解き放たれた小悪魔たち
ここは闇市内にあるカフェ・ド・ヤミイチ。
「しかし、パーティーは4人と規定されているではないのか?」
テーブルに足を乗っけて、瓶ビールを飲みながら、偉そうに質問してくる…。
「あぁ、それに関しては、俺に考えがある」
スルー力の高さに定評のあるグレッドは目的以外は気にしないようだ。
「MTを冒険者の街フィレオで見つける、そして、こいつがSTだ」
クイッと親指で俺を指すグレッド、俺は異議を申し立てる。
「おいおい、俺がSTって、イレーゼに背を向けるのは無理だ」
「はぁっ? お前ごときに、俺が背中から狙うだと? ざけんな、お前など…正面から…」
俺はイレーゼを制し「違う。そっちの意味じゃない。イレーゼの場合、敵だろうと俺だろうと雑魚扱いして、面倒だからと言って、適当に撃ってきそうという意味だ」と説明した。
「あぁ…それなら…あるかも…な」とイレーゼも納得する。
「おい、納得するなよ…」と俺はツッコんでおいた。
「まぁ聞け。敵と最初に当たるのはMTだ。MTを素人にすることで、俺達の力もセーブされるってわけだ。まぁMTが殺られそうならSTやイレーゼが上手く調整してくれ」
「てことは、先に進みたければ、MTを育てろと?」
「あぁ、そうなるな」
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事が決まれば、すぐ行動だ。俺達は所属するギルドに許可を得て、暗闇の中街道を進む。
黒い外套と白く赤い線が十字に入った面はノクターンの俺。灰色の外套に猫の耳が付き髭が描かれた仮面がグレイキャットのグレッド。青に白の稲妻が刺繍された外套に青一色の仮面はルシファーのイレーゼだ。
勿論、食料など何も持ってきていない。まぁ、保存食はアイテムボックスにあるのだが…。
まずは王都リゼンまで4日の日程になる。早歩きの三人は、グレッドの腹の虫が鳴ったことで、休憩の時間だなと考え始める。
「フッ。丁度良い」エルフのイレーザは、暗視だけではなく遠目としても優れていた。
ロングボウを構えると、問答無用で矢を射る…。
おいおい、遺体検死で武器の種類から足が付くのに…お構いなしかよ…。
放たれた矢は、野営している商人の護衛の頭部に突き刺さるが、この位置から見えているのはイレーザだけであろう。
「ほら、さっさと行け、残り5人だ」




