ボツネタ⑦ 「トライアングル」
ようこそ!
いつも論文ニニコを見てくれてサンキューな。
じゃあ、今回のゲームについて説明しよう。
え?
ゲームだよ。
今日紹介するゲームは、ひとアジ違うぜ。
これさ。
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タイトル: トライアングル
考案: 2004年のはず
概要: 対戦バトルゲーム
ボツ理由: 忘れたよ、そんなこと
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じゃ、さっそくルールについて説明しようか。
このゲームは、
「 鬼ごっこ 」 と 「 ジャンケン 」
を合体させたものなんだ。
そうだなあ。
広いフィールドを想像してほしい。
例えばジャングル、岩山、草原、オフィスビルとかね。
そこがゲームのエリアだ。
基本的なルールは単純だよ。
「相手」を探してやっつける。
これだけ。
つまりハンティングみたいなゲームさ。
フィールドのどこかに2人のターゲットがいる。
そいつらを探してやっつけるんだ。
簡単だろ?
いたってシンプルなルールさ。
ゲームの参加者は、君を含めて3人いる。
つまり「 ジャンケン 」だ。
フィールドには、君たち3人しかいない。
たとえば君を「 グー 」とするぜ?
「グー」の君は、「パー」のプレイヤーにはかなわない。
何をしようがかなわない。
どんな攻撃も通用しない。
出くわしたら一方的にやられるだけだ。
それは「チョキ」にとっての君も同じなわけだ。
「チョキ」は君を見つけた瞬間、ソッコーで逃げていく。
だって、グーの君には勝てないんだもん。
え?
追いかけてって「 チョキ 」をやっつけるって?
冗談じゃない。
そのあと「 パー 」をどうする気なのさ。
いいかい?
もし「チョキ」がいなくなったらどうなると思うよ。
「パー」はゴキゲンで君をブチ殺しに来るぜ?
わかってくれたかな。
「チョキ」には、「パー」を倒してもらう必要があるんだ。
「パー」がいなくなってからが勝負さ。
ゆっくり「チョキ」を探しにいこうぜ!
……なーんてね。
ゴメンゴメン。
そういうわけにはいかない。
だろ?
そう、そこなんだよ。
君はチョキを倒せない。
なぜなら、そのあとパーにやられるからだ。
そして、それは他の2人も同じなわけだ。
だれも倒せないし、だれも動けない。
でもそんなこと言ってたら、ゲームにならないわけ。
勝負もなにも始まりやしない。
三国志のジレンマってやつさ。
倒したら、倒される。
よって「 鬼ごっこ 」だ。
このフィールドに、プレイヤー以外のキャラを投入する。
無敵の「鬼」だよ。
「鬼」は、いちばん近くにいるプレイヤーに襲いかかる。
ってか追っかけてくる。
問答無用でどこまでも、ね。
そして肝心なルールだ。
「グー」「チョキ」「パー」いずれの攻撃も……
鬼にはまったく通じない。
さっきも言ったろ、無敵の鬼だって。
出くわした。
でも逃げるしかないって寸法さ。
「グー」が最後まで生き残る方法は……
ザッツライト!
その通り!
「鬼」に、「パー」を倒させること。
以上!
そのあとで「チョキ」は倒すも良し。
「鬼」がチョキを倒すのを見物してるも良し。
とにかく3人の中で最後まで生き残りゃあ勝ちだ。
キミが「鬼」にやられない限りね。
オーケー!
んじゃ、さっそく行ってみよう。
ヒアウィゴー!
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なにがやねん!
なにがやねん!
えー……まあ、なんのことかわかんないわよね?
実はこれ、ゲームのシナリオなのよ。
当時のネット事情なんて知らないわよね。
私も生まれてなかったから知らないわ。
2004年って、ネットが広まりはじめた時代なのよ。
そこではいろんなネットゲームが流行ってたのね。
世界中のプログラマーが、ネトゲでひとヤマ当てようとしてたの。
古川の大学の先輩も、そのひとりでね……
先輩:
「複数参加型のマップ対戦ゲームを作るんや!」
古川:
「なに言うてはるんです? 意味が……」
先輩:
「なんかそういうアイディアない?」
古川:
「ボンバーマンみたいなゲームっスか?」
先輩:
「いやもっとこう、登場人物にキャラクター性とか……」
古川:
「たとえばどういうのです?」
先輩:
「なに言うてんねん、お前が考えるんや」
古川:
「えー……え?」
先輩:
「お前、マンガとか描いとんねやろ?」
古川:
「それといまの話と、どういう関係あるんスか?」
先輩:
「だーかーらー、なんか思いつくやろ?」
古川:
「……先輩、就職決まったんスか?」
先輩:
「はあああああああああ??」
古川:
「そんなキレんでも……」
なんていうの?
『 理不尽虐殺系 』っていうの?
そういうジャンルが流行ったわよね。
ワケもわからないまま、複数人がゲームに巻きこまれる。
で、最後のひとりになるまで戦うっていう。
古川の先輩、それをゲームにしたかったみたい。
近藤さん、いまはどうされてますか?
あなたがヤイヤイ言うから、古川は考えました。
4つのキャラ。
グー!
バーニングパンチ!
チョキ!
千躓千願流!
パー!
……技名が思いつかないわ!
握りつぶす!
鬼。
100種類くらいの攻撃してくる!
体をボーンしたり!
↓
先輩:
「なにこれ?」
古川:
「先輩のために考えたんスよ」
先輩:
「鬼はこのデザインなん? なんか人間すぎるぞ」
古川:
「いや、とりあえず描いてみただけス」
先輩:
「……これ、ほかでボツったキャラとちゃうんか?」
古川:
「はああああああああ?」
先輩:
「そんなキレんでも」
古川:
「冗談やないッスよ、まったく!」
先輩:
「(悪いこと言うたかな)」
古川:
「(カンのええ人やな)」
……あー。
……あー。
もういいわ。
最後に、これを考えた若き日の古川へ。
大学のレベルがよくわかる会話だったわ。