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2章7節 バビロン惑星の文明(1)

四千年前のシュメール国家の混乱を解決した直後、ヒロ、サーヤ、ミウ、ケン、マリ、ロンとサスケ、カゲマル、コタロウ、ハンゾウ、ヒショウは、影宇宙に戻った。


校長の説明が始まる。

「しかし影宇宙に戻ってしばらくすると、アムル人の青少年がシュメール豪族に拉致される事件が多発した。アムル人とは、シュメール豪族の独裁者を征伐する準備を始めた遠くの民族のことじゃ」


それは、アムル人の青少年を人質にして、アムル民族がシュメール独裁者を攻撃できないようにするためだった。


「拉致された青少年の家族は、拉致被害者を取り戻すようアムルの指導者に懇願した。勿論、指導者は被害者達を取り戻そうとシュメール独裁者に何度も迫ったが、いつまで経っても取り戻せなかったのじゃ」


五十年以上も膠着状態が続き、拉致被害者の家族が諦めかけた頃、バビロン惑星の魂が現れて、アムル民族に知恵と戦闘能力を与えた。


「ある夜、アムル人の秘密部隊がシュメール独裁者のジッグラドに潜入して、拉致被害者達を安全な場所に移動させた。すぐさま、アムル人の戦闘部隊がシュメール独裁者と護衛隊を逮捕したのじゃ」


「逮捕された独裁者と護衛隊隊員達は、一人ずつ大きな壺の中に監禁された。アムル人が拉致されていた間の苦痛を味わわせるための刑罰じゃ。監禁されたシュメール独裁者達の中に五十年間も生き延びた者は一人もいなかった」


こうしてシュメール豪族の独裁政治は終わった。アムル人達は、シュメール豪族が住んでいた土地に巨大都市を築いて、バビロンと呼んだ。


「バビロン惑星というのは後で説明するが、なかなか面白い惑星じゃ。その前にバビロンの文明を見ておこう」


マリが大きな塔を見つけた。

「あー、バベルの塔が見えるーっ」


「あれは、シュメール国家にあったジッグラドを真似て造った塔じゃな。シュメール文明を受け継いで天体観測をしておる」


「バビロンの有名なハムラビ法典は、シュメール人の法律が基になっているんでしょ?」

ロンは自分の知識を隠そうとしない。


「そうじゃ、ロンはスガワラ先生の話をしっかり聞いておるな。バビロンの建物も法律も素晴らしいが、基本はシュメール文明と同じじゃった」


「さて、四千年前のメソポタミアにバビロンの魂が現れたが、そのバビロン惑星のことを話すとしよう」


「バビロン惑星は、気温が上昇しすぎて一億年前に住人が住めなくなった惑星じゃ。そこで、地球より進んだ科学技術を使って、バビロンの魂を造った」


「その惑星は水の惑星で、陸地がほとんど無い。地球の陸地は、南極も含めて全ての氷が溶けたら海面が六十メートル上昇して狭くなるが、水の惑星になるわけではないぞ」


「バビロン惑星の住人が水の中で生活していたとしたら、どうやって地球より進んだ科学技術を発展させたんですか?」

サーヤは、バビロン惑星の住人の姿を想像できなかった。


「バビロン惑星の住人は、カエルのような姿をした高等生物じゃった。ただ、文明を発達させ始めた頃は、狭い陸地で地球の人類と同じように進化していた」

校長のうれしそうな声が聞こえる。


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