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*。*:゜ 論文ニニコ ゜:。*  作者: ニニコ・スプリングチケット
37/90

 ボツネタ④ 「サヤを、知りませんか」後編





挿絵(By みてみん)




前回につづき「サヤを、知りませんか」の後半よ。


前半でも書いたけど、もう一度言うわね。


「サヤを、知りませんか」には、ショッキングな表現が含まれます。



「人体切断」

「中絶」

「幻聴」


このキーワードに嫌悪感のある人はいる?

ぜったい読まないでね。




==================


タイトル: サヤを、知りませんか


  考案: 2003年8月


   概要: 刀剣ホラー


ボツ理由: 後半パートで説明します


==================




さて、妖刀と化したチェーンソー。


タケシはその「好意」を受けてしまったわ。



殺してやりたいと思ってたクラスメートを、マジ殺したの。

もういいからここで終わんなさいよ。


いやいや。






挿絵(By みてみん)





画像では修正してるけど、クラスメートはバラバラよ。


最悪の状況ね。


   


タケシ:

「どうしてくれんだよ!」


チェーンソー:

「もう一度チャンスを!」


   

タケシ:

「もう勘弁してよ!」


チェーンソー:

「お役に立てるまで、おそばを離れません!」


   

タケシ:

「なんでやねん!」


チェーンソー:

「あなたは僕の「 鞘 」だ!!」



タケシ:

「なにがやねん!」



チェーンソー:

「僕を支配するものです!」


「すなわち鞘 (さや) だ!!」






挿絵(By みてみん)






挿絵(By みてみん)





 

はい。

そういうわけで、タケシはチェーンソーに付きまとわれます。


タケシは、妖刀の「鞘」になりました。



チェーンソーは彼から離れてくれないわ。


捨てようにもタケシの意思では捨てられないの。

妖刀の魔力がそうさせるのね。


しかたないからケースに入れて持ち歩くハメになったわ。

余計あやしいけど。



   

タケシ:

「ああ、肩こったなあ」


チェーンソー:

「削っちゃいます! ヴィイイン!」


   

タケシ:

「やめろ! 死んじまうだろ!」


チェーンソー:

「ヴィイイイイン!」



タケシは死体を山に埋めたの。

いつ警察に捕まるかとビクビクしながら毎日を過ごしてるわ。


そんな彼のもとに、ひとりの女が現れたの。


彼女は……



誰かしら?






挿絵(By みてみん)

 





※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※





【 ケース⑤ 彼女 】




彼女:

「私を殺して」


タケシ:

「はい?」



彼女:

「ひとり殺したんでしょ? 私も殺してよ」


タケシ:

「なんで知ってる! なんだよ、そのマシン!」



そのマシン ↓






挿絵(By みてみん)





マシン:

「俺は ローリング・ギアーズ !」


彼女:

「だ、そうよ」



マシン:

「俺は アーバンガーデン から来た!」


彼女:

「こういうわけなの。さあ殺して!」




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※






挿絵(By みてみん)




急展開よ。



アーバン・ガーデンとは何なのか?


ローリング・ギアーズとは?



彼女はいったい誰なのかしら。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※





タケシ:

「アーバン・ガーデン? あの映画の!?」


マシン:

「吉野信一の脚本により、皆殺しだ!」



タケシ:

「思い出したぞ、その機械! 映画に出てくる武器じゃんか!」


マシン:

「お前「も」、殺してやる!」



彼女:

「うるさい! 小道具のくせに!」


マシン:

「殺す、殺す!」



彼女:

「さあ殺して。早く!」


タケシ:

「いや、ちょっと待て。あんたもどっかで見たことが……」



彼女:

「来ないんなら、こっちから行くわよ!」


マシン:

「よく言った 沙耶!」



タケシ:

「サヤ……? げッ! アーバンガーデンの殺し屋の……」



彼女:

「私は沙耶じゃない!」







挿絵(By みてみん)





マシン:

「グオグオン! ギュルルルン!」


彼女:

「もう殺してよおおおお!」

   


タケシ:

「ぎゃあ、こっちくんな!」


チェーンソー:

「来やがれ、ヴィイイン!」





※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※





挿絵(By みてみん)




ワレ、何がどうなってんねん!


さ、ここまでの話を、おさらいしましょう。




《 妖刀 》

 人間の役に立ちたい。

 役に立つまで、いつまでも付きまとう。



《 鞘 》

 妖刀が付きまとっている人間のこと。



《 タケシ 》

 殺人犯になってしまった。

 以後、チェーンソーの鞘。



《 チェーンソー 》

 ヴィイイイイイイイイン!



