*。*:゜ ニニコ論文 「ババ抜きウォーズ」 ゜:。*
私ことニニコ・スプリングチケットは熱中している。
いまさー。
あたらしいトランプの遊びを考えてんの。
私もみんなに愛されるトランプゲームを発明したい。
まず試しに、いまあるゲームを魔改造してみようと思う。
私は考える。
この世でもっとも初歩的なトランプ遊びはなんだろう……
間違いなく、ババぬきだろうな。
ババ抜きのルールについては、説明する必要もないだろう。
ないだろうが、一応説明する。
A、B、ふたりのプレイヤーがいるとする。
ジョーカーを含めた53枚のトランプを裏返して分配する。
そして配られたカードから、おなじ数字をペアで捨てていく。
さあそれを終えると、ペアにならなかったカードが手元に残る。
この時点で、A、B、どちらかがジョーカーを持ってるはずだ。
そして互いに相手のカードを1枚ずつ引いていく。
取得したカードが、手持ちカードとペアになったらまた捨てる。
ジョーカーだけはペアにならない。
だって1枚しかないんだもん。
だから捨てることはできない。
つまり最後までジョーカーを持っていた者が負けだ。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 負け、た……?
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 この私が……?
ノノ 人С川 w )
ババ抜きというゲームは、じつにシンプルだ。
シンプルすぎる。
だが、そこがすばらしい。
なにしろ、めちゃくちゃルールが簡単だ。
1分もかからず遊びかたを説明できてしまう。
それにプレイヤーが大勢でも遊べるのも利点だ。
10人以上でも同時に遊べてしまう。
これは、パーティーゲームとして最大の長所ではないか。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● しかし。
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ⦿ ⦿ しかし!
ノノ 人С川 w )
人間とは大したもので、これでは満足できなくなってしまった。
ジョーカーが、ハズレだとわかることに不満を持ちだしたのだ。
なに言ってんのかわからないと思うが、そのままの意味だ。
「うわっ、ジョーカー引いちまった!」
これがいけない。
人類は、ハズレカードが丸わかりなのが面白くないと感じ始めたのだ。
そこで発明されたのが、ジジ抜きである。
ネーミングが安易すぎるだろ。
説明しよう。
ジジぬきではジョーカーを使わない。
52枚のカードだけを使用する。
そこから、参加者の誰にもわからないようにカードを1枚どけておく。
さあ、これで51枚になった。
ペアカード25組と、余りカードが1枚である。
この状態でババぬきをしようというのだ。
プレイヤーには、どのカードがハズレなのかわからない。
もしかしたら、自分の手持ちカードのどれかかもしれない。
わからないのだ。
そりゃそうだ、最初に追放したカードがなんなのかわかんないもん。
「ジョーカー役」がどのカードかわかるのは、ゲーム終盤だ。
それもラスト5枚とかになって、やっと推理できるレベルだ。
ハズレカードを不可視化するという、なんとも緊張感あるルールだ。
ジジ抜きは、じつに面白い。
ババぬきよりも、エキサイティングな遊びに進化したと言えるだろう。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 負け、た……?
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 この私が……?
ノノ 人С川 w )
でも。
でもね?
それだけじゃもう、私は満足できないの。
.。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜
私はもう、
カードを引きたくないの。
.。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜
もう私、カードを引きたくない。
そんなこと、もうしたくないの。
カードを押しつけたい……!
これが私が提唱するゲーム、「 ニニ差し 」だ。
相手のカードを抜くんじゃない。
相手に、自分の持ちカード1枚を渡すんだ。
これを互いにくりかえす。
どうだ?
この発想、すごいだろ。
大阪・関西万博の入場待ちしてるとき思いついたんだ。
入るだけで1時間50分かかったぞ。
やっと入場できた。
スゲーな、このなんとか塾名物みたいなの。
おっと、それどころじゃない。
さあ、ニニ差しの説明だ!
まずはジジぬきと同じだ。
ジョーカーを除いた52枚から、1枚ハブいて51枚にする。
当たり前だ。
ジョーカーが混ざってたら、それを押しつけるだけのゲームになる。
どれがハズレカードかわからないことを前提にしないといけない。
さあ、やってみよう。
カードを1枚、相手に押しつけるのだ。
はい、これあげる。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ⦿ ⦿ どうよコレ!
