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昼は冒険者/真夜中は暗殺者  作者: きっと小春
火薬と銃の時代
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外出

お互いの体が唾液臭い。湯浴みで体を綺麗にすると、いつもよりもワンランク上の衣装を着せられた。メイドに確認すると、オーゼスフェスタ大公からの贈り物らしい。添えられた手紙には、簡単に言うとエルダリスとの結婚により、新旧世代の勢力が一つにまとまるシンボルになり、とても評価できると書かれていた。


まだ結婚前なので、ノクターンは本格的に行動を起こしていないが、イブレオ男爵を通じて、ギュレン伯爵の勢力から、多数の貴族を鞍替えさせようと画策しているのだ。勿論、この情報もわざと漏洩させている。


オーゼスフェスタ大公は、私達の結婚だけで、そのような動きになっていると勘違いしているのだ。オーゼスフェスタ大公も、偶然に銃と火薬を持ち込んだだけで、それ以外は無能なのか? と勘ぐってしまう。


湯浴みのときに、尻尾でも生えていたらどうするか心配だったが、特に体には何も異常はなかった。しかし、右手の4つの指輪が無くなっていたのだ。どうやら指輪の力を借りなくても、同等以上の力を発揮できるようになったらしい…。


例えば、魔導の母の指輪の能力である”ストックした魔法は瞬時に使用可能”が、意識の中に溶け込んでおり、そのストック数も倍に増えていた。実際に発動できるか試してみてが、突然…浮遊する魔の槍が出現して、エルダリスやメイドが驚いていた。


実体をもたない悪魔は、精神汚染術、幻影術、召喚術を得意とする。悪魔憑きは、その宿した体に依存する。そして、完全な悪魔であるエミリアは、宿した体に依存する力も、悪魔としての力も、両方使えるのだ。


大人の体験をしたエルダリスは、子供から大人に変わったことで、何かが弾け…体が軽くなったと喜んでいる。実際、悪魔憑きを追い払った結果なのだが…。そして、必要以上にベタベタとくっついてくるが、結婚するのだ。人目を気にする必要もないし、特に嫌な気分でもない。


しかし、これだけベッタリされてしまうと、ノクターンの地下屋敷に行けないのだ。一応…悪魔になったことを報告したかったのだが…。エルダリスを遠ざけるだけならば、悪魔の力や魔法で、どうにでもなるが、今日は、エルダリスに商業都市オハロを案内することにした。


商業都市オハロでは、エミリアもエルダリスも、子供でさえも知っている存在だが、出かけるときは騎士のニーズがしっかりと護衛し、移動は馬車を使用する。これは学園へ通うときも揉めたことで、目立つし威圧的だし…と、学園の門の500mまでの護衛とさせたのだ。しかし、今回は素直に応じる。折角の外出だし、気分良く過ごしたいと思ったからだ。


「とは、言ってもね…。私も、あまり詳しくないの」


「うん、大丈夫。知らない街を歩くのも楽しいじゃない」


二人は馬車を降りて、騎士ニーズに護衛されながら、店から店へとはしごしていた。その最中にもノクターンが浸透しているか、チェックを行う。そう…華やかな街の中に、ひっそりと悪意が紛れ込んでいるのかと…。


エミリアもエルダリスも、13歳の幼さが残る少女であり、道行く人や店の主人など、二人の様子を微笑ましく見守っているが、決して近づこうとはしない。なぜならば、デリマリート家の評判を著しく落としているアースファクトの素行の悪さの影響である。


アースファクトは街中であろうと、気に入らなければ構わず銃をぶっ放すイカレタ野郎である。二人の少女の機嫌を損ねて、アースファクトに告げ口されたら…と、平民にとっては、考えただけでも恐ろしいのだ。


そして、何たる偶然か? 平民が恐れる問題児アースファクトが、主従貴族たちを連れ、街に帰ってきたのだ。馬車の中から、二人に声をかける。


「よう、エミリア! エルダリスも一緒か。どうだ? 菓子の上手い平民の店が、あるのだ!! 一緒に行かぬか?」


アースファクト兄様のお誘いだ。断ることなどできるはずもない。

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