*。*:゜ ニニコ論文 「方言バトル」 ゜:。*
オイこと、ニニコ・スプリングチケットは、ほんのこて怒っちょ!
オイば言っちょっこっが、ちょっども伝わらんど。
こいでは論文になりもはん。
そげんこつが許さるっと思っちょっとな!
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● どげんな!
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● どげん……!
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● ・・・・・・
ノノ 人С川 w )
すごい書き出しになってしまったが、さっきのは薩摩弁だ。
もちろん私は鹿児島の人間ではない。
だから、正しく薩摩弁で書けていたか自信がない。
もし鹿児島の人があれを読んだなら、ぜひコメントをくれないか?
今日のテーマは方言……ではない。
私には以前から、時間のムダに思えてしかたなかった。
方言の通じないアホさ加減がである。
きっかけとなったのは古川と会話したときだ。
彼が生まれたのは昭和のころだ。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ゜ ゜ オッサン笑
ノノ 人С川 w )
古川は、私より20歳以上も年上だ。
反対に知能指数は、20くらい彼のほうが低い。
だからだろうか。
ときどき会話が通じなくなる。
古川:
「おかいさんのまわりすんの、えらいおとろしいわ」
いまの言葉を通訳してみよう。
おかいさん …… おかゆ
まわり …… 用意
えらい …… とても
おとろしい …… メンドくさい
すなわち古川はこう言いたかったのだ。
「おかゆの用意をするのは、とてもメンドくさいです」
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● じゃあすんな。
ノノ 人С川 ₋ )
あれ?
なんで古川とこんな会話になったんだっけ?
なんか私は寝てて、古川がおかゆを作ってた気がする。
あとは……
記憶がアヤフヤで思い出せない。
なにしろ私、コロナにかかってたもんで、よく覚えてないのよ。
まあいい、重要なのはここからだ。
私は奈良県民だが、さっきの奈良方言を理解できなかった。
だって私、14歳やもん。
そんな年寄りが使う奈良弁、ぜんぜん理解できへんし。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● いや待ってよ。
ノノ 人С川 w )
いったい平成のあいだに何があったのよ。
失われる方言とか言ってる場合じゃない。
奈良県民に通じない奈良弁なんか、奈良に必要ないじゃん。
ごくわずかだが、テレビスターにも奈良の出身者がいる。
ごくわずかだがな。
多くは全国放送でも関西弁をしゃべっている。
漫才師やタレントでも、関西出身者は方言でテレビに出ることが多い。
そのことで他県の者からはアクが強くみられがちだ。
これ、誤解しないでほしい。
彼らが話しているのは「 タレント語 」である。
だれひとり、関西弁なんか話していない。
関西出身の私が言うんだから、これはマジで保証しよう。
大阪のタレント。
兵庫のタレント。
和歌山のタレント。
京都のタレント。
滋賀のタレント。
彼らはそれぞれの出身地の方言など話していない。
彼らの言葉は、テレビ用の「 関西語 」にすぎない。
たぶん、事務所でそう教育されてるんだと思う。
関西人じゃなくても、ちゃんと彼らの言ってる意味わかるでしょ?
これがガチの方言だったら、通じたもんじゃないぞ。
私が問題にしてるのは、そういうことではない。
もっともっと深刻なことだ。
「 同じ県の人間どうしでも、世代によって通じない 」ってことだ。
これガチで困る。
親世代と子世代で通じない方言とかもあるからね?
おなじ県でさえこれだもん。
まして他県の人間と会話するときはどうするの?
いや、どうするもこうするもない。
そのために標準語というものがある。
……と言いたいが。
そうもいかないのだ。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 ……無いの。
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 まだ無いの。
ノノ 人С川 w )
困ったな。
じつは、まだ標準語というものが無いんだ。
だっていまは、明治14年だし。
私ことニニコ・スプリングチケットは、いまから東京に行く。
日本国の未来のため、各県の代表者と会議をするのだ。
テーマは「 首相 」について。
日本の首相を誰にするかを決める会議だ。
首相というのも聞きなれない言葉だが、ものすごい役職らしい。
なにしろ日本国の政治機能の最上官だそうだ。
私としては、帝が政権のトップでいいと思う。
だが国際化のためにも、首相は政治家から選ばれるべきだそうだ。
エゲレスでもフランスでもドイツでも、それが常識らしい。
メリケンでは、大統領とかいうのが政界の長官なんだって。
名前はたしか、ジェームズ・ガーフィールドって言ったかな。
メリケンの20代目の大統領だ。
もちろん政治家のなかから、選挙で選ばれたひとだ。
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● 大統領……
ノノ 人С川 w )
将軍のようなものかと思いきや、まったく違う。
4年に1度、民間の総選挙にて選抜される役職らしい。
信じられるか?
