*。*:゜ ニニコ論文 「パラドックス」 ゜:。*
私ことニニコ・スプリングチケットは、ウソしか言わない。
犬は空を飛べる。
カーテンは食える。
富士山は奈良にある。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● ネコは鳥類。
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● 雪は熱い。
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● ・・・・・・
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● ……チッ!
ノノ 人С川 w )
うそつきのパラドックスって知ってる?
「 私はウソしか言わない 」
私はウソしか言わない、ということはだ。
嘘しか言わない、このセリフも噓ということになる。
じゃあ私は、本当のことしか言わないということか?
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ⦿ ⦿ 変でしょ?
ノノ 人С川 w )
ね、変でしょ?
それでは話がおかしなことになる。
「嘘しか言わない」という嘘をついてることになるからだ。
ぜんぜん本当のことを言ってない。
パラドックスとは、矛盾した論理を意味する言葉だ。
「なんか言ってることおかしくね?」
「答え、ホントにそれで合ってんの?」
そんな不思議な論理のことを、パラドックスという。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ⦿ ⦿ 血管切れそう。
ノノ 人С川 ꐦ w )
血圧が鬼ヤベェ!
アタマに血がノボッちまうぜ……!
パラドックスなんか下らない!
それを証明するために、いくつか例をあげて紹介していこう。
ドタマの血管キレちまいそうだぜ……!
「 テセウスの船のパラドックス 」って知ってる?
むかーし、テセウスって人がいたのね。
そのテセウスが、アテネに行くのに船を使ったの。
さてテセウスの船。
帆が古くなったので、新しい布に取りかえました。
もちろん帆をリニューアルしたというだけだ。
交換後もそれがテセウス船であることは変わらない。
やがて船の甲板が古くなったので交換した。
改装である。
やがてイカリが古くなったので交換した。
改改装である。
これをくりかえすうちに、とうとうすべての部品が交換された。
はい、ここでクエスチョン。
.。*゜+.*.。 +..。*゜+.。
部品を全交換したテセウスの船は、
もはやテセウスの船と呼べるだろうか。
. +.*.。 +..。*゜+.。*゜+.*.。 +..
テセウスが乗っていたころの部品は、もうひとつも残ってない。
であれば、まったく別の船ではないか。
これはもうテセウスの船ではなくなった!
……という考えかたがひとつ。
もうひとつが、今でもテセウスの船だという考えかただ。
部品がぜんぶ交換されようが関係ない。
なぜならその船は、かつてテセウスの船だったから。
ナイル川は、昨日と今日ではちがう水が流れているはず。
それでもナイル川は、昨日も今日もナイル川だ。
流れる水が変化しようがナイル川に変わりはない。
重要なのは名義であり、パーツの物理組成などどうでもいい。
だから部品がすべて代わろうが、テセウスの船に変わりはない。
……という考えかたもある。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● えー、はい。
ノノ 人С川 ₋ )
まあそんなわけだ。
考えかたが、ふたつに分かれるわけよ。
これが「テセウスの船のパラドックス」だ。
すべての部品が入れ代わった船。
それは元の船とおなじ船だろうか?
このパラドックスが発明されたのは紀元前のギリシアである。
じつに2000年以上も前のことだ。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● にも関わらず。
ノノ 人С川 ꐦ w )
ああ、それにも関わらず。
どちらの考えかたが正しいのか、決着がついてないのだ。
「 名古屋のパラドックス 」って知ってる?
知らないか?
まあ知らなくても無理はない。
おととい私が考えたんだからな。
またまたクエスチョンだ。
私は名古屋に行ったことがあるだろうか。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● 答えは、ある。
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 そして、無い。
ノノ 人С川 w )
私は名古屋に行ったことがある。
そして私は、名古屋に行ったことが無い。
.。.:*・☆゜゜+
まあ聞いてちょんまげ。
゜+. ゜+.☆゜+
私は名古屋に行ったことがあるのよ。
なぜなら新大阪から東京まで、新幹線で移動したからだ。
当たり前だが名古屋駅を通過して、ね。
ホラ、な?
