はじまり
大柄で農民服を着た男が・・・・
「オイ!」
「さぼってんじゃねえよ」
やってるだろ・・・・・
おまえこそ怒鳴らずやれよ・・・・・
「さすが」
「おうおう」
「やっぱり頼りになるねー」
「オウガ!」
村の人々が俺を怒鳴った男を褒め称える・・・・
俺はせっせと収穫に励む・・・・
日が沈むまで働き・・・・・
「俺がいる限りさぼらせないからな」
何時もの決まり文句を聞き・・・・
帰路に・・・・・
まぁ本来の仕事がないだけ・・・・
村はずれの家に・・・・
みすぼらしい木と布で出来た・・・・
家に入り・・・
臭い賭けの果物を食べる・・・・
「ああ幸せ」
一人が良い・・・・・
幸せは・・・・
「オイ」
「テメー仕事怠け得んじゃねえよ」
「獣が出たぞ」
「処理手を抜いたな」
「ええと」
家をでてオウガより巨漢の村長に・・・
「後てめーこんなとこに住んでんじゃねえよ」
「皆が嫌がるので」
「まあきたねえからしょうがねえな」
「兎に角見てこい」
「今から」
「良いからいけ」
「分かりました」
俺は走る森を・・・・
「そこの」
「誰?」
あやしい黒づくめの男・・・・
マントと仮面で隠されている・・・・
「今の生活に満足ですか」
考えるまでも無い
「していない」
「ならお受け取りを」
手を差し出し・・・
しかし差し出された手にはなにも無い・・・
「ちっ」
イラつき手を叩き・・・・・
「有難う御座います」
「貴方の様なかたを同志に迎えられて」
「では」
「此れで」
「たとえ」
「死んだとしても」
「恨みは我らが晴らします」
・・・・・消えた・・・・
夢?幽霊?・・・・・
「はぁー」
目的に辿り琉く・・・・
森の中・・・・
木を切り倒し花を植え・・・・
「綺麗」
「だよな・・・・・」
どさと倒れ込み・・・・
「もう疲れた」
ここで・・・・・
「寝るか・・・・」
殺しが本業の農民・・・・・・
其の身は苦難の果て既に人にあらず・・・・
成れば何といえば・・・・
世界の解は悪人が解であり・・・・
髪は黒く肌は薄汚れ・・・・
眼は深く黒くただ・・・・
既に殺しでは動かず・・・・
森で寝れるほどに・・・・
人ではなくなった・・・・
馬鹿な悪人・・・・
何時善でなくなったか・・・
選択など与えられず・・・
ただ生きて来た・・・・
与えられた役目のままに・・・
他者の望を叶え続けて来た・・・・
其れは罪?
其れが悪?
ただ分かっている事は馬鹿という事である・・・・
お読み頂き有難う御座います。