俺は殴りヒーラー、殴る!癒す! ・・・あの、やり過ぎでは?
評判よかったら連載しようか考えてます。
俺は殴りヒーラー、殴る癒す! ・・・あのやり過ぎでは?
俺はフィスト!田舎の村の孤児院に暮らす一流冒険者を夢見ている、明日は儀式の日、12才になると神官から適性の祝福を授かる日。この世界では適性が成長に大きく左右される。鍛練で覚えることもあるが能力は低い。聖剣の適性を得れば王都で剣聖となり。魔導の適性で賢者と呼ばれた偉人になった人もいた。逸材を発掘するために孤児でも少しお布施を払えば受けられるので院内で今年の12才の子は村の集会場にて授かる。
ふふふ、きっと凄いのを貰って必ず一流冒険者になってやる。目指せ未来の英雄!
「お兄ちゃんまだ起きてるの?早く寝ないと明日遅れるよ。それに院長先生達に怒られるよ。」
「ごめん。」
2才下の妹のカナリアだ。といっても血の繋がりはない。同じ日にこの院に来ていつの間にかお兄ちゃんと呼んで俺を気にかけてくれている。
黒髪黒目の俺と違って金の髪と青い目の美少女だ。将来はきっと美人になるだろう。
これ以上はカナリアに迷惑だな。まだ眠くないが横になろう。
「貴方の適性は・・・ヒールです。え?何ですかこの適性?回復魔法とかじゃなくてヒールのみ?こんなことははじめ・・コホン、えーと・・・己の適性と向きあって精進してください。では次の方が控えてますので。」
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・・
・・・は?
え?ヒール?
「ぎゃはは!ヒールだってハズレじゃん。それでどうやって一流冒険者になるんだよフィスト。俺のように剣術ならよかったのにな。ぎゃはははははっ!」
俺を笑うの子は俺の前に祝福を受けた友達のコザ。
「笑っちゃダメだよコザ君、ヒールでもきっと役に立つよフィスト。」
フォローしてくれる子はトザイア
「しかしトザイア、コザはともかくフィストのでは僕たちと冒険者になるのは難しいよ。回復なら君がいる。フィスト諦めも肝心だよ。」
トザイアを諭すのはメツキだ。四人でお金を貯めて冒険者になろうって誓った筈なのに。
トザイアとメツキは稀にしか授からないのを貰ったらしいが今の俺はそれどころではない。
「お兄ちゃん・・・。」
カナリア・・・
ちくしょう。
ちくしょう。ちくしょう。ちくしょう。ちくしょう。ちくしょう。ちくしょう。
ちく
ちく
ちく
ちく
ちく
ちく
ちく
ちっくしょーーーーう!!
俺は集会場を飛び出した。
●2年後
私はカナリア。孤児院で暮らしてる女の子。今日は祝福を授かるために集会場にやってきました。でも私は心は上の空でした。2年前に適性を授かった後に行方がわからなくなったフィストお兄ちゃんの事を思い出すからです。お兄ちゃん・・・・・・元気かな。
「おおっ!この娘は素晴らしい!適性が3つ。しかも2つは英雄の可能性があるものです!」
「え?え?」
私の番になると神官さんが驚いています。
「まぁ、カナリアが?本当ですか?」
院長先生が確認します。お兄ちゃんがいなくなって落ち込んでいた私を励まし元気づけてくれた恩人です。
「はい!この娘の適性は聖武具と魔導、そして直感ですね。ここまで適性に恵まれた子は過去に例にないでしょう!いかがですか、この娘を王都の施設で適性を活かす生活をするというのは?もちろん費用は全額こちらで負担いたします。この娘は必ず将来英雄になるでしょう。」
興奮しなが神官さんが院長先生に詰め寄っています。
ですが
「お、お待ちください。この子は兄と慕っていた子が行方不明でまだその心の傷が癒えていません。そのような時に生活環境が変わるのは賛同しかねます。少し考える時間を頂けませんか?」
「・・・院長先生。」
「そんな悠長な!今この瞬間にも苦しんでいる民がいるかもしれないのです。その方々を助けるために是非英断を!」
神官さんも引き下がりません。
「・・・カナリア、貴方の気持ちを教えて。まだ答えられないなら正直に言ってちょうだい。大丈夫よ、どんな答えでも私は構いません。」
「わたしは・・・「た、大変だ!」」
突然村の男性が慌てて飛び込んできました。何かあったんでしょうか?
