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2章3節 重力波の衝撃(7)

「トイ星の戦闘ロケットに何が起きたんだ?」

ケンは、トイ星の戦闘ロケットを応援する気持ちになっていた。


「戦闘ロケットに装備された精緻な人工知能が、重力波の影響で誤作動したんじゃないか」

ヒロは、千里眼を使って戦闘ロケットの性能を把握していた。


一方、チイ星の戦艦部隊は重力波の影響をほとんど受けなかった。

戦闘ロケットの攻撃を受けてチイ星の戦艦の数は半減していたが、残った戦艦がトイ星に向けて長距離ミサイルを発射しようとする。


「長距離ミサイルが発射されたら、トイ星の住民が死んでしまう!」

ケンがサブリュウの中から飛び出そうとすると、サブリュウは口を閉じてケンを止める。

*** ケン一人の力じゃあ、ミサイルは止められないよ・・・


「いや、今行かなきゃ大変なことになる!」

ケンがサブリュウの口をこじ開けて外に出て、さらに影宇宙からも飛び出した。


「あー、ホントにケンが飛び出した。どうしよう・・・」

シリュウの中にいるロンはおろおろしている。


「タリュウ、ケンの後を追ってくれ。このままではケンが死んでしまう」

ヒロは、ケンを影宇宙の中に連れ戻そうと焦った。


しかし、ジリュウの中にいるミウとマリが叫んだ。

「あーっ、ケンが長距離ミサイルにくっ付いたまま、トイ星に向かって飛んでいくよー」


「タリュウ、ケンが影宇宙を飛び出す前まで時間を戻してくれ!」

ヒロの指示に従ってタリュウが影宇宙の中で上昇すると、ミサイルが逆戻りするのが見える。


そのミサイルが元の戦艦に戻る直前に、ケンがミサイルから離れて影宇宙に逆戻りするかに見えた。


しかし、タリュウが影宇宙の中を上昇して宇宙の時間を遡っても、影宇宙の時間は前に進んでいた。

だからケンは影宇宙に戻って来ない。


「こうなったら、僕が影宇宙を飛び出してケンを連れ戻すしかない!」

ついにヒロも飛び出して、宇宙の中に出てきたばかりのケンの腕を掴んだ。


「何をするんだ、ヒロ。俺はミサイルを止めなくちゃならないんだ!」

そう言って、ケンはヒロを振り切って戦艦に突進して行った。


「待てー、ケン。ミサイルを止めるのは無理だー、危険すぎるぞー!」

ヒロが後を追ったが、ケンは戦艦から発射されたミサイルに突進した。


「えーい、最強の地竜でミサイルを破壊してやるっ」

ケンが渾身の力を振り絞って地竜を放つと、ミサイルが一部破損して進路がそれた。


すぐにミサイルを発射した戦艦が、ケンに向かって砲撃してきた。


「おっと危ない」

ケンは辛うじて砲弾を避けたが、他の戦艦数機も攻撃してきた。


ジリュウの中からケンの戦いを注視していたマリとミウが悲鳴をあげる。

「あーっ、ケンに砲弾が当たったあー」

「ケン、ケン、死なないでー」


タリュウの中に戻ったヒロは呆然としている。

サーヤもサスケも固まって動けない。

シリュウの中のロンは、カゲマルを抱きしめて震えている。

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