ボツネタ⑨ 「悪魔、天使に集う」前編
どうだった、「勝利の女神」?
女子高生よ。
(* ’ ω ’ *) うっふっふ。
さあて最後はなにを紹介しようかしら。
……そろそろ、アレに行きますか。
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タイトル: 悪魔、天使に集う
考案: 2004年3月
概要: ファンタジー
ボツ理由: 発表できっこない。
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【 バ ベ ル 】
さあ町と塔とを建てて、その頂を天に届かせよう。
そしてわれわれは名を上げて、
全地のおもてに散るのを免れよう。
創世記11章
バベルの塔って知ってるかしら。
旧約聖書に出てくる、ものすごく高い塔よ。
みんなが塔の建設にハリきってました。
「天まで届く高さにしようぜ!」
神はそんな人間にブチ切れました。
「生意気な。こんな塔、ぶっ壊してやる!」
えー、有名な神話だわ。
解釈には諸説あるそうだけど。
どうでもいいわ。
神は人間に、ブチ切れあそばされました。
◇ ◆ ◇
人間の科学は、すごい進化をとげていました。
浮力を制御する素材を開発しました。
密閉すれば、太陽を作ることも出来ました。
いろんなエネルギーに使えるの。
ロボットもいるわよー。
天使さまはメッチャお怒りになりました。
「いい加減やりすぎです!」
「みせしめに大地を斬ってあげましょう」
「思い知りなさい!」
ズバァッ!!
天使さまは、地上を一周する斬撃をふるわれました。
「どうです人間ども。これで思い知ったでしょう」
……地上はどうなったのかしら。
もちろん無事ではすまないわ。
いちばんヤバイのは斬撃の真上にいた人よ。
真っ二つにされました。
ひと思いに死ねない人もいました。
「なんでこんなことするかね……」
あきらめてはダメよ。
人間には発達した科学があります。
前向きに、前向きに行きましょう。
機械の義肢を作りましょう。
いいえ、四肢だけではありません。
内臓さえも機械に代替できる技術が出来ました。
「えらい腕になったわ」
機械部に、小さな太陽が内蔵してあるの。
義手のエネルギー源よ。
人間の腕とおんなじように動くわ。
いまはまだ機械丸出しよ。
でも大丈夫。
科学に敗北はありません。
もっと精巧な義手もいつか出来るはずよ。
その日が来るのを信じましょう。
天使さま:
「だーかーらー、それをやめろと言ってるんです」
「その科学とやらを、やめろと言ってるんです!」
「どこで作ってんです、その義手とやらは!」
天使さまは、義 体 工場に舞い降りられました。
天使さま:
「やい、工場長はお前ですね!」
「いますぐ研究を中止して、工房を閉鎖なさい」
工場長:
「あ、いえ……そう言われましてもですね」
「失った体の機能を取り戻すのは人類の夢ですよ」
「なんとかお目こぼしを……」
天使さま:
「お前たち人間には、必要ありません!」
「肉体を機械に変えるなどもってのほか!」
「閉鎖と言ったら閉鎖です!」
工場長:
「トホホ……」
天使さま:
「ま、私も鬼ではありません」
「すでに義肢を使ってる者は大目に見ましょう」
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ってなわけよ。
世界中の「義体工場」は閉鎖されることになったわ。
工場のみんなは最後のお別れです。
ロボットも解体されることになりました。
ロボット:
「ミンナ・イママデ・アリガトウ」
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天使さま:
「やれやれ、人間には参ります」
「つけあがらせたら、キリがないんだから」
「肉体は、蘇らないからこそ美しいのです」
「だからこそ尊いのです」
さて、そんな天使さまだけど。
羽がもげました。
病気で。
天使さま:
「あ、翼が……」
天使さま、天上の世界に帰れません。
翼がないから。
天使さま:
「どうしよう……」
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さ、どうしましょうか天使さま。
後編に続くわ。