されて、目に見えないお友達の声を聞き幸せを感じて生きておりました。


けれども、ある時…

起き上がった少女は、全身に痛みが走りました。

血液の中にガラス破片を放り込まれたかの様な痛みが断続的に襲います。


踊ることも、走る事も出来ない。

愛おしい筈の両親すらこの痛みをわからないのだろうと憎む心すら湧いてきました。


心配した両親は、町医者に見せます。

けれども、異常は見つかりませんでした

『なにかストレスがあるのかもしれません…』

そう言って心の問題だと医者は沢山の薬を出して愛してくれる両親のせいにして出て行きました。


違うのに、違うのに…そんなの違う。

私にはわかっている、悪い妖精さんが私の体の中に入って沢山魔法を使って痛みを与えているだけ。

表に見える筈ない、見ようとしない人に見える筈がないのに両親のせいにされて、鈍痛に拍車が掛かりました。


誰にも理解されないと思った笑顔が可愛らしい女の子は、医者の言葉を聞いてから絶望し、膝を抱えただ座るだけの時間を多く過ごしていました。


ある時、少女は気付きました。

痛みを感じているのは、自分のことを否定されたからだ。痛いと言っているのに数値に出ないだけで否定されて、両親を否定されて何もかもを否定されているのに。自分が痛いということを否定してどうするんだろう?


『そっか、いいんだ』

誰が信じてくれなくても、痛いと思っていて良いんだと思った瞬間に悪さをしていた妖精は、顔が自分自身にそっくりになり笑顔で抱きしめてくれました。



昔々のお話……

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