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*。*:゜ 論文ニニコ ゜:。*  作者: ニニコ・スプリングチケット
88/90

*。*:゜ ニニコ論文 「ババ抜きウォーズ」 ゜:。*





挿絵(By みてみん)



私ことニニコ・スプリングチケットは熱中している。


いまさー。

あたらしいトランプの遊びを考えてんの。


私もみんなに愛されるトランプゲームを発明したい。



まず試しに、いまあるゲームを魔改造してみようと思う。


私は考える。

この世でもっとも初歩的なトランプ遊びはなんだろう……



間違いなく、ババぬきだろうな。





挿絵(By みてみん)





ババ抜きのルールについては、説明する必要もないだろう。

ないだろうが、一応説明する。


A、B、ふたりのプレイヤーがいるとする。


ジョーカーを含めた53枚のトランプを裏返して分配する。


そして配られたカードから、おなじ数字をペアで捨てていく。







挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)





さあそれを終えると、ペアにならなかったカードが手元に残る。


この時点で、A、B、どちらかがジョーカーを持ってるはずだ。



そして互いに相手のカードを1枚ずつ引いていく。


取得したカードが、手持ちカードとペアになったらまた捨てる。





挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)





ジョーカーだけはペアにならない。

だって1枚しかないんだもん。


だから捨てることはできない。


つまり最後までジョーカーを持っていた者が負けだ。







挿絵(By みてみん)






 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇   負け、た……?

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇   この私が……?

ノノ 人С川   w )





ババ抜きというゲームは、じつにシンプルだ。

シンプルすぎる。


だが、そこがすばらしい。


なにしろ、めちゃくちゃルールが簡単だ。

1分もかからず遊びかたを説明できてしまう。



それにプレイヤーが大勢でも遊べるのも利点だ。

10人以上でも同時に遊べてしまう。


これは、パーティーゲームとして最大の長所ではないか。




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    しかし。

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    しかし!

ノノ 人С川   w )




人間とは大したもので、これでは満足できなくなってしまった。


ジョーカーが、ハズレだとわかることに不満を持ちだしたのだ。


なに言ってんのかわからないと思うが、そのままの意味だ。



「うわっ、ジョーカー引いちまった!」



これがいけない。


人類は、ハズレカードが丸わかりなのが面白くないと感じ始めたのだ。


そこで発明されたのが、ジジ抜きである。

ネーミングが安易すぎるだろ。





挿絵(By みてみん)



説明しよう。

ジジぬきではジョーカーを使わない。


52枚のカードだけを使用する。

そこから、参加者の誰にもわからないようにカードを1枚どけておく。





挿絵(By みてみん)





さあ、これで51枚になった。


ペアカード25組と、余りカードが1枚である。


この状態でババぬきをしようというのだ。





挿絵(By みてみん)





プレイヤーには、どのカードがハズレなのかわからない。


もしかしたら、自分の手持ちカードのどれかかもしれない。


わからないのだ。

そりゃそうだ、最初に追放したカードがなんなのかわかんないもん。



「ジョーカー役」がどのカードかわかるのは、ゲーム終盤だ。


それもラスト5枚とかになって、やっと推理できるレベルだ。


ハズレカードを不可視化するという、なんとも緊張感あるルールだ。

ジジ抜きは、じつに面白い。


ババぬきよりも、エキサイティングな遊びに進化したと言えるだろう。







挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)






 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇   負け、た……?

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇   この私が……?

ノノ 人С川   w )





でも。


でもね?



それだけじゃもう、私は満足できないの。





.。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜



  私はもう、


  カードを引きたくないの。



   .。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜





もう私、カードを引きたくない。


そんなこと、もうしたくないの。




カードを押しつけたい……!






挿絵(By みてみん)



これが私が提唱するゲーム、「 ニニ差し 」だ。


相手のカードを抜くんじゃない。


相手に、自分の持ちカード1枚を渡すんだ。

これを互いにくりかえす。



どうだ?


この発想、すごいだろ。



大阪・関西万博の入場待ちしてるとき思いついたんだ。


入るだけで1時間50分かかったぞ。





挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)






やっと入場できた。

スゲーな、このなんとか塾名物みたいなの。


おっと、それどころじゃない。


さあ、ニニ差しの説明だ!



まずはジジぬきと同じだ。

ジョーカーを除いた52枚から、1枚ハブいて51枚にする。


当たり前だ。

ジョーカーが混ざってたら、それを押しつけるだけのゲームになる。


どれがハズレカードかわからないことを前提にしないといけない。



さあ、やってみよう。


カードを1枚、相手に押しつけるのだ。


はい、これあげる。





挿絵(By みてみん)



挿絵(By みてみん)






 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    どうよコレ!

ノノ 人С川   w )




完全な運ゲーだったババ抜きが、一種の戦略ゲーになるのだ。



ジジ抜きでも説明したが、どれがハズレカードかわからない。


だがゲームが進むにつれ、なんとなく目星がついて来る。

それを予想して、相手に渡すのだ。


カードを抜きあうんじゃない。


カードを、相手に押しつけあうのだ!