ノノ 人С川 w )
完全な運ゲーだったババ抜きが、一種の戦略ゲーになるのだ。
ジジ抜きでも説明したが、どれがハズレカードかわからない。
だがゲームが進むにつれ、なんとなく目星がついて来る。
それを予想して、相手に渡すのだ。
カードを抜きあうんじゃない。
カードを、相手に押しつけあうのだ!
さあ、私の推理と観察眼の見せどころだ。
私のターン!
ハズレカードを予想!
なんならもう、なんの数字か見せちゃってもいい!
相手を攻撃!
ドシュドドドド!
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ⦿ ⦿ そろうんかい!
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 ハズレどれよ!
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 + + ちょ、タイム!
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ◎ 〇 う、うわああ!!
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 負け、た……?
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 この私が……?
ノノ 人С川 w )
じつにエキサイティグなゲームだ。
これハズレカードじゃね?
↓
じゃあ相手に押しつけてやる!
↓
ところがどっこい、そろいやがった。
↓
パニックになる。
↓
ドヤ顔であおられる。
↓
ニンテンドースイッチのケーブルで首をしめてやる!
↓
じつにエキサイティングだ。
話がババ抜きに戻るんだけどさ。
ババぬきって、2人だとスゲーつまんないんだよね。
だって2人しかいないってことはだよ?
自分の手持ちとペアになるカードは、かならず相手が持ってるわけだ。
相手から1枚とったら、絶対にペアになる。
相手がこっちのカードを取っても、絶対にペアになる。
カードがそろう、そろわないのドキドキがまったく無い。
そろうに決まってるんだもん。
ていうか、肝心のジョーカーがどこにあるか明白だもんね。
自分が持ってなければ、相手が持ってるに決まってる。
これではジョーカーを避けるだけのゲームでしかない。
遊びとして成立してないとは言わないけどさ……
あんま面白くないぞ。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● だからさ。
ノノ 人С川 w )
だから私は考えたんだ。
ふたりでも楽しめるババ抜きを。
その名も「 ババ抜きウォーズ 」である。
戦争ってゲームわかる?
そのルールを、ちょっと借りてみました。
まずババ抜きをします。
これはふつうにババ抜きします。
さきに私が1枚引くぞ。
ジュギュン、ドドドドドド!
6のペア!
ドラゴンを召喚!
さあ、キミのターンだ。
引きたまえ。
あッ!
くそ、10を引きやがった!
ふふふ、このターンはゆずってやるよ。
4枚とも受け取りたまえ。
どうぞ。
このようにだ。
そろった数字の大きいほうが、4枚とも獲得する。
通常のババ抜きなら、そろったカードは捨てるだけだ。
ババ抜きウォーズでは、これを得点として集めることになる。
さあつづきだ!
来い!
しめしめ!
3を引きやがった。
残ったカードは8とクイーンだ。
つまりどちらを引いても、私の勝ちは決まってる。
ドロー!
相手カードを奪取!
ズギュスドドドドド!
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ○ ○ あっ……
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ⦿ ⦿ クソがよ……
ノノ 人С川 ꐦ w )
ジョーカーが出た場合、そろったカードは場に捨てる。
で、ジョーカーはもちろん私の持ちカードになる。
その後なんやかんやあって、私が最後までジョーカー持っていた。
ババ抜きは私の負けだ。
しかし取得カードは、5対4だ。
こっちのほうが枚数多いぞ。
……と言いたいところだが。
そうじゃない。
なんのためにババ抜きしたと思うんだ。
ジョーカーは、マイナス4点だ。
したがって得点は、1対4になる。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 負け、た……?
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 この私が……?
ノノ 人С川 w )
……たとえババ抜きで負けたとしても、まだ決着はつかない。
最後までジョーカーを持ってたほうが負けではないのだ。
ジョーカーはあくまで減点要素でしかない。
マイナス4点というハンデを背負うが、勝負はここからだ。
ババ抜きの内容によっては、トータルで勝利する可能性もある。
4枚差以上のカードを獲得していればいいのだ。
そういうルールの説明をする以上、逆転勝ちの例を見せたかった。
マジでくやしい。
いかがだっただろうか。
ニニ差し、そしてババ抜きウォーズ。
ふたりでもババ抜きを楽しめないか、と考えてみたんだ。
意外と考えるの面白かった。
機会があったらぜひ試してほしい。
あと万博、マジで楽しかったぞ。
最高だった。
激混みでトランプなんかしてる余裕なんか無かったけどな。
でもまた行きたいわ。




