修学旅行の夜・前編
皆さん今年もありがとうございました!
今年最後の投稿です!楽しんで行ってくださいね!
「なんか……凄かったな」
「まぁ、うん。あれも旅の醍醐味ってやつさ……多分」
「ぐにゅぐにゅで、むにゅむにゅだったぞ……」
「あれは……あんなのはステーキじゃない……」
「うぅ……油ギトギトで気持ち悪い……」
二日目の夜、泊まる予定だったホテル近くのレストランに学年全員でご飯を食べに行った俺達は、お世辞にも美味しいとは言えない人工肉感たっぷりなステーキを食べた後、とぼとぼとそう料理の愚痴を言いながらホテルに帰っていた。
「消灯って何時だっけー」
「確か十時半だね」
「じゃあ今七時だから、お風呂で一時間くらいかかるとしたら自由時間は一時間半がいい所かな?」
「なぁ三人共、前から思ってたんだが」
「「「んー?」」」
「女子ってなんでそんなに風呂長いんだ?」
「あ、それ僕もちょっと気になる」
何かと思えばそんな事か。いやでも男からしたら割と謎ではあるか。俺も前世じゃ謎だったし。
「んー……まぁ、単純に時間かかるから?」
「だねー。髪の毛はもちろんだけど体洗うのにも時間かかるし」
「綺麗にやさーしく洗うんだぞー」
お風呂前の少しだけ空いた時間、そんな風に他愛もない話でしばらく盛り上がった後、またここで雑談しようなんて話しながら俺達は風呂の時間になり別れるのだった。
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「腕、背中、後胸がまだ濡れてる。拭き直し」
「んなぁーいー。ちよよーんまたダメだったぞー」
「ったくもー、ちゃんと拭かないから。ほら、拭いてあげるからバンザイして」
「ばんざーい」
「叶奈ちゃんってほんとこういう所大雑把だよねー。あーもうほら、おっぱいの下とかもこんな濡れてる」
「胸……胸…………」
ホテルの広いお風呂場の入口、自分の胸に手を当てて何か呟いてる綺月ちゃんの横で、先生にもう一度体を拭き直せと戻された叶奈ちゃんをわしゃわしゃと俺は拭いていた。
「はい、後ろ向いて。うん、伊部さん宫神宮さん花宮さん出てきていいわよ」
「「「はーい」」」
「先生の判定厳しすぎるぞー!もうすっかり湯冷めしちゃったぞ!」
「私達は一発だけどね、ねーちよちー」
「ねー」
「むー……あっ、そういやこんな事あったよな二人共!」
「ん?何ー?」
「ほら、昔さ!皆でお泊まりした時に一緒にお風呂に入っただろ?」
「あー、あったねぇー」
「懐かしいなぁー。流石にもう三人一緒は無理だもんねー。それでそれで?」
「その時さ、ちよよんが叶奈達の裸見てすっっごく恥ずかしがってたよな!」
「!?」
「あー!あったあった!確かちよちー私達に触る所か見るのすら恥ずかしがってたよね!」
「ちょっ!二人共!」
風呂場から脱衣場へと戻って来た後、今日の寝間着であるブルマに着替えながら雑談していた俺は、突然昔の俺のそんな話題を出され、着替えも途中に二人の間に割って入る。
「んもー何さちよちー」
「せっかく楽しくお話してたのにー」
「私が楽しくないっ!それにあの頃の私は……」
「私は?」
「……裸見せるの恥ずかしかったのっ!」
「ほんとかー?」
「ほんとほんと!」
あっぶねぇー……まだ中身が純粋に男だったって言いそうだった……危うくまた俺が男だったってバレるところだった…………
「ところでさちよよん」
「ん?」
「なんだかその格好、すっごくえっちだぞ!」
「へ?ちょっ、見ないでよっ!」
こうして俺達の修学旅行二日目の夜はゆっくりと深まっていくのでした。
後編へ続く────
と、いった所で今回も「昭和TS」を読んで頂きありがとうございました!
いやぁー今年もあっという間でしたね。
皆様からの沢山の感想、ブックマーク、評価、そんな素敵なもののおかげで今年も1年投稿し続けることができました。
改めてこの場でお礼申し上げます。
今年はこの「昭和TS」を読んで頂き、本当にありがとうございました!そしてこれまで以上に面白く、可愛く、ほのぼのとした作品を書いていきますので、どうか来年もこたつを、そして私の作品達をどうかよろしくお願いします!