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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
剣と魔法の時代
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リ・ポップ・カーニヴァル

砦は生きている。


巨大カルデラの最奥に佇む黄金の城が生み出す無限の魔力、それに砦が耐え切れなくなる前に砦は、魔力を魔物として次々と召喚する。魔力が枯渇するまで…。


それが冒険者たちが恐れる強制イベント、”リ・ポップ・カーニヴァル”である。


またリ・ポップ・カーニヴァルを事前に予知するのは不可能とされている。


その強制イベントが、今始まろうとしていた。


深夜2時を過ぎた頃、第三層の入口付近の安全地帯が解除された。


安全地帯の結界は、視覚や感覚で機能しているかが、わかるわけではない。


つまり結界が消えたことに気付くものはいないということだ。


冒険者たちも過去の経験から、安全地帯の結界内で休憩していても、注意を怠るべからずと肝に銘じていた。


それでも突然周囲に湧き出したゴブリンに為す術もなく撲殺され始める冒険者たち。


俺のパーティーで、いち早く気付き戦闘態勢に入ったのは人間のフィルだ。両手槍を手に持ち、俺達のテントで寝るエルフのヴァルレルを足蹴にすると、ゴブリンたちを威嚇する。


MTのドワーフのモドーラが、盾と剣を構えてフィルの前に立ちはだかり、パーティーとしての体型は整う。しかし敵のゴブリンは全方向にいるため、後衛の俺やヴァルレルを守りきれないと判断して、第二層への撤退を決意する。


撤退の理由は、遮蔽物の少ない第三層よりも、第二層は迷宮になっている分、壁を利用して前後からの攻撃に集中できるからである。


しかし、それは背水の陣でもあり、敵が集中することや退路が限られることなどの理由により、さらなる撤退は不可能となる場合が多い。


「迷っている暇はないぞ」


ドワーフのモドーラが、迷宮の置くから聞こえる音に気付く。


第三層の奥や中方付近で、野営していた冒険者が地上へ逃げ延びるため、とんでもない数のゴブリンを引き連れて、こちらの向かってきたのである。


「待て、モドーラ、あの数で第二層に入ったら、身動きが取れないまま嬲り殺されるぞ」


フィルがモドーラを止めるが、「一瞬の判断ミスが死を招くのじゃ。着いて来い」とゴブリンをなぎ倒しながら、第二層の階段を駆け上がる。


第二層への階段は、他の冒険者とゴブリンたち乱戦状態となっており、パーティーは分断されてしまった。


流石の中級冒険者も、次々ポップするゴブリンたちを三体も同時に相手にすると、俺の護衛も難しくなるのだ。


俺は、そっと階段を降りて、逃げるタイミングを見極める。


逃げる場所は砦の外。オール・グランという爺さんに連れられてきたカルデラ内部の出っ張る岩場に、第三層からよじ登れるのだ。


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