ボツネタ⑧ 「勝利の女神」
「トライアングル」はどうだったかしら。
今回ご紹介するのは、スポーツものよ。
なんだけど……
さきにお詫びします。
(´・ω・`) ごっつ、絵が汚い。
絵の雑さで言えば、今までで一番ひどいと思うわ。
ま、見てやってよ。
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タイトル: 勝利の女神
考案: 2004年のはず
概要: ハンドボール
ボツ理由: 担当編集者がボツにした。
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ハイ!
今回ご紹介しますのは「 勝利の女神 」。
高校の部活動をテーマにした作品なの。
女子ハンドボール部よ。
女子よ、女子!
燃えてきたわ……
さて、どうしようかな。
どんなふうに紹介していこうかしら。
まず、彼女たちの部室から見ていきましょう。
なによ、この少年院は。
とりあえず誰かひとりに注目しましょう。
キャプテンよ。
彼女だけ3年生なの。
絵本読んで泣いてるわね……高3で。
まあ、全員を紹介する必要はないわよね。
ってゆうか……
この子に触れたくないわ。
なんでロッカーに入ってんのよ。
さ、○○高校女子ハンドボール部。
秋の県大会前日にとんでもない事態が起こったの。
キャプテンが風邪ひいたのよ。
すんごい熱が出たの。
47.8度もあるわ。
高熱よ。
絶望する部員たち。
キャプテン抜きで勝てるのかしら?
ここでちょっとルールを説明するわ。
ハンドボールって、7人でするスポーツなのね。
でも7人そろってなくてもいいのよ。
試合開始時点で、5人いれば参加できるの。
7対5の試合も、ルール上は問題ないわけ。
もちろん不利な試合になるのは当然よ。
ましてやこの部は、キャプテンのワンマンチームよ。
話にならないわね。
試合開始は1時間後。
どうしようもないわね。
がっかりと、相手校に棄権を伝えにいく部員たち。
と、そこへ。
そこへ!!
「キャ、キャプテン!」
「出てきて大丈夫なんですか?」
なんと、キャプテンが駆けつけたわよ!
「遅くなってゴメン。ゴホゴホ」
家で寝てたほうがいいんじゃない?
しかしキャプテンの情熱を無駄にしてはいけません。
試合にのぞみましょう。
ピー!
試合開始。
開始早々、速攻をかけるヒロインたち。
とにかく前半でリードしないとダメよ。
いつキャプテンの体調が崩れるかわかんないわ。
「1点先取するんだ!」
パスパス!
さあ、いきなりチャンスが来たわ!
シュートよ!
だがそのとき!!
「へっきし!!」
「ビクッ! ……あ」
ドバーッ!
味方に直撃したわね。
放血―――
大丈夫かしら?
残念だけど、彼女はここで退場よ。
さて、ここで。
メンバー7人のコンディションを見てみましょう。
【ポストプレイヤー】
キャプテン。風邪。
【ライトサイド】
キャプテンが来てから、なぜかセキが止まらない。
【レフトサイド】
キャプテンが来てから、なぜか熱っぽい。
【センターバック】
ドリブル中に両足首をひねった。
【ライトバック】
頭から出血。退場。
【レフトバック】
ライトバックを殺しかけた。試合に集中できない。
【ゴールキーパー】
目を閉じて、空想ワールドに逃避中。
妄想世界では、イケメン勇者と冒険するお姫さま。
( ; ∀ ; ) もうメチャクチャ……
はい、ひとり欠けて6人になってしまいました。
試合続行よ。
続行すんの?
まずは混乱するチームを立て直さないといけないわ。
キャプテンはメンバーひとりひとりを励まします。
「ハアハア、これからよ!」
「な、なにがですか?」
さあ、始まりました後半。
でも点数差は開いていくわ。
部員たちに、イヤなムードが広がっていくの。
「もう棄権しようよ……」
しかし。
しかし!
ここから逆転劇が起こるわよ!
パシッ。
ボールを奪ったキャプテン。
6人のディフェンスをかいくぐり……
ジャンプシュート!
2点、5点、7点……
ひとりで点差を詰めていくキャプテン。
ボーゼンと立ちつくすメンバーたち。
しかし!
ついにキャプテンに限界が!
「吐きそう……」
そう言って、倒れてしまいました。
残される5人。
どうする?
棄権する?
ここでやめたら、女じゃないわよね。
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どうだった、「勝利の女神」。
いままで紹介したボツネタと、すこし違ったでしょ?
勝利の女神はイラストカットじゃないの。
何ページかの漫画としてネームを切ったアイディアよ。
古川としては自信あったんだけどぉ……
ダメだったわ。
当時の古川の担当編集者は、即ボツにしたわね。
「少年誌なのに、女の子しか出てこないってのはねえ」
ごもっとも。
最初は古川、ビーチバレーの話にしようと思ったのよ。
けどビーチバレー、とても難しい題材だったの。
少年マンガにありがちなトンデモ作戦っていうの?
そんなもん通用しない競技よ。
なぜなら肉弾戦のないスポーツだから。
相手チームとコート分かれてるんだから、当たり前だけどね。
ビーチバレーには、ミラクル必殺技の勝利なんてありえないのよ。
それに近場でやってるとこもなかったし、取材も出来ず。
描こうにも描けなかったのよね。
で、ハンドボールをやってみようと。
え?
古川のハンドボール経験ですって?
(´・ω・`) ねえよ。
最後に、これを考えた若き日の古川へ。
なんでアンタは、よく知らないものを描こうとするの?
背伸びしないで、出来ることだけしなさい!