民間の選挙でだぞ?
欧米では、支配者には任期が設けられるそうだ。
ひとりの人間による長期独裁化を防ぐためらしい。
支持を失ったトップは、次の選挙で降ろされるというわけだ。
……正直、よくできたシステムだとは思う。
メリケンでは議会が2つに分かれている。
上院と下院というそうだ。
ガーフィールド大統領は、下院から選ばれたトップだという。
なんでも下院から大統領が出るのは、彼が初めてだそうだ。
こんな快挙は、200年後の未来でも彼だけだと思う。
政権のトップを、選挙で決める政治スタイル。
日本国でもこの制度を採用しようということらしい。
はっきり言って反対だ。
反対なんだが……
海外の列強国に追いつくためには、しょうがない。
問題は、だれがその首相とやらになるかだ。
なにしろ初めてのことで、選挙のすべがない。
すごいよな、内閣を総括管理する大臣だぞ?
いわば内閣総理大臣ってとこか。
あーあ、大久保さんが殺されてなければなあ……
大久保さま以外で、日本国を総理できる人物を選ぶわけか。
いや、選ぶもなにも。
太政大臣の三条さましかいないと思うのだが。
さてさて緊張してきた。
今日はとんでもない大物政治家ばかりが集まる。
鹿児島、山口、高知の貴族たちだ。
新政府の代表たちと会合しなくちゃならない。
はげしい論戦になりそうだ。
さあいよいよ、会議の幕は開かれた……
鹿児島:
「せがらし! おはんら、おいの話ば聞きもはん」
高知:
「あやかしい! おまん、なん言いゆうか手に合わんぜよ!」
山口:
「しろしいっちゃ! あんたがた、ぶちしわいっちゃ!」
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● あのな。
ノノ 人С川 w )
通じてない全員。
なに言ってるのか、まったくわからん。
なにが近代化やねん。
鹿児島:
「はじめてん内閣じゃ。いっばんえれ人は三条様に決まっちょっ」
高知:
「おんし、そがにざんじ結論を急ぐちや。げにめとろじゃの」
山口:
「いんや、あねーいかい内閣の長は、伊藤くんで決まりじゃのんた」
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● ……え?
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● いまなんて?
ノノ 人С川 w )
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 〇 〇 え、伊藤?
ノノ 人С川 w )
鹿児島:
「じゃっどん……えっ?」
高知:
「やけん……えっ、伊藤?」
山口:
「伊藤博文くんじゃ」
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ● ● ・・・・・・
ノノ 人С川 w )
鹿児島:
「伊藤……誰と?」
高知:
「知らんち。まあ……誰かはええき」
鹿児島:
「ないごて、そん伊藤ばそげん推すとか?」
高知:
「そうじゃき。理由聞かせんしゃいや」
山口:
「なんちゃーない。やおいな話や」
「これからは国際化の時代じゃ」
「あのひたーエゲレス留学じゃドイツじゃ、そうそうしとったちゃろ」
「日本帝国の頭たるもん、英語ちできにゃーちーとやねこいじゃろうもん」
「大久保さま死にゃらあっとも、伊藤はじら言わんとねつうにやっちょる」
「総理大臣ちゃ、伊藤君しかおらん」
「わかったっちゃ?」
◆◆/ ハ""人"ハ人
/ |ハ川 ⦿ ⦿ ちょッ……!
ノノ 人С川 ꐦ w )
説明になってない!
推してる理由がまったくわからん!!
もうええわ。
しかし、よくこんなんで幕府を倒せたな……
意思疎通がまったくできとらん。
これ、各地方から天才を集めても意味なくないか?
どんな画期的な政策だろうと、誰にも伝わらないぞ。
第一こんなのが集まったら、うるさくてたまらん。
幕末の京都でもこんな感じだったんだろうか。
料亭にこっそり集まって、いきなり方言バトル開始。
そりゃ、ソッコーで新選組に通報されるわ。




