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*。*:゜ 論文ニニコ ゜:。*  作者: ニニコ・スプリングチケット
65/90

*。*:゜ ニニコ論文 「流れ星」 ゜:。*









挿絵(By みてみん)









挿絵(By みてみん)




私ことニニコ・スプリングチケットは夜空を見上げてみた。


なんと美しいのだ……




ネオンのような星々をながめていると、なんだか切なくなる。


広大な宇宙にポツンとひとりぼっち。

人間の、なんとちっぽけなことか。


人類が誕生したのは、500万年前だと聞いたことがある。


138億年の宇宙の歴史とは比べるべくもない。



神秘的……いや、そんな言葉では足りない。


我々の遠い先祖も、変わらぬ星空を見上げていたのだろうか。





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    流れ星さあ……

ノノ 人С川   w )




流れ星、これ前から気になってたんだが。



人類で最初に流れ星を見たやつは、どんな反応したんだろ?






 ■■■   ニニコ劇場   ■■■


 ■■■  初めての流れ星  ■■■





ここにひとりの原始人がいる。


名前はターボくん。




 ( ゜ω゜)  ← ターボくん




19歳、男。


村でいちばん狩りが上手い。

今日もウサギを2羽も捕まえた。


すっかり日も暮れたその帰り道。


見慣れた星空が、その日はちがった―――



なんと、星が流れた。







挿絵(By みてみん)








      ☆ 

☆            ☆

          ☆ 



    ☆ 彡




 

   ゜ ゜

 ( Д )







 ( ゜Д ゜)  ……ウソだろ?





ターボくん、村にスッ飛んで帰りました。


そして星が落っこちた話を、みんなに訴えます。





(;゜Д゜)  星が落ちたのよ!



(;゜Д゜)  これ冗談じゃなく!



(;〇Д〇)  ガチのマジで!!






 .。*゜+.*   .。*゜+.*.。  



   さてみんなの反応は?



   .。*゜+. *.。 +..。*゜+







( ゜ω゜)1  星が落ちた?



( ゜ω゜)2  どこよ?



( ゜ω゜)3  なんもなってねえじゃん、空。









挿絵(By みてみん)








 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 〇 〇   ……そうなのよ。

ノノ 人С川   w )




流れ星って、見たことを証明できないのよね。


いや、私たちは流れ星という現象を知ってるからいいよ?

流れ星を見たって言われても、ふーんで終わりだ。



しかし、流れ星というものを誰も知らなかったら……?



あなたならターボくんの話を信じるか?

オオカミ少年の話じゃないが、星が落ちたなんて信じられるか?



逆に、あなたがターボくんの立場ならどうする?


ビデオもない時代、証拠の見せようがない。

星が落ちたなんて話、だれにも言えないか?


ヒマな友達に頼んで、いっしょに夜空をながめてもらうか?


星が落ちるまで、いっしょに夜中つきあってくれる友達。



そんな友達がいてくれら、きっと楽しいだろうな。






挿絵(By みてみん)








挿絵(By みてみん)






「 流れ星 」



ビデオなど無い時代から、この現象は認知されてきた。


ということはだ。

証明なんかいらないくらい、毎日見れたのかもね。


古代人たちも、村のみんなで流星群を見ていたのだろうか。





★ さて、流れ星とはなんなのか? ★




その正体はきわめて単純である。


宇宙から飛来した石っころとかだ。

それが大気圏の空気抵抗で燃えつきる。


そのとき発生する超高熱の光が、流れ星の正体だ。



ようするに、空の天体が落っこちてるわけではない。


もちろん原始人にすれば、星が落ちたようにしか見えなかったろう。







挿絵(By みてみん)







じつは流れ星なんて珍しくもない。



驚くなかれ。


なんと地球に飛来する流れ星は、じつに1日に2兆個だ。






挿絵(By みてみん)







とうぜん肉眼で見えるかは別の話だ。


まず、当たり前だが昼間では見えっこない。


そしてある程度の大きさの宇宙石でないといけない。

小さすぎて、地上から見える前に燃え尽きたら意味がない。



ほどよい大きさで、しかも夜にやってくる流れ星。


2兆個の流星のうち、我々が視認できるのは実際いくつなのか?




仮に、肉眼で見える流星を1万分の1個としよう。



★ よって、2億個 ★




そして夜間に飛来する流星であること。


午後8時から午前5時までと仮定しよう。



1日24時間のうち9時間。


つまり 2億個のうち、 37.5%。



2億個 × 37.5% = 7500万個。




視認できる流れ星を、7500万個と仮定しよう。


もちろんこれは全地球上での数だ。






挿絵(By みてみん)






ここからがもっとも重要だ。



我々が見上げる夜空。


この夜空は、地球全体のいったい何%なのだろう。






挿絵(By みてみん)









挿絵(By みてみん)








 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    ……いやいや。

ノノ 人С川 ꐦ  w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    ちょっと待て。

ノノ 人С川   w )




ひとりの人間が視認できる空。

その面積が、地球の空の何パーセントなのかを知りたい。


それを7500万個から割り算する。


そしたら、ひとりが見れる流れ星の数がわかるじゃん?




