ボツネタ⑨ 「悪魔、天使に集う」後編
前編に続き、「悪魔、天使に集う」をご紹介していくわ。
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タイトル: 悪魔、天使に集う
考案: 2004年3月
概要: ファンタジー
ボツ理由: 発表できっこない
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天使さま:
「工場長。私の翼ですけど機械で作れませんか?」
工場長:
「えっ!? いえでも、もう工場がありませんから」
天使さま:
「もういちど稼働させなさい。私のために」
工場長:
「ではまた義体づくりをしていいんですか?」
天使さま:
「はあ? 私の翼だけですよ。人間と一緒にしないの!」
工場長:
「そ、そんなムチャな」
天使さま:
「四の五のうるせーよ、さっさとしろ!」
工場長:
「そ、それができないんです」
「エネルギー源の小太陽がないんですよ、もう」
天使さま:
「だったらいま義体を使ってる人間に提供させなさい」
「いや献上させなさい」
工場長:
「天使さまの翼を作るとなったらヤバいですよ」
「羽の1枚1枚に小太陽が必要なんです」
「さて、いくつ集めにゃならんか……」
天使さま:
「いまはいくつ集まったのです!?」
「メディアで献上を呼びかけなさい!」
工場長:
「いまんとこ、持ってきた人はゼロですね」
天使さま:
「人間め、いや悪魔め! ゆるさん……」
工場長:
「悪魔……ですか?」
天使さま:
「私が使うべきものを不当に!」
「まして人間が保有するなど!」
「悪魔の所業というほかないわ!」
天使さま:
「お聞きなさい人間ども、いえ悪魔ども!」
「人工義体を使っている悪魔ども!」
「小太陽をよこしなさい。それは私が持つべきです」
「それとも天罰を受けたいですか!?」
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さて……
義体を使ってる人間たちの反応は?
腎臓義体おじさんA:
「ぜってえ渡さねえ。さいなら」
膵臓義体少女B:
「義体なくなったらどうせ死ぬしー」
小脳義体少女C:
「ムカツク。返すくらいなら壊してやろうよ」
心臓義体少女D:
「最後の晩餐うめえ」
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天使さま:
「ちょっとお待ちなさい、なんで死ぬんです!?」
「だったら返せばいいでしょうに!!」
「ええい、追手を差し向けなさい!」
「逮捕して私の前に連れて来なさい!」
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腹部義体男E:
「新婚早々、死んでたまるかよ」
下半身義体女F:
「逆に殺すし」
義声帯ネコG:
「天使に家族を殺された! 僕も死ぬ!」
右足義体少女H:
「ネコも救えねえ天使なんか、地上に要らねー」
マンホール男I:
「あっ、ヤベ! 俺の左手の義体が!」
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天使さま:
「乱暴に追うんじゃありません!」
「義体が壊れたら意味ないでしょう」
「集めた小太陽は、厳重に保管するんですよ!」
工場長:
「そ、それはもう、ぬかりなく……」
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泥棒J:
「セキュリティが甘いねえ~、いただいてくぜ?」
泥棒助手K:
「あ、重いです」
逮捕者L:
「谷底に義眼捨ててやった。後悔なんかしてないぞ」
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天使さま:
「ふざけやがって……も、もうゆるさん」
「もう一度、あの斬撃を食らいたいのですか?」
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陸軍M:
「来るなら来いや!」
空軍N:
「ちょっと天使殺してくる」
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天使さま:
「ご……し、し、死にさらせ!!」
ズバッ!!
天使さま:
「はあ、はあ……ど、どうです?」
「これで思い知ったでしょう……?」
工場長:
「あの……天使さま」
天使さま:
「なんです!?」
工場長:
「あの……申し上げにくいのですが」
「天使さまが切った国で、小太陽が1か所に集まってます」
天使さま:
「おお、やっと私に献上する気になりましたか」
工場長:
「あ、いえ……それが……」
「宗教団体が、勝手に天使を名乗ってます」
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ふつうの人間O:
「小太陽いっぱい集めて翼つくった」
「浮力制御の素材だから飛べるよー」
「私が真の天使だよー」
「この世界を、天使を名乗る悪魔から救うよー」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
天使さま:
「地上ごと消してやるあああああああああ!!」
工場長:
「だめだこりゃ……」
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えー、「悪魔、天使に集う」どうだった?
……なんだ、こりゃ?
このネタは古川にとって、教訓みたいな物なの。
(`・ω・´)
「自分が面白いと思うものを描くんだ!」
↑
読まされるほうの身にもなれ。
(`・ω・´)
「とにかくオリジナリティを出すんだ!」
↑
ベタなネタも作れないのにか?
古川にも、創作におけるルールがあるの。
1:未成年者の飲酒、喫煙、ポルノを絵に描かない。
2:悪人には必ず報いを受けさせる。
3:どんなキャラにも、長所と短所を設ける。
すべて「悪魔、天使に集う」の失敗から得た教訓よ。
書き手だけが楽しい作品。
自己満足を追走した作品。
……この世に、無くてもいい作品だわ。
最後に、これを考えた若き日の古川へ。
アンタ、まだよくわかってないのね。
空間が描けてなさすぎよ。
14年後の古川を見習いなさい。
こう描くのよ。
がんばりなさい。
人生はまだ続くんだから。