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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
火薬と銃の時代
112/127

本能

悪魔の力と、冒険者時代に鍛えた弓と、魔法。これだけの力があれば、腕試しをしたくなる。


「勿論、駄目でこざいます。エミリア様? 悪魔祓い達の存在をご存知ですかな? エミリア様が悪魔だとは知られていないでしょうが、新たなる悪魔が誕生したことは、予兆や神託により…知られているでしょうし、その悪魔が、さらなる力に目覚めたのであれば、悪魔祓いの連中も…捜索に力を入れ始めます」


複雑な表情で語るオール・グラン。それも、そのはずだ。既存の脅威に対して、何の対策も出来ないうちに、次から次へと敵が増えるのだから…。


軽く論破されたエミリアは、トボトボと森の屋敷に戻るのだが、考えてみれば…悪魔って、突然現れたり、消えたりと…転移の術が使えるはずじゃない? はたまた、変身の能力は? しかし、エミリアの能力には、それを実現できる能力はなかった。


(基本となる悪魔の力を選び間違えたかも…)


エミリアは、古代文字で書かれた魔法書を解読していた体で、書斎から出た。


「あっ! エミリア!」


エミリアが書斎から出てくるのを待ちかねていたエルダリス。


「どうしたの? 何かあった?」


「いえ、その…。今度ですね。一緒に狩りに行かないかと誘われました」


エルダリスを誘うような人物は一人しか思い当たらない。


「アースファクト兄様に?」


「はい」


アースファクト兄様の目的をエミリアは考える。体目当て? それとも純粋に狩り? 行動が読めないから困る。まぁ、次の質問でだいたいわかるが…。


「えっと、エルダリスだけ?」


「えっ!? どうでしょう?? 今度…」


そこでエルダリスの言葉を遮る。


「いえ、恐らく、エルダリスだけが、誘われたのでしょう。アースファクト兄様は、少し気難しいところがありますが、エルダリスが気に入られて、嬉しいです。楽しんできてね」


エミリアは、出来る限りの笑顔で言った。


そして二人で一階の居間に向かう。そこで…感情を糸で表現する魔法を使っていたエミリアが、敵を発見する。エミリアに対して、メイドから紫の色の糸が繋がっていた。紫は、裏切りだ。


勿論、この場でどうこうしようとは思わない。そのような魔法があること敵に知らせる必要もないからだ。しかし、突然いなくなるのだ…それは仕方ないことだろう。


「これは、アースファクト様、わざわざ森の屋敷までお出でになるとは、連絡を頂ければ、こちらから…」


「うむ、よい。少し歩きたい気分だったのでな」


騎士ニーズが、アースファクト兄様の対応をしながら居間まで歩いてくる。アースファクト兄様は、例のメイドを一瞥すると、銃をぶっ放した。


「ゴミが混ざっているぞ?」と…。

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