「魔物だ!オーガがこの村を襲ってきたんだ!」
「「「!?」」」
集会場から出た私が見たのは遠くに大きな怪物がたくさん村に迫ってきている光景でした。
オーガ・・・・・・大きな体で人や家畜を襲って食べる鬼だと聞いています。数は10や20ではなくもっといると思います。オーガは多くて数体でいることがあると聞いたことがありますがこれはおかしいです。何かが率いているとしか考えられない数です。
「ひぃぃぃっ、な、何ですかこの数のオーガは!?この村はこんなにオーガが現れるのですか?」
神官さんがすごく動揺しています。そして神官さんは何か閃いたように私に顔を向けました。。
「そうです。貴女なら・・・貴女ならこの事態を解決できる筈です!」
「無理ですこの子には。争い事とは今まで無縁だったのですよ。」
「いいえ!あんなにすごい適性を授かったのです。きっと解決してくれます。・・・それにこのままでは甚大な被害が出ます。少しでも生存者を増やすために行動するのです。」
「ですが・・・!」
院長先生・・・
「私・・・やってみます。」
「!?カナリア・・・あなた・・・。」
「おぉ!!やってくれるのですね流石は未来の英雄です!」
私カナリアはフライパンを持って大きな音のする方に向かっています。きっとおそらくそこに魔物の群れがいるからです。集会場にいた人たちは私に任せて避難してもらいました。院長先生だけは反対していましたが他の村人たちが連れて行きました。
手が・・・足も震えている。当然ですね。剣なんて持ったことないのに。
でも・・・院長先生に怪我とかしてほしくないし、お兄ちゃんと暮らしたこの村が荒らされるのはイヤ。・・・うん、難しい考えることはないですね。私の戦う理由なんてそれで充分。・・・お兄ちゃん。
煙の上がった建物から現れたのは3,4Mはありそうな巨体の怪物。硬くて強そうな身体、そこには返り血がついていました。
あ・・・・・・これダメだ。私じゃ敵わない。襲われて殺られてきっと食べられる。
・・・・・・・・・あれ?
不思議。どうしてだろう?そんなことが頭の中にありました。だて目の前には
さっきまですぐ目の前にいたのに見るとうえ半分がないオーガがそこにはいたから
「大丈夫かカナ?いや、この場合久しぶり・・・か?」
そして久しぶりに私を呼ぶお兄ちゃんがいたからです。
「え?お兄ちゃん・・だよね?」
私をカナと呼ぶ異性は一人だけ。
「ああ、しかし驚いたな、久しぶりに帰って来たら村が大変なことになってるしカナは魔物に襲われそうだったしな。背が伸びててもすぐわかったぞ。カナ、怪我はないか?」
「う、うん。大丈夫。」
まだ頭の中が混乱していて上手く返事ができませんでした。
「カナ、ドーラ院長や院の皆は無事か?」
「無事だよ。皆避難してるはず。・・・お兄ちゃん。危ないから私と一緒に避難しよ?」
「そうか、よし!さっきの奴らを全滅させるぞ!」
「へっ?」
「カナは俺の後ろをついてきてくれ。」
「な、何言ってるのお兄ちゃん?」
お兄ちゃんがおかしくなっちゃったよ~!!!
「いくぞ~!」
聞いて!私の話!
走り出したお兄ちゃんとそれについていく私。すぐにオーガに遭遇します。
「あ!お兄ちゃんあぶな『バキッ』へ!?」
遭遇したオーガは顔がなくなりました。
「お、お兄ちゃん何したの?今?」
「殴った。」
「はいぃ?」
疑問を投げたら答えにさらに疑問が増えちゃったよ。
●フィスト視点
2年ぶりに村に戻って来たら村がオーガに襲われていた修行の成果を試すにはいいがまずはカナリアやドーラ院長の無事を確認しないとな。死んでないよな。
村を散策しているとオーガに襲われていた女の子がいたから強化した拳で殴ってオーガをブッ飛ばした。うん、問題ないな。
襲われていた女の子は偶然にもカナだった。背が伸びててもすぐわかったぞ、よかった無事だった。
カナから院長も避難したらしいからまずはオーガたちの勢いをなくして被害を減らそう。
その途中カナが質問してくる。
「お兄ちゃん今まで何してたの?オーガを殴ってやっつけるなんて普通じゃないよ。」
「ひたすら鍛えた。」
「短い!説明が雑過ぎ!」
そうは言ってもなぁ。あと走りながら喋ると舌噛むぞ?
「そのままだしなぁ。拳を強化して「グオ?」こう。」
ボッ!「グぴゃ!?」
「な?」
「な?っじゃない!実演されても理解できない!それに今オーガに触れてなかったよ。なんで倒せたの?なんで何でナンデ?」
「拳圧を飛ばした。」
「そげんこと言われても納得できんとばい!」
カナ、オーガに襲われて興奮してるのか?少し言葉が変だぞ。
数分後
「あ!お兄ちゃん、あそこに倒れている人がいるよ。」
カナが指差す方向に男の人が血塗れで倒れていた。足元に鍬が落ちている。たぶんオーガと戦ったのだろう。
「うぅ・・・・・・。」
「まだ生きてるよ!でも急いで治療しないと。」
「そうだな。」
「え?お兄ちゃんなんで拳を構えてるの?治療だよ?・・・あ、ちょ、待って「ヒール。」」
俺は怪我をした男性に軽く拳を当てた。治癒の光が男性の身体を包む。
「う、俺は確かオーガに・・・。お前らは孤児院の子か?どうしてここに?」
「な、治った!?ヒールしたのはわかったけど何で殴ったのお兄ちゃん!?」
「こうした方がよく効くんだよ。・・・・たぶんな」
「イミフ!!意味不明だよお兄ちゃん!!!」
「お、お嬢ちゃん落ち着きな。俺は大丈夫みたいだから」
「そうだぞカナ」
「お兄ちゃんのせいだからね!!!?」
俺とカナは男性に事情を説明して避難をお願いした。心配でついて来ると最初言ったがカナが説得していた。
・・・なぜ説明しながら目に元気がなくなるんだ?