私は地理的に、まちがいなく名古屋に行ったことがある。
名古屋駅は名古屋市にあるもん。
しかし私は名古屋に行ったことがない。
なぜなら名古屋駅で降りてないからだ。
名古屋の街どころか、名古屋駅の改札すら見たことがない。
これで行ったと言えるだろうか?
さあ、私は名古屋に行ったことがある……ことになる?
それとも無いことになる?
いかがだろう。
あなたはどっちだと思う?
これも一種のパラドックスだろうが、答えはじつに簡単だ。
理由は非常に単純である。
私が行ったことないと言ってるからだ。
地理的に名古屋にいた事実なんかどうでもいい。
だって私は名古屋という言葉を、地理的意味で使ってないからだ。
.。.:*・゜゜・*:.。..
名古屋市内に用があり、
実際に行ったことがあるか?
.。.:*・゜゜・*:.。..。.:*・゜
これが私の言いたかったことだ。
そして何度も言うように、私は名古屋に行ったことが無い。
フツーに考えれば、私の言いたいことが伝わるはず。
勝手な言葉遊びで、矛盾してるなんて言われても困る。
言いがかりはやめてくれ。
ようするに、パラドックスなんてこんなもんだ。
勝手にみんなが難しく考えてるだけだ。
有名なパラドックスをもうひとつ紹介しよう。
「 貼り紙を貼るな 」の貼り紙である。
このカベに、貼り紙を貼ってはいけない。
それを注意喚起するための貼り紙だ。
( ゜Д゜) いやいや!
( ゜Д゜) その貼り紙を貼っとるがな!
……と、ツッコミ入れるのはナンセンスだ。
「 貼り紙を貼るな 」の貼り紙は、例外だからだ。
だって貼ったのは、カベの所有者だもん。
カベの持ち主がなにを貼ろうが、持ち主の勝手だろが。
『 この家の住人以外は、無断で 』貼り紙を貼るな。
この『 』のなかを省略してるにすぎない。
ていうか、ふつうに考えてそれしかないだろ。
本気で理解できないヤツがいたら、そいつは頭がピーマンだ。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● パラドックス?
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ⦿ ⦿ ……どこが??
ノノ 人С川 ꐦ w )
なにひとつ矛盾などしていないではないか!
こんな論理が困難とは笑わせてくれる。
テセウスの船もまったくおなじだ。
あなたなら、なんと主張する?
部品がすべて新しくなったテセウスの船だ。
これはテセウスの船ではない、と主張するか?
( ゜Д゜) ← テセウスの船じゃない派
( ゜Д゜)
「これはテセウスの船ではない!」
「なぜならテセウス時代のパーツなど残っていないからだ」
「である以上、テセウスの船でないのは明らかではないか」
+.*.。 ゜+..。*゜+
そこへ、古代ギリシアの役人が!
゜+..。*゜+゜+..。 +.*.。
(* ’ ω ’ *)
「こんにちは。私、アテネ税務署の者です」
「この船はテセウスの船とは、べつの船なのですね?」
「新規の船であれば、この船は未登録ということになりますね」
「船舶登記が新たに必要ですので、登録料を払ってください」
「それと、テセウスの船はもう存在しないんですよね?」
「そちらの登記の削除にも抹消費用がかかります」
「もちろん本年度は2隻分の税金がかかりますので」
「年度末までに、1000ドラクマを納付してください」
( ゜Д゜)
「…………あ、あの、カン違いしてました」
「これやっぱりテセウスの船です」
よくも言えたな、恥知らずめ。
しょせん、パラドックスなんてこんなもんだ。
状況や立場でいくらでも意見を変えられる。
ポリシーもへったくれもない。
どっちがウソつきだか、わかりゃしないぜ!
パラドックスなんてじつに下らない。
せいぜい論理クイズの域を出ない、お遊びだ。
マジメに答えを考えるようなもんじゃない。
こんなものを学者が真剣に議論してるかと思うと情けない。
だいっっっキラいだ、パラドックスなんか。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ●
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● ……本当はね?
ノノ 人С川 w )
私、ホントはね。
……古川が大好き。