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十年越しの欲求不満

「ゲームがしたい!」


「うわぁ!?」


「ひゃああ!?」


九月も半ばに差し掛かりうちわがなくてもそこそこ涼しくなってきた日のお昼過ぎ、カリカリと机に向かい宿題をこなしていた俺は唐突にそう叫ぶ。


「びっくりしたぁ」


「もー、いきなりどうしたのさよーちゃん」


「いや、ちょっと内なる衝動に駆られて……というか何二人共自然に私の部屋に平然と入り浸ってるのさ」


しかも俺気が付いてなかったし。


「いやー、なんか千代ちゃんの部屋凄く居心地いいから……」


「そうそう、なんか落ち着くんだよねー」


なんじゃそりゃあぁぁ……


「いやまぁ私が部屋貰った二年前の頃からの事だしもう慣れたけどさ」


「ふふふ、観念なさーい。じゃなくて、さっきのなんだったの?」


「いやぁー、ちょっと内なる自分が抑えられなくて……ほがっ!?」


「ちゃーんと答えなさーい」


「適当にはぐらかす悪い子はこうだ!」


「もはー!ほはっは!ははふ!ははふはひゃ!」


適当な言い訳をしていたからか、お姉ちゃん達に両側から片方ずつ頬をむにぃっと引っ張られた俺は、頬を膨らましつつも呆気なく抵抗を辞めたのであった。


痛いなぁもー……!まぁ別にいいけどさ。

さてどう説明したものか……まさか「携帯ゲームとかネトゲがやりたいから」なんて言えるわけ無いしなぁ……


「それで、宿題やってたのにいきなり「ゲームがしたいー!」なんて叫んじゃって、どうしたのさ?」


「その千代ちゃんが持ってる人生ゲームじゃダメなの?」


「あれもゲームだけど、そうじゃないというかぁ〜!」


伝わる訳ないよなぁー!あのコントローラーをカチャカチャやって画面に向かってゲームするとか!


不思議そうに聞いてくる姉達を前に、俺は手をゲームのコントローラーを握ってる時の様に動かしつつ、姉達との間に置かれた人生ゲームを見ながらそう思うのだった。


「えーっとこう……もうちょっと凝ってるやつというか、こういうアナログなのじゃなくてデジタルな奴を……」


「あなろぐ?」


「でじたる?」


分かってたけど伝わりゃしねぇ……そりゃそうだよな、まだ携帯ゲーム所か家庭用据え置き機すら無いもんなぁ……ゲームステーションとかもある訳ないし……

あぁもう!思い出したから余計やりたくなってきたじゃんかぁ!


「えーっととりあえず、千代ちゃんは何か凝ってる遊びをしたいの?」


「うん、まぁ、もうそれでいいです」


「うーん……千保ちゃん何かいいの無い?」


「そうだなぁ……あっ!そうじゃん!アレあるじゃん!」


「「アレ?」」


「そう!新しい物が好きなお父さんのいる子から貰った奴なんだけどね、えーっと確かこの辺りに……あった!」


アレと聞いて首を傾げる俺達を置いて隣の自分の部屋へと走っていった千保お姉ちゃんを俺達が追いかける。

すると千保お姉ちゃんは可愛らしい俺の作ったぬいぐるみや人形、クッションで一杯の自身の部屋でガサゴソと押入れを漁っていた。

そしてそう言って千保お姉ちゃんの引っ張り出てきた物は────


おもちゃの箱?にしてはなんだか人が沢山……あっ。


「いやぁー、ウチもこう新しいの好きだから貰っちゃったんだけどなかなかする機会が無くって」


ま、まて!その英語表記の箱!それに赤青黄緑の四色!


「にしし、人数も三人からって聞いてたから丁度いいし。それじゃあ二人共〜」


それは、それは────


「レッツ、ツイスター!」


あの男女をくんずほぐれつさせ令和にまでその衝撃を伝えた伝説のゲーム、ツイスターゲームであった。

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