そして俺とカナは群れの中心がいる方に向かった。途中オーガが出てきた気がするが面倒だから数えてない。その度にカナが無表情になっていく気がする。
●カナリア視点
私と (主にというか全部)お兄ちゃんがオーガをやっつけながら進むとオーガがたくさんいる場所にたどり着きました。
その中に一匹だけ他のオーガより異常なオーガがいました。
あれはマズイです。他のオーガの何倍も強い気配が感じられます。身体は他のオーガより小さいですが秘めた力は他のオーガよりずっと上な気がします。適性を授かったからでしょうか魔物の危険度が直感で察知できるようになったみられるたいです。
「何だ貴様ら?俺に喰われに来たのか?そのわりには喰いごたえの無さそうなガキに筋張ってそうな男か・・・食欲が沸かんな」
「オーガがしゃべった!?」
「ふん、この我を他のオーガと一緒にするなよ小娘。我はオーガを超越した存在。オーガエンペラー!!全ての魔物と人間どもを蹂躙し支配下にしてやるわ!この村もな!フハハハハハハハハハ!!!」
「エンペラーって付けただけでオーガに変わりないじゃね?」
お、お、お、お、お、お、お、おおおおお兄ちゃーーーーん!?!?!?
何言ってやがりますのですか貴方はーーー!?
ほらオーガエンペラーが笑うの止めてこっち見てるよ!超見てるよ!たぶんお兄ちゃんをガン見してるよおおぉ!??
「恐れを知らない人間は幸せだな。オーガどもあの男を殺せぇい!!」
「お前以外のオーガは皆倒した。」
「なに!?」
見るとオーガエンペラー以外の近くにいたオーガは既に倒れていました。
「貴様いつの間に!?」
「お前が喋りながら笑ってる時だよ。」
「「えええええぇぇぇぇーーーー!!!??」」
「・・・さて、残りはお前だけだ。降伏するか?」
「み、見くびるなよ小僧!!殺してやる!かかってこい!!!この俺を怒らせぺひゃ 」
・・・オーガエンペラーの頭ふっ飛んだ。
・・・あ、頭が治ってく。
「ぷはっ、・・・き、貴様!!よくもやってくれたな!!!」
「いや、かかってこいって言ったじゃないか。」
言う方もだけど殴るお兄ちゃんもアレだよ。
「しかし残念だったな。我には優れた再生能力がある。手足どころか頭や心臓、魔核が残っていればすぐさま元通りよ。」
「・・・核?」
「魔物や魔族が有する心臓とは別の器官だ。知らんのか貴様。」
「おう、知らん!つまりお前を倒すなら一瞬で身体を全部吹き飛ばすしかないということか。」
「ふん、もう油断はせんぞ小僧!やるものならやってみるがいい!
」
「じゃあ、遠慮なく。」
お兄ちゃんが構えた。
「オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!オラ!」
「ひでっ!!・・・ぶっ!・・・あべっ!!・・し!・・・くぁwせdrftgyふじこIp・・・!?」
えーと・・・何てあらわせばいいのかな・・・オーガエンペラーがパン生地か粘土の塊を全方位から殴ったみたいな形になったら粉々・・・塵芥になって霧散してなくなりました。
私はお兄ちゃんを見て
「お兄ちゃん・・・何したの?」
「殴った。」
ですよねーーーー!!!!!って何ですかその「フッ、見たか」と思ってるような顔は!!?
その後
お兄ちゃんが出会うオーガを瞬殺でした。説明が雑?いえ、そのまんまの意味です。
村の被害を確認しながら避難場所に向かったら他には家屋が壊されてはいたものの人的被害はありませんでした。よかったです。
ん?
・・・お兄ちゃん何で地面に向かって構えてるの?
「ヒール」
ドスン!
・・・Oh!なんということでしょう。お兄ちゃんが地面を殴ったら壊れた家屋が癒しの光に包まれて治ってしまいました。まるでヒールのびっくり宝石箱です。
「そ、そう言えばお兄ちゃん、本当に今まで何していたの?それにどうして突然戻って来たの?」
「さっきも言ったが鍛えていたんだよ。それから・・・夢だった冒険者になるためにな。」
あぁ、お兄ちゃんの夢は変わってなかった。
・・・でも変なところは変わった気がするYo。
「・・・うん、決めた。お兄ちゃんがいろいろやり過ぎないように私も冒険者になる。」
こんなお兄ちゃんを野放しにはできないです。
こうして後に世界に大きな影響を与える二人の旅立ちが始まった。
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