《 アーバン・ガーデン 》

 昨年公開されたSFハードアクション映画。

 監督:吉野信一

 主演:稲田翼

 チェーンソーを使うヒーローの物語。


  

《 ローリング・ギアーズ 》

 アーバン・ガーデンに登場する架空の武器。

 作中の小道具だが、実際に武器として機能する。

 撮影の都合上、実物を作る必要があった。

        


《 沙耶 (サヤ) 》

 アーバン・ガーデンに登場するキャラクター。

 主人公の殺害をもくろむ殺し屋。

 劇中、主人公の兄を殺害し、激高した主人公に殺害される。



《 彼女 》

 読モ出身の新人女優。

 アーバンガーデンの殺し屋、沙耶を演じる。

 2作目の撮影中、ローリングギアーズの鞘になる。


 アーバンガーデンの主人公の「兄役」の俳優を惨殺している。

 



以ッッッ上~。








挿絵(By みてみん)




これをボツにした理由は、言うまでもないわね。


妖刀よ。



① なぜ、妖刀なんてものが生まれたのか。


② なぜ、人間の役に立ちたがるのか。


③ なぜ役に立ったら、妖刀じゃなくなるのか。




説明したいんだけど、できないわ。


思いつかなかったのよ。

古川には思いつかなかったの。


核がないまま、表面だけ出来てしまったネタなの。



ていうか、ていうか!


バックボーンが思いつかないってなに?

こんなネタ使いようがないじゃない!


古川、いまだに思いつかないんですって。

どういうアンポンタンなのよ。



おっと、誤解しないでちょうだい。



「妖刀が生まれた理由? さあ~?」


「それは誰にも、わっかりーませーん♪」



ってゆう感じでもいいと思うのよ。

そういう手法もアリなの。


あなただって心当りあるでしょ?

ホラ、なんて言うの?


やたら謎だらけの作品。

なーんにも説明してくれない作品。


殺人犯の動機を明かさないまま、おしまいとか。

敵の正体がわからないまま、おしまいとか。


これ、けっして不親切な手法なわけじゃないのよ。



「謎」、だから面白いの。


ミステリアスであることも作品の魅力よ。



でも「サヤを、知りませんか」の場合はダメよ。


このネタは許されないわ。

作者の頭にも答えがないなんて論外だもの。



上に書いた ① ② ③の理由、いかが?


あなただったら、どうするかしら?







挿絵(By みてみん)




ちなみにだけど。

さっきのシーンでタケシと沙耶は……あ、ちゃう。


ごめんなさい、沙耶じゃなかったわ。


「沙耶役の女優」だったわね。



ふたりは殺しあうことなく別れたわ。

正確に言えば、女優のほうから逃げちゃった。


 

彼女:

「やっぱり死にたくない!」



その数日後、大事件が起こったの。


人気アイドルの稲田翼が殺害されたわ。

誰やねん。


アーバンガーデンの主演俳優よ。


ずたずたの死体になって発見されたわ。



ワイドショーは連日、このニュースで持ちきりよ。


タケシも家でこのニュースを見てたわ。

すぐにローリングギアーズのしわざと気づいたの。




テレビ:

「稲田翼が殺されました! ひえー」



タケシ:

「沙耶……映画の通りに……」


チェーンソー:

「その映画、見に行きませんか?」    


   

タケシ:

「公開中止になるに決まってんだろ!」


チェーンソー:

「それは残念です」



タケシ:

「いや、ちょっと待てよ?」


チェーンソー:

「どうしました?」    



タケシ:

「沙耶はなんで、俺の殺人を知ってたんだ?」


チェーンソー:

「僕が教えました」



タケシ:

「……は?」


チェーンソー:

「テレパシーです。妖刀は交信ができるんです」



タケシ:

「聞いてねえぞ!」


チェーンソー:

「言ったほうがよかったですか?」


   

タケシ:

「じゃあ、沙耶はいまどこにいるんだ!」


チェーンソー:

「あの、さっきから思ってたんですが」



タケシ:

「なんだ!?」


チェーンソー:

「沙耶は映画のキャラで、彼女の名前は」


   

タケシ:

「いいからサヤを……!!」





============================






挿絵(By みてみん)




「サヤを、知りませんか」


どうだったかしら?


最後に、これを考えた若き日の古川へ。







挿絵(By みてみん)




あんたの手に負えるネタじゃなかったわね。


努力賞。




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終身刑の魔女より

 ↑

いま書いてるやつよ。





チャッカマン

 ↑

ニニコのスピンオフ元よ。





シルバー・ザ・戦隊ヒーロー

 ↑

むかし描いた漫画よ。



― 新着の感想 ―
[良い点] 設定が好きです。刃と見分ける基準作りが大変そうですけれど、面白くなりそうな予感がありました。チェーンソーと喋ってみたい。すなわち、と言ってほしい。 [気になる点] タケシの表情が気になると…
2019/12/21 19:02 退会済み
管理
[一言] ……面白いのになぁ(´・ω・`)
[良い点] ワロタ。 いいネタ仕入れテンじゃないですか師匠。 [気になる点] ハイスピードで駆け抜けて、謎を吹き飛ばす・・・ 謎はなぞのまま、次回作に引き継ぐってのは? 在りか無しか?! ありだと…
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