ノクターンの部屋
商業都市オハロ。その西部の一角を占める貴族がウィリー家のクラリス女男爵だ。
俺はその西部の一角にある貧民街の家に入る。中には複数のゴロツキが酒とギャンブルに興じているが、お互い無干渉で通り抜ける。
行き止まりの簡易便所の壁をスライドさせると地下階段が現れる。地下階段は暗闇だが、移植されている眼球の暗視能力によって、問題なく階段を下りていく。
何もない通路を1kmほど進むと、太い鉄の格子のドアに見えてきた。俺はノクターン公認のプレートを皮の鎧の腰部分に隠してあるアイテムボックスから取り出すと、格子に組み込まれている魔石にかざす。
ガチャンと大きめの音がすると、格子が横にスライドする。そのまま通り抜けると小部屋にたどり着いた。
「相変わらず不潔」一人の犬亜人族の少女が出てくる。年は14才と言っていたな。俺より年下の分際で、うるさいガキなのだ。
「マータン、駄目でしょ。一応、ノクターン様の玩具なんだから。尻尾タレすぎですよ?」
また別の亜人、今度は兎人族の少女が出てくる。こちらは18才と言っていたな。
「だって、こいつ、臭いんだもん。ほら、早く拭く脱げ、化物っ!!」
皮の鎧と下着を脱ぐ。「これは大事なものだ。勝手にいじるなよ」と忠告しておく。
「触りたくないから、この木箱に入れておいて」マータンは鼻を塞ぎながら箱を出してきた。
「さ、ちゃっちゃと、洗いましょうね」
棒の先に布が挟まれただけの道具で俺を洗い出す。一応、洗剤は高級な部類を使っているらしく、泡立ちは良い。後は体に着いた水を拭き取るだけなのだが…。
「うわっ。こいつの体って、気味が悪いんだよね」
「マータン、いい加減にしなさい。失礼です」
完全に水を拭き取ると、灰色のローブを渡される。
「本日は、ノクターン様が、直にお話を聞きたいとのこと。マータン案内を」
それから迷路のような地下施設を30分ほど歩き、金色に飾られた大きなドアを開ける。
マータンは、案内したからなと、とっとと引き返した行った。
ドアの豪華さとは、かけ離れた部屋。血しぶきが乾き、そのまま壁の模様になっている部屋だ。
「どうじゃった? 裏と表、そつなくこせそうか?」
一糸纏わず、ただ返り値を浴びて光り輝く、女性が話しかけてきた。
跪き、「成果が出るまで、お時間を頂きたく…」と答える。
「ふむ。それは、そなたの問題。お前の情報が欲しい、ここに寝ろ」
女性は石のベッドに寝転がる死体を落とし、コンコンと石のベッドを叩く。
仰向けに寝ると、何も言わずに、アイスピックのような物を4つ体に挿してきた。




