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ちょっと意外な事

「花宮さん好きですっ!付き合ってください!」


「あ、そういうの興味無いの。ごめんね?」


 二学期に入ってから数日が経った日の事、靴箱に入っていた「放課後体育館裏で待っています」という手紙を読んだ俺は、そう言ってきた野球部の少年を容赦なくフっていたのだった。


「皆ただいまー!いやぁー、中学生になってから初めて告白された気がするよー!」


 中学生での告白は前世込でするのもされたのも初めてだけど、いやぁー!まさかあんなにドキドキするだなんて!


「青春だー……青春だねぇー……で、なんで礼二は五体投地してるの?」


「いや、気にしないでくれ」


「流石だぞちよよん!あの男子だけじゃなくてれーたろーにもダメージ与えるなんて!」


「ちよちーはもうちょっと意図を汲み取るようにしよっか」


「?」


 俺なんか礼二が傷つくような事言ったっけ?


「でもあれで良かったのかなぁ……興味もないし、そもそも名前も知らないレベルで付き合うのは流石に失礼だと思って断ったけど」


「んー、問題はないし、情で付き合うよりは遥かにいいと思うけど……にしてもバッサリいったよねー」


「告白されてから断るまでに一秒も間なかったぞ!」


「もう少し勇気出したんだから慈悲かけてやれよ」


「だって興味なかったんだもん」


 体育館裏から戻ってきて数分後、体育館二階で見守ってくれていた三人と合流した俺は、三人の様々な反応を聞いて盛り上がっていた。


「そういや二人って告白された事あったっけ?」


「私はないなー」


「へー、ちょっと意外」


 綺月ちゃんの方こそ告白とか沢山されててもおかしくなさそうなのに……


「……と思ったけど、そうでも無いか。綺月ちゃん男の子苦手だもんね」


「えへへへへ、実はラブレターとかなら何回か貰ってるんだけどねー。やっぱり怖くって」


「みやみやもそろそろ男の子と仲良くなる練習しなきゃだな!」


 確かにそろそろ男の子慣れしないと高校とかもし俺達と別の所に行く事とかになったら大変そうだもんな。


「わ、わかってるよぉー!そう言うかなちーこそどうなのー?!」


「叶奈かー?告白された事あるぞー!」


「「「えぇっ?!」」」


 叶奈ちゃんのやり取りをしていた当の本人たる綺月ちゃん、そしてそれを微笑ましげに眺めていた俺と礼二の三人は、その余りにも意外な情報に驚きの声を上げる。


「ちなみにこの間まで付き合ってたぞ!」


「「「えぇぇっ!?」」」


 うっそ!?この中で一番男っ気の無い叶奈ちゃんが?!マジで!?


「ち、ちなみにいつから……」


「んー?確かこの間の彼氏は学校始まってからー……かな?」


「けっ、結構最近だ……ん?でも付き合ってたって」


「昨日別れたぞ!」


「すっぱりしてんなぁ……ちなみに理由は?」


「合わなかったからだぞ!だって遊んだりしないし、叶奈の家に行くとか家に来てばっかりだったからな!ちなみに二日で別れた!」


「ぶっ!」


「「あぁー」」


 まぁ、うん。あんなドデカいのもってながらあの気軽さだもんなぁ……そりゃあ狙われるよなぁ。


「叶奈ちゃん、次から告白された時はその場で承諾する前に私達に相談してね?」


「?分かったぞ!」


 こうして、叶奈ちゃんの意外な事を俺はいきなり知ったのであった。

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