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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
剣と魔法の時代
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初めての実戦

匍匐前進で、外壁にたどり着く、ゆっくりと壁から足を下ろす。


外壁の縁を持ち懸垂の要領で足元に出っ張りを探した。


両腕が伸び切った状態でようやく2cm程度の出っ張りを見つけた。


外壁の隙間に短剣を差し込む。一歩左へ、短剣の場所を変えて、一歩左へ。


吸音の魔法のおかげで音はかき消されている…はず。


30分かけて、ターゲットがいるであろう位置にたどり着く。


この位置から上がれば、柱を挟んでターゲットの近くに出れれる。


外壁の縁に手をかけて、懸垂の要領で床に上がり、柱を背にした。


恐らくターゲットも柱を背にしているはずだ。


暗殺の証拠として、冒険者の場合はネームプレートが喜ばれるのだが…。


スルスルと柱を回っていく。ターゲットの足が見える。


いつでも外壁から突き落とせるよう考慮しながら、もう少し進む。


疲労により寝ているようだ。ネームプレートはネックレスタイプだ。


俺はネックレスに手をかけて引き千切る。残念ながら衣服の中に入ってしまったようだ。


勿論ターゲットは起きるが、ターゲットの顔面に膝を入れた。


吸音のため悲鳴も骨折音も聞こえない。ターゲットは顔面を両手で抑えているため、腹部ががら空きになる。


そのまま力任せにつま先で鳩尾を蹴り上げる。こちらの右足の指は何本か折れたが構わない。


ターゲットが前のめりになったところを、脳天かかと落としで頭蓋骨と首の骨を折る。


ターゲットの衣服に手を入れ、ネームプレートを手に入れた。


念には念を入れて、死体を外壁から落とす。


鎧の腰部分に隠してあるアイテムボックスから半分になった転符を取り出すと、また破り捨てる。


転符は一瞬にして燃え、灰は風と共に外壁の下へ消えていく。


俺は破った瞬間に、転符の半分を貼り付けておいた床に転移していた。


「まぁ、及第点じゃの。さぁ、帰るとするか…」


爺さんと共に、石橋の下側を進む。この下側は闇組織たちが作り上げた秘密のルートだ。


冒険者の街フィレオから南に4日先にある王都リゼン。そこから南に5日の位置にある商業都市オハロまで徒歩で帰る。


「既に高価な触媒を2つ使ったからのぉ。それに旅の練習と運動のためじゃ」


オール・グランという爺さんは、暗殺者ギルドへは報告するため、先に転符で帰ってしまった。

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