さあ、私の推理と観察眼の見せどころだ。


私のターン!

ハズレカードを予想!


なんならもう、なんの数字か見せちゃってもいい!

相手を攻撃!


ドシュドドドド!





挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)








 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川  ⦿  ⦿   そろうんかい!

ノノ 人С川   w )





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇    ハズレどれよ!

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 + +    ちょ、タイム!

ノノ 人С川   w )





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ◎ 〇    う、うわああ!!

ノノ 人С川   w )






挿絵(By みてみん)







 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇   負け、た……?

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇   この私が……?

ノノ 人С川   w )





じつにエキサイティグなゲームだ。



これハズレカードじゃね?

     ↓

じゃあ相手に押しつけてやる!

     ↓

ところがどっこい、そろいやがった。

     ↓

パニックになる。

     ↓

ドヤ顔であおられる。

     ↓

ニンテンドースイッチのケーブルで首をしめてやる!

     ↓

じつにエキサイティングだ。






挿絵(By みてみん)



話がババ抜きに戻るんだけどさ。


ババぬきって、2人だとスゲーつまんないんだよね。



だって2人しかいないってことはだよ?

自分の手持ちとペアになるカードは、かならず相手が持ってるわけだ。


相手から1枚とったら、絶対にペアになる。

相手がこっちのカードを取っても、絶対にペアになる。


カードがそろう、そろわないのドキドキがまったく無い。

そろうに決まってるんだもん。



ていうか、肝心のジョーカーがどこにあるか明白だもんね。


自分が持ってなければ、相手が持ってるに決まってる。


これではジョーカーを避けるだけのゲームでしかない。



遊びとして成立してないとは言わないけどさ……


あんま面白くないぞ。





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    だからさ。

ノノ 人С川   w )




だから私は考えたんだ。


ふたりでも楽しめるババ抜きを。



その名も「 ババ抜きウォーズ 」である。






挿絵(By みてみん)





戦争ってゲームわかる?

そのルールを、ちょっと借りてみました。


まずババ抜きをします。


これはふつうにババ抜きします。

さきに私が1枚引くぞ。




挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)





ジュギュン、ドドドドドド!


6のペア!

ドラゴンを召喚!



さあ、キミのターンだ。

引きたまえ。



あッ!


くそ、10を引きやがった!





挿絵(By みてみん)





ふふふ、このターンはゆずってやるよ。


4枚とも受け取りたまえ。

どうぞ。





挿絵(By みてみん)




このようにだ。


そろった数字の大きいほうが、4枚とも獲得する。


通常のババ抜きなら、そろったカードは捨てるだけだ。


ババ抜きウォーズでは、これを得点として集めることになる。



さあつづきだ!

来い!





挿絵(By みてみん)




しめしめ!

3を引きやがった。


残ったカードは8とクイーンだ。


つまりどちらを引いても、私の勝ちは決まってる。



ドロー!

相手カードを奪取!


ズギュスドドドドド!





挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)







 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ○ ○    あっ……

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    クソがよ……

ノノ 人С川 ꐦ  w ) 





ジョーカーが出た場合、そろったカードは場に捨てる。


で、ジョーカーはもちろん私の持ちカードになる。





挿絵(By みてみん)





その後なんやかんやあって、私が最後までジョーカー持っていた。


ババ抜きは私の負けだ。



しかし取得カードは、5対4だ。


こっちのほうが枚数多いぞ。


……と言いたいところだが。





挿絵(By みてみん)





そうじゃない。

なんのためにババ抜きしたと思うんだ。


ジョーカーは、マイナス4点だ。



したがって得点は、1対4になる。





挿絵(By みてみん)




挿絵(By みてみん)






 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇   負け、た……?

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇   この私が……?

ノノ 人С川   w )




……たとえババ抜きで負けたとしても、まだ決着はつかない。


最後までジョーカーを持ってたほうが負けではないのだ。


ジョーカーはあくまで減点要素でしかない。

マイナス4点というハンデを背負うが、勝負はここからだ。


ババ抜きの内容によっては、トータルで勝利する可能性もある。

4枚差以上のカードを獲得していればいいのだ。


そういうルールの説明をする以上、逆転勝ちの例を見せたかった。


マジでくやしい。





挿絵(By みてみん)



いかがだっただろうか。


ニニ差し、そしてババ抜きウォーズ。


ふたりでもババ抜きを楽しめないか、と考えてみたんだ。

意外と考えるの面白かった。


機会があったらぜひ試してほしい。



あと万博、マジで楽しかったぞ。

最高だった。


激混みでトランプなんかしてる余裕なんか無かったけどな。


でもまた行きたいわ。








挿絵(By みてみん)




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終身刑の魔女より

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いま書いてるやつよ。





チャッカマン

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ニニコのスピンオフ元よ。





シルバー・ザ・戦隊ヒーロー

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むかし描いた漫画よ。



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