逆恨み
オハロ記念病院304号室。この部屋の廊下で”死の教団”の敬虔な構成員に出逢ってしまった。その人は、医師のマクドレーベさんだ。すれ違いざまに、オルベクトを指定された。今ならば、デリマリート家とノクターンのメンバーを除く、全ての人間を差し出してもかまわないと思っている。つまり、可愛そうだが…オルベクトに明日はない。
オルベクトは実験の失敗で軽度の火傷を負っていた。オルベクトを甲斐甲斐しく看病するシルディの顔は、怒ったり笑ったり心配したりと…とてもイキイキしている。そんな二人の様子を見ながら、どのようシュチュエーションでマクドレーベさんに楽しんでもらおうか考える。
「ごめんね。そろそろ、帰らないと。オルベクト、また明日来るね」
残されたわずかな時間を邪魔するほど、私は無粋じゃない。二人きりにしてあげる。
304号室を出る。なるほど、ここは旧館であまり使われていないのか…。どのような理由でオルベクトを旧館に入院させたのか知らないが、医師のマクドレーベさんは、最初から楽しむつもりらしい。すると、急に腕を引っ張られて…。
押し倒されてというより、襲われたが正しいかも。先程確認したように旧館は空き部屋だらけだ。ここもその一つなのだろう。カーテンの隙間から薄明かりが入る。そして、防衛騎士学のヘンドリーに押し倒されたことがわかる。
「こんにちは、ヘンドリー。これはどういうこと?」
私の上に馬乗りになるヘンドリーの眼は、狂人一歩手前のまだ理性が残っている眼だ。
「お、お前が悪いんだぞ…。俺の邪魔ばかりしやがって…」
声を押し殺し、理由を教えてくれた。どうやら、剣術などでボコボコにした事を怒っているらしい。男らしく力任せで私を片手で押さえつけながら、服をビリビリと破る。
「えーっと…。こんなことして…その後どうする気?」
「ふっ。お前は、婚約中だろ? こんなこと、誰にも知られたくねぇーだろ? 大人しく俺に犯されて、今後は…剣術も手を抜くんだな…」
服を破くヘンドリーは、私が一切抵抗していないことに気がついたようだ。
「あら? デリマリート家に喧嘩売る勇気はあるのね」
「今更だろ? ここでお前を殺しちまえば、デリマリート家なんて関係ないだろ? 死にたくなけりゃ、黙ってろよ?」
「そもそも私が黙ってるって、どう考えても無理じゃない?」
ヘンドリーは自分の硬直した物を私に見せる。それが自信の源らしい。
「そう…。それで満足させる気ね、あなたにできるかしら?」
「へっ、いつまでも上から目線で言ってんじゃねーよ。結局、男の力の前に何もできねーんじゃねーかよ。ほら? どうした? 何か言ってみろよ??」
「上よ」と一言だけ。ヘンドリーの頭上には、数本の魔の槍が浮遊していた。
「お前…いつの間に…」
「良いわよ。早くしましょう。満足させることができたなら、あなたの言う通りにするわ。でも…満足さられなかったら…」
ヘンドリーの顔が恐怖で歪む。そして、自慢のアレはみるみる元気を無くしてしまったのだ。




