ボツネタ② 「ダウンロード・モンスターズ」
どうだったかしら、「U・F・O」は?
はい、それじゃあ2本目よ。
古川アモロの黒歴史、今日もハリきっていきましょう。
と言いたいとこだけど、前回みたいな大ネタはもう無いの。
今回から画像も少ない小ネタになるわ。
さあ、今日紹介するのはこれよ。
====================
タイトル: ダウンロード・モンスターズ
考案: 2003年のはず
概要: 召喚魔法つかい
ボツ理由: イタすぎるから
====================
えー、朝起きたらベッドにモンスターがいた。
そういう経験ってないかしら?
いきなりとんでもないこと言っちゃったかしら。
でも、そういうプロットなんだからしょうがないじゃん。
主人公は、彼女よ。
↓
とは言え、彼女についてはなにも考えてなかったわ。
学生なのか。
OLなのか。
主婦なのか。
当時の古川は、それさえ考えてなかったはずよ。
いいかげんね。
さて……
彼女は、召喚魔法の術者なの。
と言ってもこの作品、異世界ものじゃないわ。
舞台はあくまで現代の日本よ。
もちろん2003年のだけど。
彼女の召喚魔法はとにかく変わってるわ。
彼女自身にも制御できないの。
ていうか、魔力どころか儀式も呪文もいらないわ。
「勝手に、なにもしないのに魔物が現れる」
っていう召喚魔法よ。
彼女はなんの修行もなしに、この魔法を習得したの。
ある日いきなり使えるようになったわけ。
……なんかもう、この時点でイヤな予感がしてきたわ。
大丈夫なのかしら、このネタ。
本題に戻りましょう。
朝起きたら、彼女のベッドに魔物がいたわけ。
私だったら気を失うわ。
それからはもう大変。
彼女のもとに、不定期にモンスターがやってくるの。
多いときは1日に数匹。
少ないときでも週に2、3匹。
入浴中、
食事中、
運転中、
仕事中、
いつ魔物が召喚されるかわからないわ。
出現のタイミングがまったく予想できないの。
それに、どんな魔物が召喚されるかもわからないわ。
あるときは超大型の魔物。
あるときは手乗りサイズ。
電車に乗ってるとき、ドラゴンみたいな魔物が現れたこともあったわ。
電車のなかはもうパニックよ。
車掌さんが飛んできて、魔物にキップを拝見とか言い出したの。
完全に錯乱してるわ、車掌さん。
でも魔物はとても優秀なの。
少なくとも彼女は、魔法を使えるようになって喜んでるわ。
銀を生む魔物。
術者に触れるものを攻撃する魔物。
術者そっくりに化ける魔物。
なんとかとハサミは使いようで、便利すぎるの。
「さあ、次はどんな魔物がやってくるかしら?」
「でも、どうしてこんなことが出来るようになったのかしら?」
「このモンスターは、どこから来るのかしら?」
「私、召喚魔法のことなんて、なにも知らないのに……」
そうなのよ。
さっきも書いたけど彼女、魔法の勉強をしたことないの。
ていうか日本で普通に暮らしてて、魔法が身につくわけないし。
まして、とつぜん体得するなんて有りえないわ。
……じつは、彼女は魔法が使えないの。
そもそも召喚魔法じゃないのよ、これ。
転移魔法なの。
魔物たちは「魔界」で悪事を働いた、犯罪者たちよ。
魔界の裁判所で、有罪判決を受けたモンスターなの。
はやい話が、日本に「異世界追放」されてきたわけ。
島流しって言えばわかるかしら。
ようするに魔物は、魔界裁判所の判決で彼女のもとに来るの。
だから、いつやってくるかはわからないのよ。
じゃあ、主人公はいったい何者なのか……?
何者でもないわ。
彼女は魔界裁判所が執行する「 流罪魔法 」の出口ってだけ。
それも裁判所が意図した結果じゃないわ。
たまたま波長があっただけで、選ばれたわけでもなんでもないの。
単なる偶然よ。
つまり……
彼女は、ま ――― ったく普通のひと。
それを、自分は召喚魔法が使えるようになったんだ!
と錯誤するストーリーよ。
えー……みなさん、ご唱和ください。
「 はあ????? 」
アホよね、2003年の古川。
さ、ついでにこれも紹介しようかしら。
魔界裁判所の判事たちよ。
順に列挙するわね。
①魔王。まほうではまず(原文ママ)最強。若い男か、極端なジジイ
②モリガン系おねーさん 主人公を○○君とよぶ
③ムダにでかい 1面のボス
④幽霊的。なのに存在感強い たいてい参謀役
⑤マジこいつ強いの?て奴。すげー弱い
⑥鉄仮面。まあ無口
⑦なんか余裕(原文ママ)
⑧妖精(蛾)
⑨メイド(下僕)
えー……みなさん、ご唱和ください。
「はあ???????????」
えー……
中二病という言葉はご存知かしら。
少なくとも2003年の古川は、この言葉を知らなかったはずよ。
知ってれば、こういうのを描くのにブレーキがかかったはずだわ。
たぶんだけど。
=========================
どうだった?
「ダウンロード・モンスターズ」。
このあとの展開だけど、古川はなんにも考えてなかったわ。
なんでこんなアイディアを、一応とはいえ絵にしたのかしら。
まあそれが修行なんだ、と言えばそれまでだけど。
描く必要ないでしょ、こんなの。
最後に、これを考えた若き日の古川へ。
お前はバカよ。