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2章3節 重力波の衝撃(1)

「オリンポスの宇宙船が落下した後、誰が僕たちを竜の中の病室に運んでくれたの?」

タリュウの中で、ヒロがサーヤにたずねる。


「デウスとプロメトスが研究所のスタッフと協力して助けてくれたのよ」

サーヤがサスケの頭をなでながら答えると、ヒロは何か思い出そうとする。


「デウスたちが僕を竜の病室に運んでいる時、デウスの声は聞こえていたけど、姿は見えなかった。何かシートみたいなものを僕の体にかけてくれたのかな?」


「そうよ、ヒロの宇宙服の一部の機能が壊れたことに気づいたから、シートをかけたんじゃないかな」

「そうか、デウスとプロメトスは、僕がオリンポス人の自然な姿を見て驚かないようにしてくれたのか」


「私の宇宙服の機能は壊れなかったのかな?不思議なものは何も見なかったよ」

ジリュウの中から、ミウがヒロに話しかける。


「宇宙船が墜落した時から竜の中の病室に運び込まれるまで、ミウとケンはずーっと気を失っていたから何も見ていないはずよ」

タリュウの中からサーヤが答えた。


「いや、俺は途中で気がついたけど、目を開けなかっただけだよ」

体力自慢のケンは、強がりを言ったが、気を失ったことすら思い出せない。


「ヒロはアルテミスを好きになったんだろ?」

話題を変えたくなったケンが、いきなりヒロに聞いた。


「違うよ、アルテミスがヒロを誘惑したんだよ」

シリュウの中のロンが、助け舟を出した。


「そうなの、ヒロ?」

つい、ミウが声に出してしまうと、すかさず、マリが口をはさんだ。

「ヒロ、誰が一番きれい?アルテミス?ミウ?それともマリ?」


「アハハ、何言ってるんだい、マリ。みんな、キ レ イ だよ」

ヒロが困惑していると、ケンが冷やかす。

「やっぱり、アルテミスを好きになっていたな、ヒロ」


「オリンポス惑星に来る途中で、ミウが超新星爆発の衝撃波に襲われたけど、今度は大丈夫かな?」

苦手な話題から逃げ出したいヒロが、ケンに話しかける。


「あっ、そうだ。六億年前の過去から未来に戻っているから、あの衝撃波に出会うかもしれない」

ケンが、そう言ったとたんに、タリュウがグルグル旋回し始めた。


「タリュウは、銀河の中心にあるブラックホールに引き寄せられているぞ」

ヒロとサーヤにシュウジの声が聞こえる。


「えっ、超新星爆発の衝撃波じゃないの?」

サーヤが問いかけると、シュウジが答える。


「別の宇宙が、我々の宇宙に侵入してきた影響で、宇宙の時空が大きくゆがんだようだ」


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