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6節 超古代のカンベイ湾(8)

*** おいら達の母さんも同じことを言ってたよ。ヒスイの玉を運んだときにブラフマーを見て、特別な力を感じたそうだ・・・


会話に加わったジリュウに、ヒロがすぐ反応する。

「君達の母さんがヒスイの玉を運んで、ブラフマーの枕元に置いたのか」


*** そうだよ。みんながブラフマーの時代に行ったと母さんに話したら、ヒスイの玉のことを教えてくれたんだ・・・


サブリュウが答えると、さらにケンが質問する。

「何故ヒスイの玉を運んだのか、誰かに指図されたのか、教えてもらわなかったのかい?」


*** 特に何も言っていなかったよ・・・

今度はシリュウが、どうしてそんなことを聞くのか、という顔で答えた。


*** さあ、九千五百年前の同じ街に着いたぞ・・・

タリュウがスピードを緩めて、影宇宙の出口に適した場所を探し始めた。


「おおっ、見事な都市国家になっている。俺達がいなくなっても、ブラフマーは立派な古代都市を作り上げたんだよ」

先生が満面の笑みを浮かべて、シリュウから降りようとした。


*** 慌てるなよ、今降りると影宇宙から落ちて大ケガをするぞ。この時代はクリシュナという人がこの街を治めているって、おいら達の母さんが教えてくれたよ・・・


ジリュウが大事なことを思い出したという表情で言うと、ミウが街を見ながら声をあげた。


「少し小さいけど、モヘンジョ・ダロの街とそっくり!パルテノン神殿みたいな神殿まであるよ」


*** そうだ!おいら達の母さんはクリシュナの友達だから、クリシュナの家でみんなを降ろそう・・・


「そんなことをして大丈夫なのか?クリシュナの部下と戦うことにならないかなあ」

慎重なヒロの心配をよそに、四匹の竜はクリシュナの家の天井から顔を出した。


クリシュナは自分の部屋で、静かにヒスイの玉を見つめているようだ。


*** クリシュナ、あなたはおいら達の母さんを知っているよね・・・

突然、タリュウが天井から声を掛けると、クリシュナはギョッとして上を見上げた。


「あーっ、驚いた!あの竜はお前達の母親なのか」

クリシュナは、輝くような美貌とたくましい筋肉の持主だ。


*** そうだよ、ブラフマーさんの友達を連れてきたから、よろしく頼むよ・・・

ジリュウが軽い調子で話しかけると、クリシュナはイスから立ち上がった。


すぐに、クリシュナの目の前に、スガワラ、ヒロ、ミウ、ケン、サスケ、カゲマル、コタロウが現れた。


「ブラフマー神は、この街の創始者であり私の祖先だが、千五百年も前の時代に生きていたはずだ。そんな昔の人とあなた達が友達とはいうのは、どういうことなのか?」


特に興奮することなく、クリシュナが問いかけると、スガワラ先生が身振り手振りで答える。


「ブラフマーさんの家族と仲良く暮らしていたのですが、この不思議な竜が我々をあなたの時代に運んでくれたのですよ。あなたも竜の友達がいるのなら、不思議なことがあっても驚くことはないでしょう。」


「そうだな。ちょうど今、この街の将来を案じて、ブラフマー神ならどうするかと考えていたところだ」


そう言って、クリシュナがヒスイの玉に目を移すと、スガワラ先生は全員を紹介した。


「クリシュナさん、そのヒスイの玉をちょっと貸してください」

ヒロがヒスイの玉をそっとサスケの鼻に近づけると、すぐにサスケが横を向いた。


「やっぱり、サーヤはこの時代より後の時代に来て、ヒスイの玉を触ったようだ」


ヒロの言葉に興味を持ったクリシュナがヒロに話しかける。

「このヒスイの玉は、ブラフマー神がこの街に残してくれた宝物だ。この宝物とサーヤという人物にどんな関係があるのか?」


ヒロが手短かに説明すると、クリシュナは納得してため息をついた。

「君の妹のサーヤは、確かにこの街に来ていない。しかし、私がヒスイの玉に語りかけている時にあなた方が現れたのには、何か訳があるに違いない」


「ブラフマーさんがデウスの啓示を授かって、この街と建物を建設したということはご存知ですか?」


ミウがたずねると、クリシュナは探し物が見つからない時の表情を見せた。

「それは言い伝えとして残っているが、どうすればデウスの啓示を得られるのか、その方法は分からないのだ」


ケンがブラフマーに教えてもらった方法を説明すると、クリシュナは半信半疑ながら試してみようと思った。


「やはりブラフマー神が、時代を超えてあなた方を竜に運ばせたのだ。今夜はみんな私の家でゆっくり休んでください」

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