で、えー……


見えてる空の面積って、地球の空の何%くらいなの?



待てよ、待て待て。


まーた論文のテーマが脱線してる……







挿絵(By みてみん)






……論理的に考えてみよう。



いつものようにな。







挿絵(By みてみん)





まず、球体の表面積の求めかたはわかってる。



半径 × 半径 × 4 × 円周率だ。


ここでは円周率を 「 3.14 」とするぞ。




そして地球の半径は、約6370キロメートル。


ただしこれは、地球そのものの半径だ。


いま知りたいのは地表の表面積ではない。

大気圏の、それも流れ星が現れる空域の表面積だ。



流れ星は、だいたい上空100キロほどから燃え始めるそうだ。


したがって計算すべき空の面積は、下のとおりになる。



地球の表面より、100キロ上空。


つまり……



地球半径 6370キロ + 上空 100キロ。



よって 6470キロメートル。


これを半径とする球体の表面積を求める。






挿絵(By みてみん)






6470 × 6470 × 4 × 3.14。



すなわち、5億2577万2904平方キロメートル。



これが流れ星が見える、地球上空の全面積である。


仮に「 星空域 」 と呼ぼうか。








挿絵(By みてみん)








挿絵(By みてみん)






で、我々が見上げる空。


この空は、星空域の何%なのだろうか。



手をつくして調べてみたぞ。







挿絵(By みてみん)







 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    マジわからん。

ノノ 人С川 ꐦ  w )  




気象衛星、

防空レーダー、

天動説、

星野源……


いろいろ検索したけど、わかんにゃい。





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ゜ ゜    もういい。

ノノ 人С川  w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    計算するわ。

ノノ 人С川   w )




オーケー、こっちで勝手に計算する。

まず天文学じゃなく、生理学的に考えるぞ。


ようするに人間の視野で考えればいいんだ。


人の視界は、両目で見たときの角度が120度くらいだ。



ほんで、さっきも言ったとおり。


地上から星空域までは100キロくらいだ。



これを、人間が空を見上げる範囲と仮定する。


つまり星空域まで、120度の広さを目視しているとする。







挿絵(By みてみん)






大げさだが、逆向きの円錐体をイメージしてほしい。



夜空に、高さ100キロの円錐体があると仮定しよう。


その底面積が、ひとりの人間が見ることのできる星空域だ。



さて円錐の計算はウルトラ難しい。

簡単に三角形だと考えよう。


頂点が120度、高さ100キロの二等辺三角形だ。






挿絵(By みてみん)






で、ピタゴラスの定理に従う。


頂角60度の直角三角形の底辺は、高さを1として√3だ。



よって個人の星空域の半径は、約173キロとなる。







挿絵(By みてみん)







挿絵(By みてみん)






したがって、173キロを半径とする円の面積。



173 × 173 × 3.14は?



約9万3977平方キロメートルだ。




人間ひとりが見える空の面積、計算したぞ!


約9万3977平方キロメートルだ!






挿絵(By みてみん)







 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    さあ!

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    さあ求めたぞ!

ノノ 人С川   w )




地球の星空域は、5億2577万2904平方キロ!


うち人間ひとりの星空域は、9万3977平方キロ!



パーセンテージを求めると……



0.0178% だ!






 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    で!!

ノノ 人С川   w )




 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 【 【     なんだっけ?

ノノ 人С川   ₋ )





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ⦿ ⦿    あ、で!!

ノノ 人С川   w )




地球のすべての夜に降る流れ星は、7500万個!


そのうちひとりの人間が見れるのは、0.0178%!



7500万個 の 0.0178% ……つまり!





+.☆+... ゜.゜+.



 133万5000個だ。


    

   +.☆+.. ゜.゜゜☆+.





毎日だよコレ。

133万5000個の流れ星を、毎日だれでも見られる計算になる。


つまり午後8時から午前5時までの9時間……



9時間って、3万2400秒だよ?


133万5000個 ÷ 3万2400秒!



答えは、41だ!





 ◆◆/ ハ""人"ハ人

 / |ハ川 ● ●    よって!

ノノ 人С川   w )





みんなが毎秒、41個の流れ星を見ることができるわけだ!







挿絵(By みてみん)









挿絵(By みてみん)









挿絵(By みてみん)




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終身刑の魔女より

 ↑

いま書いてるやつよ。





チャッカマン

 ↑

ニニコのスピンオフ元よ。





シルバー・ザ・戦隊ヒーロー

 ↑

むかし描いた漫画よ。



― 新着の感想 ―
[良い点] すげええええええええ! こんなんよう計算しましたね! すごすぎです! 学士様! [一言] 毎秒41個! すげえええ!
[一言] ニニコちゃん、よく計算しました。 そんなに流れ星って観られるはずなんですね。視力が悪いので、星空は必死で眺めてもボヤ~としか見えなくて……。(←論外!) 追いつきました!
[良い点] つまりこれは心のきれいな人には見えてるってことですかね? 私? も、もちろん見えてマスヨ? [一言] 街灯や月の明かりがあるだけで見えないらしいですからね。 と、いうことは原始の時代のター…
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